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薬とパーカーの下の狂気

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薬とパーカーの下の狂気

16 - ハート企画裏設定小説① とある王国の王子様の話

♥

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2022年09月24日

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「〜ま!」

「〜うじさま!」

??????

王子様!

王子様

んむぅ…

??????

朝ですよ!

王子様

執事さん…

執事さん

王様と兄君と奥方様がお待ちです

王子様

うん、今行くよ

王子様

着替えは?

執事さん

こちらに

スッ

王子様

ありがとう

シャッ チャッ

王子様

顔洗わないと…

執事さん

蒸しタオルです

スッ

王子様

お、気が効くね

フキフキ

王子様

じゃあ、行こうか

執事さん

はい

スッ スッ スッ…

スッ スッ スッ…

王子様

父上、母上、兄上

王子様

おはようございます

王様

うむ、おはよう

あら、おはよう

兄王子

…チッ

兄王子

おせーよ

王子様

ご、ごめんなさい!

兄王子

…ハァ

王子様

…フフッ

王子様

メイリー、おはよう!

あらまあ…フフッ

メイリーもそろそろ産まれてくるからね

その時はもっと可愛がってやってね

王子様

はいっ!

兄王子

チッ

兄王子

そんな産まれてもないもんより俺らの方が大事だろうが!

兄王子

早く飯寄越せよ!

執事さん

…かしこまりました

執事さん

お召し上がりください

・ ・ ・

・ ・ ・

王子様

ご馳走様でした!

兄王子

…ガタッ

(兄王子が去る)

王様

全くあいつは…

…あなた、そろそろあの話を…

王様

…そうだな

王様

おい、こっちに来い

王子様

え!?

ズル ズル ズル…

(王様に王子様がどこかへ連れていかれる)

・ ・ ・

王様

ここなら…いいか

王子様

父上?

王子様

どうしたんですかいきなり

王様

…其方に話しておきたいことがある

王子様

なんですか?

王様

わしが王座を退いたら…

「其方にこの国の王になってもらいたい。」

王子様

…へ?!

王子様

俺が、第一王位継承者ってことですか?!

王様

あぁ、そうだ

王子様

だって、兄様が…

王様

あいつは、力は強いが頭が足りていない

王様

それでは、王には不十分

王子様

それでも、俺は弱いし…

王様

其方には、素晴らしい頭脳がある

王様

国を動かす力がある

王様

引き受けてはくれぬだろうか

王子様

…わかりました

王子様

父上の期待に応えれるように頑張ります!

王様

うむ、それでいい

王様

…では、戻ろうか

王子様

はいっ!

ガタッ タッタッタッタッ…

王子様

…ん?

王様

どうした

王子様

…いや、なんでもないです

バタバタバタバタ… ガンッ!

兄王子

…っあぁぁぁぁああぁぁぁああっ!

ドンッ‼︎

兄王子

…どうして

兄王子

どうしてあいつが王なんだよ!

兄王子

俺の方が強いし、年上なのに…

兄王子

どうして、あんなとろくて弱っちいクズが!

兄王子

…あぁ、そうか

兄王子

みんなが、間違えてるんだ

兄王子

盲目になって、周りが見えなくなっている

兄王子

だから、俺は、間違ってない…

兄王子

…だから、俺が…

「あいつらを…!」

翌日

王子様

父上、母上、おはようございます!

おはよう!

王様

うむ、おはよう

王子様

メイリー、おはよう!

フフッ

…あれ、執事さんは?

王子様

あぁ、兄上を起こしに…

バタバタバタバタ

執事さん

皆さま、お逃げください!

あら、どうしたのそんなに慌てて

執事さん

あ、兄王子様が…

兄王子

…ッハハッ

ザシュッ

(兄王子が執事を刺す)

執事さん

カハッ…

バタンッ

し、執事?

王様

お、おい…

兄王子

…ハ ハハ…

王子様

あ、あぁ…!?

「ロバートさん…っ!」

王子様

兄上、どうして…!

兄王子

…お前らが悪いんだ

兄王子

お前らが、間違っているから…

兄王子

俺が、俺が…!

「正すしかないんだ!」

ヒュンッ

王子様

ウギャァッ‼︎

(両目を刺される)

だ、大丈夫?!

王様

お前、なんてことを…っ!

兄王子

みんなが、みんなが…っ!

王子様

ぅ…あ…

王子様

兄…さん…

「ゾリエ兄さん!」

ゾリエ王子

ハァ ハァ ハァ ハァ…ッ‼︎

ゾリエ王子

俺の名前を呼ぶな!

ゾリエ王子

俺は、俺は…っ!

ガシッ

(ゾリエ王子を王様が組み敷く)

王様

お前ら、逃げろ!

あなたっ!

王子様

やだ、やだよ…っ!

王様

早く!

わ、私は残ります!

王子様

母上?!

だって、私は…

”国王の妃”ですから!

王様

…ぐぅ…

王子様

父上、母上!

王様

早く行け!

さぁ、早く!

王子様

いやだ、いやだ!

王様

…じゃあ、これを持っていけ!

ヒュンッ カランカランッ

王子様

これ…

王様

我が王家に伝わる宝石だ!

王様

王になるものに受け継がれる!

王子様

でも、俺は…っ!

ゾリエ王子

なんで、なんで!

ゾリエ王子

本当に、王になるべきなのは俺なのに…っ!

違うわ!

あなたは、王の器じゃない!

ゾリエ王子

違う!

ゾリエ王子

お前らが間違っているだけだ!

