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…普通……
阿部亮平
桜井凪沙
なんで……って思ったけど、その言葉をすぐ理解した。 だって…… 亮平さんは……
阿部亮平
桜井凪沙
なんも言葉は出てこなかった。 なんて返せばいいのか分からない。
阿部亮平
そんなの……
阿部亮平
そんなこと……
阿部亮平
桜井凪沙
阿部亮平
限界って……言ってたのは…… 私といるのがしんどいって……
桜井凪沙
阿部亮平
それは、本当なの……? 悲しいよ。 苦しいよ。
阿部亮平
桜井凪沙
阿部亮平
なに……待って…… 理解が追いつかない。
阿部亮平
桜井凪沙
涙が溢れてくる… こんな風に亮平さんが自分のこと話してくれるのは初めて。
阿部亮平
もう、何を失ってもいい。
阿部亮平
嬉しくて……嬉しくて…… 胸が痛くなるほど、亮平さんのことが 大好きだ。
もう、何もいらない。 だから…… その代わりに……
桜井凪沙
阿部亮平
桜井凪沙
阿部亮平
桜井凪沙
ただ……ただ…… 1つだけ……
桜井凪沙
真っ直ぐ亮平さんに想いを伝えた。 一緒に居たい。 ずっと一緒に居たい。 すると…… 私の手を引っ張り、ぎゅっと抱きしめてくれる。
阿部亮平
桜井凪沙
阿部亮平
阿部亮平
うん。 たくさん泣いたし……たくさん傷ついた。 でも……それ以上に……
桜井凪沙
……
亮平さんが下を向いて、微笑む。 ……え…… 私の頭に、ポンッと手を置き……
阿部亮平
桜井凪沙
頭を優しく撫でてくれる。
阿部亮平
桜井凪沙
阿部亮平
桜井凪沙
阿部亮平
亮平さんも辛かったんだよね…… でも、私……
阿部亮平
初めて会った時……
阿部亮平
桜井凪沙
阿部亮平
桜井凪沙
聞きたくても、聞けなかったこと… 教えてくれるか……なぁ……
阿部亮平
桜井凪沙
阿部亮平
え……私そんなに強ばってたかなぁ…… やっとだ…… これを聞けば、亮平さんに近づける気がする。
なんか緊張するな……
阿部亮平
……… デビューする前……ってことは…… 5年くらい前の話?
阿部亮平
テレビ局……ってことは… 5年くらい前だし、私がまだ、今の会社に就職してない時。
……
桜井凪沙
…思い出せない。 すると……
阿部亮平
桜井凪沙
阿部亮平
桜井凪沙
その時は、まだ仕事に慣れてなくて3年ぐらい。 苦戦していたからテレビ局にいても、 セットを運ぶくらいで…… 芸能人に会ったこととかは1度もない……
いわゆる、下っ端だった。
阿部亮平
桜井凪沙
……廊下で? え……もしかして…… あ、いや…………
あっ……!
桜井凪沙
阿部亮平
分かったかも…… 私が……
桜井凪沙
阿部亮平
亮平さんの名前…… いや、私の名前だって教えてないのに…… なんで、私のこと覚えてたの?
なんで、私って……分かったの? もう5年以上前の話だよ?
阿部亮平
桜井凪沙
あれは、助けたうちに入るのか?
阿部亮平
桜井凪沙
阿部亮平
私と、初めて会った日の話しをし始めた。 確かに、雨が降っていた……
阿部亮平
阿部亮平
桜井凪沙
阿部亮平
阿部亮平
私が思っていた話と一致する。
阿部亮平
あっ……そうだった。 どうしたらいいのか分からなくて。 助けを求めようとしたけど…… 近くに誰もいなくて……
桜井凪沙
阿部亮平
桜井凪沙
阿部亮平
阿部亮平
桜井凪沙
阿部亮平
私の名前…… ずっと覚えててくれたの…?
阿部亮平
そう、誰かを探しに行った…… 1人じゃあ何も出来なかったから…… でも、その後……
桜井凪沙
阿部亮平
あの後、ずっと、大丈夫かなって心配してた……
桜井凪沙
阿部亮平
桜井凪沙
良かった……助けてくれるメンバーがいて。 私じゃあ頼りないし。 こんな小さなことなのに、私のこと覚えててくれたの?
……嬉しい。