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名取周一

あちらは少々分が悪いようですね

的場静司

そのようですね

的場静司

多軌さんが倒れている人たちを回収してくださったようなので
一度夏目君を置いて撤退しましょう

的場静司

とりあえず名取は奴らを閉じ込める結界を張ってください
私が足止め致しましょう

名取周一

確かに妖がついている限り夏目は安全でしょう

名取周一

あなたの言うことを聞くのは
癪ではあるが今回は従いますよ

名取周一

柊は術が完成するまで奴の動きを封じてくれ

了解いたしました

名取周一

ちゃんと寄せ付けないでくださいよ的場さん

的場静司

私を誰だと思っているんですか?

的場静司

大船に乗った気でいてください

名取周一

泥船じゃないことを願いますよ

ヴァーヴ

(この妖はものすごい妖気を漂わせている)

(主様と的場が組んだとて祓えるのだろうか...)

フッ(刀を妖めがけて振り下ろす)

柊は思いっきり刀を振り下ろした しかし妖の表皮に傷がつくのみで断ち切ることができなかった

的場静司

ものすごく硬いようですね

的場静司

的場に欲しいものだ

的場静司

言葉が話せたら契約もできるのになぁ

的場静司

姿うつすはそにあらじ...

的場静司

...御光によりて穿ってみせよ!

的場の持っていた札が妖に向かってものすごい煌めきを放つも 妖はひるむのみで外傷は見当たらない

的場静司

術が効きにくい...これはまた面倒だ

(あっちも苦戦しているようだが名取の小僧がなにか描いているな...)

(あれは妖封じの結界か!?
範囲はこの屋敷全体といったところか
仕方ない、撤退の準備もしておくか)

夏目貴志?

どこ向いているんです?
ずいぶん余裕な割に私のこと倒せないんですか?

ええい、うるさい
まったく夏目はいつも面倒事ばかり...

(というかこいつ名取の術に気づいておらんな)

夏目貴志?

この子の用心棒がこんなものとは

(夏目の奴、記憶を読まれたな)

ふんっ、お前こそ人の体を使わんと
動く事すらできない小物のくせに

夏目貴志?

いいえ、なにも人間じゃないといけない訳ではないですよ

夏目貴志?

たしかに人間の方が動きやすいですが
妖にも乗り移れます

夏目貴志?

ですがこんなにも自由がきく依代も珍しい

そんなことを話している内に名取は陣を描き終えた

(そろそろ撤退するべきだな)

(それに的場が弓をこちらに向けている
”あわせろ”ということか。まあ、いいだろう)

ごちゃごちゃとさっきからうるさいわ

ニャンコ先生がそう言うと同時に額が青白く光り出した そしてそれに合わせて的場が弓を放つ

夏目貴志?

何だ!!

突然のことに夏目は弓をよけるのに精一杯で 重心が後ろに偏った

隙が大きいのはお前の方だ

斑がその隙を逃すはずもなく斑は夏目を中庭に叩きつけ、 柊とともに車の方に飛んでいった

名取周一

わがたなぞこにきたれ制約の一朶...

名取周一

縛!

陣は屋敷を神々しく照らし出した

夏目貴志?

ちっ、結界か、祓い屋というのも小賢しい

名取周一

それでは撤退しましょう

的場静司

はあ、やっとですか

的場静司

ずいぶんと大変な仕事を請け負ってしまった

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