…行きなさい

王子様

母、上…

これをあげる

コロンッ

王子様

これは…

王の妻に渡される指輪よ

大切な人ができたら、渡してあげて

王子様

俺、俺は…

王様

目は大丈夫か?

王子様

ちょっと、見えにくいけど…

王様

じゃあ、全力で走れ!

王様

急いで逃げるんだ!

私たちに、あとは任せて!

王子様

待って、待ってよ…

「リェフォゾォ父さん、エリー母さん!」

王様

…フフッ

王様

行くんだ、

「”エイミー”!」

エイミー、立派な、立派な人間になってね!

周りの人を笑顔にできるような人間になってね!

王様

忘れるなよ!

王様

お前は、お前は…!

「”オーリーオーン王国の王子であり、俺たちの自慢の息子なんだからな!」

王様

いけ!

ドンッ

(王様がエイミーを突き飛ばす)

「…はいっ!」

タッタッタッタッ…

タッタッタッタッ…

エイミー・フォン・オリオン

ハァッ ハァッ ハァッ ハァ…ッ‼︎

エイミー・フォン・オリオン

ここまで来れば大丈夫か…

エイミー・フォン・オリオン

…ウッ…目が…

エイミー・フォン・オリオン

…あ、川が…

エイミー・フォン・オリオン

…ちょうどいい、顔を洗おう

バシャ バシャ バシャ…

エイミー・フォン・オリオン

…え!?

エイミー・フォン・オリオン

俺の、目…

エイミー・フォン・オリオン

色がなくなってる…?!

エイミー・フォン・オリオン

どう、して…

エイミー・フォン・オリオン

…兄さん…

エイミー・フォン・オリオン

…父さん、母さん…

エイミー・フォン・オリオン

辛いよ…

エイミー・フォン・オリオン

助けてよ…っ!

エイミー・フォン・オリオン

…いや、だめだ

エイミー・フォン・オリオン

みんな、俺を守るために…

エイミー・フォン・オリオン

…俺は、俺らしく生きていこう

ザッ ザッ ザッ ザッ…

エイミー・フォン・オリオン

みんな

「さよなら。」

それから、俺は一人で旅をした。

たくさんの国をまわって、たくさんの人に会った。

服はリメイクして教授風にして、首には母に貰った指輪を通したネックレス、ネクタイには父にもらった宝石をネクタイピンにしてとめてある。

そうして、いつものように街をまわっていると、暗い顔をした少年に出会った。

…とても、昔の俺に似ていた。

笑顔になってほしい。

そう思って、彼に声をかけた

エイミー・フォン・オリオン

なぁ!

??

…え?

自分の選択が、間違いではないことを祈って。

…しかし、間違えてしまった。

大切な彼は、姿を消してしまった。

ずっと、ずっと後悔してる。

それでも、間違いだと認めたくなかった。

自分が正しいと思い込むために、ひたすら知識を詰め込み続けた。

そんな日々を繰り返し続けたある日…

運命が変わった。

エイミー・フォン・オリオン

エイミー・フォン・オリオン

……

?????

なぁ

エイミー・フォン・オリオン

…なんですか?

?????

自分の努力が報われる、自分の選択を後悔せずに生きていける、そして…

「その知識を存分に振る舞える軍に、興味はないかね?」

エイミー・フォン・オリオン

…あなたの名前は?

?????

あぁ、申し遅れた

グルッペン

俺は”グルッペン・フューラー”という

グルッペン

我々軍の総統を務めている

エイミー・フォン・オリオン

…私は…

エイミー・フォン・オリオン

エイミー…ル

「”エーミール”と申します。」

グルッペン

エーミール?

グルッペン

じゃあ、エーミールよ

「改めて、俺の軍に入らないか?」

エイミー・フォン・オリオン

…はい

エイミー・フォン・オリオン

私の、野望のために

エイミー・フォン・オリオン

力を貸し、そして借りさせていただきます

グルッペン

…あぁ、臨むところだ

我々軍 総統室

グルッペン

…では、今日から我々軍の軍人ということでいいな?

エイミー・フォン・オリオン

…はい

エイミー・フォン・オリオン

よろしくお願いします

グルッペン

それじゃあ早速…

「グル〜ッペ〜ンッ!」

グルッペン

おぉう

グルッペン

今は新人の受け入れ作業中なんだ

??

へぇ、新人?

??

一体どんな…

エイミー・フォン・オリオン

…っ!

あぁ、彼だ。

だいぶ変わってしまっているが、彼で間違いない。

すぐ、そう感じた。

グルッペン

新人のエーミールだ

グルッペン

仲良くするんだゾ

??

…へぇ、エーミールって名前なんや

エイミー・フォン・オリオン

…は、はい、そうです

エイミー・フォン・オリオン

あなたは…?

??

ん、俺か

??

俺はなぁ…

「”ゾム”っちゅうもんや!」

ゾム

よろしくな、エーミール!

エイミー・フォン・オリオン

…っはいっ!

エイミー・フォン・オリオン

よろしくお願いします!

ゾム

ニカッ‼︎

(ゾムの満面の笑み)

あぁ、笑顔にできた。

やっぱり、俺は間違えてなんかなかった。

正しい選択だったとは言えないのかもしれない。

でも、少なくとも間違いではなかったはずだ。

だって、こうして彼の笑顔をみることができた。

彼を、笑顔にできた。

そして…

こうして、また”逢えた”。

それだけで、俺は自分のことを信じることができるから。

だから…

エイミー・フォン・オリオン

皆さん、これからよろしくお願いします!

「「おう!!」」

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コメント

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ゾムさんの満面の笑み最高!

ユーザー

ヴッチーン(尊死)

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