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♢注意 人のことを差別したり軽視したりする表現が少し含まれています。 苦手な人は戻って下さい。

清野川庵也

おいお前ら、
はしれーーーー!

炉端里菜

早いです。

炉端里菜

もっとゆっくり
走ってください

炉端里菜

みんなも
着いてきてませんよ

清野川庵也

清野川庵也

おお、すまん。

清野川庵也

じゃ、ゆっくり行くぞ

清野川庵也

神風先生!

清野川庵也 バスケ部キャプテン 総務委員会所属 2年5組 理数科 部活以外に興味がなく、クラスでは孤立

神風顧問

どうした、
こんなところに
呼び出して。

神風呪縛 バスケ部顧問 総務委員会担当 二年学年主任 世界史担当 密かにその美しさで男女問わず人気を集める噂の先生。

神風顧問

まーた総務委員会の
資料無くしたのか?

清野川庵也

違います!

清野川庵也

今回はうちの
部活のことで。

神風顧問

ああ、バスケ部のことだな

神風顧問

すまんな、
一応私が顧問なのにな
学年主任と掛け持ちだと

神風顧問

なかなか
部活に参加できなくてな

清野川庵也

大丈夫っす……

清野川庵也

でも、本当は、
来たくないだけなんじゃ
ないんですか?

清野川庵也

だって俺らの先輩が
五年前くらいに
殺人起こして
少年院に行ってから、

清野川庵也

バスケ部途端に
落ちぶれちゃったし。

清野川庵也

挙げ句の果てに
人数減りすぎて、
ほぼ廃部直前

神風顧問

ああ……

清野川庵也

図星っすね

清野川庵也

まあいいんすけど、
その代わり、
一つ教えてください。

神風顧問

何をだ

清野川庵也

清野川庵也

……独裁って
どうやるんすか?

神風顧問

神風顧問

え?

炉端里菜

庵也先輩。

#1 退部届

清野川庵也

なんだ、リナ

清野川庵也

なんか深刻そうだが、
なにがあった?

炉端里菜

私、やめます

清野川庵也

何をか?

炉端里菜

部活です

清野川庵也

清野川庵也

ふざけるんじゃねえよ、
俺ら五人、ずっと
仲良くやってきただろ?

炉端里菜

もう無理ですっ……
これ以上、
いじめられたくない!

炉端里菜

スクールカーストの五割は
部活で決まるんですもん!

清野川庵也

あっそ……

清野川庵也

じゃあ、
どうでもいいのかよ

清野川庵也

仲間のことなんて、
見捨てるのかよっ!

炉端里菜

い、いや……

清野川庵也

俺らのことを
悪く言うやつはゴミだ!

清野川庵也

俺らは、
人数さえ揃えば、全国で
無双するほど強いんだ!

清野川庵也

それなのに、
そんな、
ゴミみてえな奴らの

清野川庵也

ゴミみてえな
言葉に乗せられて、

清野川庵也

俺らを捨てるのかよ!

清野川庵也

自分の才能
捨てるのかよ!

炉端里菜

はい……

清野川庵也

お前の学校生活、
そんなんで
いいのかよっ!

清野川庵也

来年は十人
一年生入れて、
逆転するって約束、
忘れたのかよっ!

炉端里菜

そう、ですよね。

清野川庵也

清野川庵也

な、一緒に

清野川庵也

汚名返上してやろうぜ!

炉端里菜

はい……

清野川庵也

じゃあ破れ!
その退部届!

ビリっ

神風顧問

ふーん

神風顧問

ちゃんと退部届
破らせた?

清野川庵也

はい!

神風顧問

やるじゃないか

神風顧問

それが、お前の、
この部への
情熱なんだな

清野川庵也

へい!

清野川庵也

なんでもやってやります!

神風顧問

神風顧問

じゃあ、
やるべきことを教える

神風顧問

私も全面的に
協力しよう

#2 イジメを止めろ!

綾野姫夏

リナちゃーん
まーたそんなこと
やってんの?

