朱里
おはよう
蘭世
朱里ちゃん、おはよう!
朱里は蘭世が立つと驚いて目を伏せた。
クラスのみんなもそれを察してか、関わらないようにと目を伏せた。
蘭世
朱里、きいてよ!今日朝まで彼氏と通話しちゃったんだ!
蘭世
今回の彼氏っていうのはね、ネットで知り合ったんだけど
朱里
え、そうなんだ…危なくない?
そうはいっても、朱里が心配などしていないことは一目瞭然だった。
朱里
(今回って、この前もだったよね。もう新しい彼氏なんだ)
クラスメイトA
男たらしはさすがだよな、だってこの前なんてさ…
その後に続く言葉を、朱里に気を使ってかクラスメイトの誰かが静止した。
朱里もそれに気づいて、どこか居づらそうにしていた。
蘭世
そういえば、優くんって全然だめだよね
蘭世
朝まで通話してくれないし、朱里ちゃんもなんで付き合ってたの?
朱里
(なにそれ…)
クラスメイトA
おい、蘭世それはないだろ
クラスメイトB
もう少し気を使うとかないのかよ
クラスメイトたちがヒソヒソと話をしはじめた。その理由も、朱里の彼氏は「優くん」であり、朱里は「被害者」だったからだ。
蘭世
…なんで?
蘭世
なんであたしが気を使うとかしなきゃいけないの?
蘭世
だって、優くんが迫ってきたから…
朱里
(蘭世なんて、さっさと…)
クラスメイトB
何泣いてんだよ、気持ち悪い
気持ち悪い、その言葉にショックをうけたようだが周りはすぐにわかった。それは、蘭世に向けた言葉ではなく自分に向けた非難の声だと。
朱里
…もういいよ
蘭世
いいってなにが?朱里ちゃん、いわなきゃわかんないよ
朱里
…はぁ
先生
席付けー
蘭世
また後で聞かせてね!
先生
えー、最近ネットでの犯罪が多発している…気をつけるように
蘭世のことだ、みんなが思ったが顔に出すものはいなかった。
蘭世の顔色が悪くなっていくのを見てか、噂からか先生は
先生
蘭世、ちょっといいか
蘭世
は、はい
クラスメイトA
絶対彼氏のことだよな
クラスメイトB
彼氏が犯罪者でもなんでも自業自得だろ?
クラスメイトA
はは、だよな
蘭世
先生、大丈夫だよ。みんなにはネットで知り合ったっていってあるし、先生はそのことで注意しにきたんだから
先生
…蘭世…
蘭世
先生、すきだよ
しばらくして教室に戻ると、皆の視線が蘭世に突き刺さる。
クラスメイトB
今回のも長く続きそうにないな
朱里
(続くとか続かないとかそういうことじゃなくて、蘭世は誰でもいいんだろうな)
花
…ねえ、朱里ちゃん。ちょっときいてほしいんだけど
蘭世
え、なにこれ
一斉にきたスマホへの通知に驚きを隠せないようだった。
花
あのさ…蘭世ちゃんって
先生
蘭世がどうかしたのか?
花
せ、せんせ…
朱里
いえ、特に
先生
そうか…二人とも、蘭世とは仲良くしてくれていて嬉しいよ
朱里
(仲良く?)
先生
さ、そんなことはさておきはやくスマホの通知みろ
花
(そんなこと、って…やっぱり…)
朱里
(花ちゃん、話ってなんだろ)
クラスメイトA
な、なんだよこれ
クラスメイトB
うちの高校だけって、どういうことだよ
先生
静かに!まあ、そこに書いてある通りだ。
行方不明者は…
先生
そして、相澤優
蘭世
…え?優くん…
朱里
(なんで、優が…?というか、もしかして今の人たち全員)
クラスメイトB
蘭世と、付き合ってきた奴ら…
蘭世
え、なんで?なにこれ…
花
(付き合ってきた人達が共通なら、今付き合ってる人は…)
花
(今日遅くなっちゃった…先生、教室にいるから職員室にはよらなくていいんだよね)
蘭世
先生、大丈夫だよ。みんなにはネットで知り合ったっていってあるし、先生はそのことで注意しにきたんだから
花
…!?蘭世さん?
