ねな
お姉ちゃんいつ帰ってくるの?
凛華
もうすぐ帰るから安心して
ねな
分かった
凛華
そういえばねな今日習字で賞とったんだってね、凄いじゃん
ねな
賞なんて取って当たり前のことでしょ、じゃないと私の価値が下がるから
凛華
ううん凄いことだよ、当たり前のことじゃないよ、お姉ちゃんこんな偉い妹を持って幸せ者だな〜
ねな
当たり前のことをしてこんなに褒めるなんでバカみたい
凛華
ごめんね、お姉ちゃんバカだと思われないように頑張るから
ねな
頑張らないでいいよ
ねなは昔はとても甘えん坊で、いつも私に甘えてくれたのにな、どおしてこんな感じになったのかな?
ごめんねだめなお姉ちゃんで
ねな
お姉ちゃんいつ帰ってくるの?
凛華
もうすぐ帰るから安心して
ねな
てかお姉ちゃんいつも何処に居るの?
ねな
友達の家とか?
凛華
そんな感じかな
ねな
感じってもう少し詳しく言ってよ
凛華
それは無理
ねな
まぁ無理矢理は聞かないけど、早く帰ってきてよご飯が冷めちゃう
凛華
分かったすぐ帰るから
凛華
そういえば、ねなもうすぐ誕生日だね、プレゼント何がいい?
ねな
いらない
凛華
どおして?
ねな
無駄だから
凛華
無駄じゃないよ、誕生日はねなが産まれた大切な日なんだから
ねな
無駄だよ
凛華
なんで?
ねな
私には価値がないから
凛華
価値って………人は価値で決めるものじゃないよ
ねな
違うね人間は価値が全てだよ
人はその人が価値があるかないかで友達になるか仲間になるか決める、価値がない人間は一生一人で寂しく生きるんだよ
凛華
そんなんじゃないよ
ねな
エゴとかいらないから
凛華
エゴじゃないよ
ねな
りっぱなエゴだね、いいよねお姉ちゃんは、優しくすれば周りはお姉ちゃんを必要とするだからお姉ちゃんには価値がある、でもお姉ちゃんが周りに優しくすればするほど私には価値がなくなる、その苦しさが分かる?分からないなら黙っててよ
凛華
ごめんね
本当は姉に謝らせたくない姉には笑っててほしいずっと、笑って笑っておばあちゃんになっても綺麗で幸せになってほしい
ねな
お姉ちゃんいつ帰ってくるの?
ねな
お姉ちゃん?
ねな
不在着信
ねな
不在着信
ねな
不在着信
ねな
不在着信
ねな
お姉ちゃんどおしたの?返事して
ねな
不在着信
ねな
不在着信
凛華
ねな
ねな
お姉ちゃんどおかしたの?大丈夫?
凛華
私は大丈夫だから落ち着いて
ねな
待ってて今お母さんに伝えてくるから
凛華
落ち着いて!!!
ねな
わっ分かった
凛華
ねな私はもう家に帰らないね
ねな
なんで?もしかして昨日のこと怒ってる?ごめん謝るから、謝るから帰らないなんて言わないでよ、昨日のこと全部嘘、嘘だから
凛華
怒ってないよ大丈夫
ねな
ならどおして?
凛華
それはねお姉ちゃんがバカだから
ねな
お姉ちゃんはバカじゃないよ
だって私の憧れだもん
凛華
嬉しいこと言ってくれるね
凛華
でもねなお姉ちゃんの話し聞いて
ねな
分かった………
凛華
私ねなが思ってるほど誰かに必要とされる存在じゃないの
ねな
えっ…
凛華
私お父さんにもお母さんにも必要とされてなかった、いつも邪魔扱いで、私がいない方が二人には良かったみたい
凛華
ねなが産まれてからそれがもっと酷くなった、ねなは素直で可愛いからお父さんもお母さんもねなのことを可愛がってた、だから私はねなのことがきらいだった大嫌いだった
ねな
うん……
凛華
でも貴方が笑うから私が抱っこするといつも笑うから、どれだけ辛くても、苦しくても、笑ってこれた貴方が居たから
凛華
ねなが私を助けてくれたように、ねなが苦しいときは私が助けてあげようと思った、けど何も出来なかった、ごめんね
ねな
そんなことないよ、私いつだってお姉ちゃんに助けられた、だって苦しいくてもお姉ちゃんずっと側にいてくれた、励ましてくれた、大好きって撫でてくれた
ねな
ごめんなさい、私がもっといい子になるから帰ってきてよ、お姉ちゃんがいなきゃ私苦しいよ
凛華
ねな、貴方が価値を大切にするならその価値に縛られてないで、見つけなさい自分でそしてそれを伸ばしなさい
ねな
私の価値を見つける?
凛華
そう、あるでしょあなたの価値
ねな
私の価値?
凛華
貴方の笑顔よ
ねな
私の笑顔?
凛華
貴方の笑顔は人に笑顔を分け与える素晴らしいものよ、失っちゃだめ、昔貴方が私の笑顔を好きと言ってくれたように、私も貴方の笑顔が好きよ
凛華
お姉ちゃんで居させてくれてありがとう
ねな
お姉ちゃん嫌だ嫌だ行かないでお願いだから、ずるいよお姉ちゃんだけ、ずるいよ私も連れってって
離れたくないよ、私達姉妹でしょ?お願いだから
そおして姉は、行方不明となった、私は、必死になって探した、でも見つからなかった、今までのこと面と向かって謝りたい、私よりお姉ちゃんの方が傷ついていたのに、ごめんなさい、ごめんなさい
一週間後、姉が死体として見つかった、監禁されてたらしい、犯人が捕まり事情聴取が行われた、そしてあることが分かった、姉は、殺される前に「最後に、妹にLINEしてもいいですか」と聞いたらしい、犯人は自分も一緒に見るそれが駄目なら駄目だと言ったそうだ
あぁ本当に姉はバカだ大馬鹿だと思った、いやバカは私の方だ……
ごめんなさい、ごめんなさい
貴方の温かい手が、優しい声が綺麗な顔が、誰よりも好きだった、私の誇りだった、自慢だった
ねな
おねちゃん私お母さんになったよ
ねな
女の子が産まれたの私絶対にこの子を大切に育てるから、お姉ちゃんみたいな思いはさせないようにするよ、だから見守ってて
ねな
もうここにこうやって書くのも辞めるね、前を向くよバイバイ
凛華