上司が寝てる間に世界が消える
ゲーム会社で働くエンジニアの高城ユウマは、開発中の空間エンジンのログに奇妙な表示を見つける。
それは、プログラムではありえないエラー・・・『空間削除』。
次の瞬間、現実のオフィスそのものが歪み、ユウマは突然見知らぬ世界へと転移してしまう。
落ちた先は、王国の首都エルディア。
巨大な魔導鎧が並ぶ格納庫で彼を迎えたのは、机に突っ伏して眠る隊長と、どこか締まりのない騎士団だった。
状況を理解できないまま戸惑うユウマだったが、その直後、王都の塔が音もなく消える不可解な現象が起こる。
周囲の人々は自治領の嫌がらせだと騒ぐが、ユウマには”それ”がはっきりと見えていた。
空間の奥で揺れる、見えない何か。
そこへ現れた妖精フィズは、その正体を告げる。
それは世界を少しずつ削り取る存在・・・。
位相外生命体「透過者」。
しかも、その姿を認識できるのは、異世界から転移してきたユウマだけだった。
やがて王都の広場でも空間消失が発生し、混乱の中でユウマは魔導鎧《ヘロン》と共鳴し、偶然にも起動させてしまう。
見えない敵と初めて対峙するユウマ。
しかし透過者は撤退し、街には不気味な静けさだけが残る。
王都の異変は始まったばかりだった。
そしてユウマは、なぜかこの世界を守る最前線へと巻き込まれていくことになる。