青輝
型 零ノ型 零閃ゼロせん
敵の攻撃を受け流し、その勢いで水平方向へ一回転し終えると同時に攻撃をいなされて体勢を崩された敵の背後を斬る技。氷の呼吸の中でも特に水の呼吸と関連性が高い型であり、水の呼吸の柔軟さを組み込まなければうまく受け流せない可能性がある。水の呼吸が氷の呼吸へ派生する途中で編み出された型であり、当初氷の呼吸しか習得していなかった凛は黒縄との戦闘中、攻撃を受け流せずに日輪刀を折られてしまった。その後、水の呼吸を会得することで型を完全に会得するに至った。
・壱ノ型 御神渡おみわたりり
一瞬の溜めから繰り出されるシンプルな縦方向の斬撃。水の呼吸における『水面斬り』にあたる型であるが、威力だけで言えばこちらが勝る。
『御神渡り』とは冬季の寒冷地で湖面に一部盛り上がった氷堤が見られる現象であり、古来、長野県諏訪湖において諏訪大社の神が渡ったものとされている。
・弐ノ型 霰斬あられぎり
文字通り敵を霰切りにする型。寸分違わぬ正確無比な斬撃は、敵を立方体に切り刻む。
『霰斬り』とは食材の切り方の一つで、食品を立方体に切る事の中でも大きさ5㎜ほどのもの。
・参ノ型 細氷さいひょうの舞まい
一瞬の溜めの後に踏み込み高速移動する移動を兼ねる攻撃の型。攻撃の為に一瞬固まる溜めの動作の際、構えた刀身に光が反射する様が細氷のように見えるために名付けられた。水の呼吸における『流流舞い』にあたる型。
『細氷』とはダイヤモンドダストの異名。
・肆ノ型 搗かち割わり
守りを固める敵に対し、防御が脆い部分に打ち込み守りを崩す型(というより極意に近い)。
『搗ち割り』とはかき氷の異名。
・伍ノ型 雪そそぎ
敵に苦痛を与えずに頚を絶つ慈悲の一閃。斬られた者は、春の雪解けするような冷たくも暖かい感触を覚えるという。水の呼吸における『干天の慈雨』にあたる型。敵が頚を差し出さなくとも行使できる点が干天の慈雨との異なる点。
『雪そそぎ』とは恥や汚名を新たな名誉を得ることによって消すこと。
・陸ノ型 白魔はくまの吐息といき
自分の周囲を引き寄せるかのように豪快な捩りを加えた斬撃。水の呼吸における『ねじれ渦』にあたる型。
『白魔』とは雪崩の異名。
・漆ノ型 垂氷たるひ
高速の刺突に手首をねじりを加え、穿った傷口を抉る型。水の呼吸における『雫波紋突き』にあたる型。
『垂氷』とは氷柱の異名。
・捌ノ型 氷瀑ひょうばく
怒涛の勢いかた繰り出される上段からの斬撃。水の呼吸における『滝壺』にあたる型。
『氷瀑』とは冬季に見られる凍った滝のこと。
・玖ノ型 銀花繚乱ぎんかりょうらん
縦横無尽に駆けまわる歩法の型。ふんわりと着地する点が特徴な点。水の呼吸における『水流飛沫・乱』にあたる型。
『銀花』とは雪の異名。
・拾ノ型 紅蓮華ぐれんげ
敵を滅多切りにし、血の華を咲かせる剣技。一度に多量の血を失った敵は、大量出血により瞬く間に体温を失い、凍えるような思いをするとされる。氷の呼吸における大技であり、炎の呼吸における『煉獄』同様奥義とされる型。
八寒地獄における『紅蓮地獄』が技名の由来。
・拾壱ノ型 白姫散華しらひめさんげ
舞うような風を伴う回転斬りの型。相当な剣圧をほこり、それは童磨の血鬼術”寒烈の白姫”の冷気を斬り払うほど。童磨の血鬼術を破るべく、凛が流の遺言を頼りに編み出した凛だけの型。
『白姫』とは冬の女神。『散華』とは仏教において仏を供養するために華を散布する行為を指す。また花を散らす意味から転じて、死亡することの婉曲表現としても使われる言葉。
・拾弐ノ型 極月愛日ごくづきあいじつ
全ての氷の呼吸の型を繋げ、一斉に敵へ叩き込む大技。溜めが存在する氷の呼吸全ての型をタイムラグなしで繰り出せるほど錬磨した上で、本来繋がることのない型を水の呼吸も交えて得る柔軟さで繋げることから、実質氷の呼吸と水の呼吸の両方を高レベルで会得していなければ成り立たない。こちらも童磨対策として凛が編み出した彼だけの型。
『極月』とは12月。『愛日』とは冬の日光。また時間を惜しんで父母に孝行をすることを意味する。また12月は『師走』とも言われ、その語源が師が走り回ることの他、『為果しはつ』というものがあることから、凛は『師や父母のために孝行を為し終える』ことを誓い、この技名にした。
・終ノ型 絶対温感ぜったいおんかん
凛の人並み外れた温度感覚を最大限まで研ぎ澄ます型。本編中ではもっぱら童磨の攻撃を避けるために使われていたが、実際はこれを応用して”痣”を発現できる段階まで体温を高め、実際に発現させていた体温操作術の一つもである。