先生
…蘭世…
花
(なんで?どういうこと?先生と蘭世ちゃんが、まさかそんな…)
花
(もしかして、次は先生なんじゃ…)
クラスメイトB
なぁ…もしかして蘭世が…
蘭世
ねえ、そんなこというのやめてよ!なんで…
クラスメイトB
…あぁ、ごめん
朱里
(まさか、優が…どうして)
クラスメイトB
(ただの偶然、信じたくない。
そんなことをいえば、俺だって…)
先生
まぁ、気をつけるように…
1時間がはじまった、しかし先生はこない。妙な緊張感に包まれたクラスの中、蘭世と関係を持った者たちは更に落ち着かない様子だった。
蘭世
ねえ、みんな蘭世がやったとおもってるんでしょ!
クラスメイト
……
蘭世
なによ、それ…
朱里
蘭世は、やってないと思う
突然発せられた朱里の言葉に少し意外そうな目を向けるクラスメイトたち。
蘭世
朱里ちゃん…!
朱里
蘭世のつながった人たちはネットの人もいる。それに、学年で何人が付き合ってきたの?時期も人も全然違うタイプだし、確かに偶然にしてはできすぎかもしれないけど…
蘭世
それに、なんで蘭世がやらなきゃいけないの?
クラスメイトB
じゃあ、なんでそんなに焦ってんだよ
クラスメイトC
まさか、朱里も共犯なんじゃねぇの?
朱里
なっ…
クラスメイトA
おい!それはないだろ!
朱里
そ、そうだよ…
蘭世
でも、朱里ちゃん優くんのこと恨んでるんじゃない…?
クラスメイトB
庇ってもらってんのにそれはないだろ!
朱里
最低…あんたなんか…
花
あんたなんか行方不明になればいいのに!
蘭世
!?
クラスメイトC
花…?
花
私わかってるんだから!蘭世ちゃんが付き合う人ってみんな私がカッコいいって噂している人だよね!?
朱里
えっ?
花
優くんだってそうだよ!朱里ちゃんにカッコいいから羨ましいっていったし、他の二人もそうじゃん!
花
それに今回の彼氏だってそう!私知ってるんだから…
蘭世
し、しってる?
クラスメイトA
おい、花知ってるってなにをだよ
花
こいつと…こいつ、先生と付き合ってる!さっき呼び出されたとき私聞いたんだよ!
クラスメイト
先生と、って…
朱里
蘭世…先生と付き合ってるの?
蘭世
そうだよ、もう言うけどこんなに好きになったのも先生がはじめてだし、皆にはいわないつもりだった
全員
………………
朱里
…………………………
先生
……………………………………
蘭世
え、え?なに?
花
あんたなんか
朱里
いなくなればいいのに
クラスメイトA
男たらし
朱里
気持ち悪い
朱里
はやくきえて
朱里
はやく
朱里
はやく
朱里
はやく
朱里
消えろ
先生
消えろ
蘭世
先生…?
花
さようなら
先生
たのしかったよ
花
先生、いこ
花
今日はディナーいくんだもんね
蘭世
不在着信
蘭世
不在着信
蘭世
不在着信
蘭世
不在着信
蘭世
不在着信
蘭世
不在着信
先生
通話
13:07
花
不在着信
花
不在着信
花
不在着信
花
不在着信
先生
通話
02:11:05
朱里
不在着信
朱里
不在着信
朱里
不在着信
朱里
不在着信
朱里
通話
21:07:06
先生
不在着信
先生
不在着信
先生
不在着信
先生
不在着信
先生
不在着信
先生
不在着信