綾野姫夏

部活なんて
やめちゃいなよ

清野川庵也

清野川庵也

…………

綾野姫夏

あのさぁ、
なんかあれだよね

綾野姫夏

顧問だから最近神風先生に
可愛がられてて、
調子乗ってるよね?

炉端里菜

乗ってません

綾野姫夏

すこーし
綺麗だからって。

織屋冬由

すこーし、先生が
高学歴で若いからって
調子乗るな

清野川庵也

清野川庵也

そんなに神風が
好きなんだったら、

清野川庵也

本人にお前らを
どう思ってるか
確認しておこうか?

清野川庵也

多分そーゆーこと言う奴は
嫌われると思うけど

綾野姫夏

な、なによ

織屋冬由

偉そうに!

清野川庵也

偉そうじゃなくて、
偉いんだぜ

清野川庵也

俺お前らの先輩だし

清野川庵也

バスケ部の部長だしな

神風顧問

神風顧問

そうだ、お前が1番偉い

神風顧問

うちの部員は
世界一優秀なんだ

神風顧問

それ以外は奴隷以下

神風顧問

そう言ってやれ

#3 排除

清野川庵也

お前ら、
里菜を虐げやがって。

清野川庵也

ついてこい。

綾野姫夏

はい……

織屋冬由

反省してますから、
帰してください!

清野川庵也

言っておくが、
リナは真面目で、
毎日筋トレを怠らない

清野川庵也

そんな奴だ

清野川庵也

だからな、
お前らの腕折るくれえは
余裕なんだよな

清野川庵也

でも、
あいつはそんなことしねえ

清野川庵也

強い奴は優しいんだ

清野川庵也

清野川庵也

だが俺は弱い

清野川庵也

優しくねえ

清野川庵也

お前らのやったこと
一週間前から
姑息に録画していた

清野川庵也

全部これは
ネット上にばら撒く

清野川庵也

バスケ部の
宣伝動画としてな

#4 支配欲、歪む認識

名利昭也

すみませーん

名利昭也

バスケ部の
見学に来ましたー

清野川庵也

突然だな、
パンフレットでも見たか?

名利昭也

ネットに上がってた
バスケ部の動画見て

名利昭也

めっちゃかっこよくて
後輩思いな部長に憧れて
入りたいなって!

名利昭也

バスケ部を
文化部"ごとき"が
バカにするから
あーなるんすよね

清野川庵也

ああ、文化部"ごとき"がな

清野川庵也

我が校のバスケ部は
この学校で
1番優秀な生徒の集団だ

清野川庵也

他の奴らは奴隷以下だ

清野川庵也

清野川庵也

おい走れ、お前ら!

炉端里菜

早いです。
もっとゆっくり……

清野川庵也

まだ走れ!
これくらいで
へこたれるやつは
いらねえ!

炉端里菜

すみません。
少し、めまいがっ!

名利昭也

わあ、大丈夫ですか!
保健室行かないと!

清野川庵也

神風顧問

炉端、大丈夫か?

炉端里菜

はい。

炉端里菜

少し、きつかった
だけですから。

神風顧問

神風顧問

無理するなよ。

炉端里菜

顧問、
来ないでください

炉端里菜

貴方は何も
知らないでしょ!

炉端里菜

みんなは、
貴方のこといい人って言う

炉端里菜

でも!

炉端里菜

炉端里菜

私たちは、
貴方のこと、
憎んでますからっ!

神風顧問

数ヶ月後

炉端里菜

十人も、部員増えましたね。
それも他の部活の人が
それをやめてまで
バスケに入るなんて。

清野川庵也

そりゃあそうだろ

炉端里菜

……

清野川庵也

嬉しくないのか

炉端里菜

なんか、
初期から入ってる人
みんな言ってますけど

炉端里菜

部長、怖いです

炉端里菜

もっと、
大人しくて、
優しかったのに

ガチャ

神風顧問

神風顧問

おいお前ら、
よく聞け

神風顧問

お前らは、
最も優秀じゃない

清野川庵也

うっ……

神風顧問

神風顧問

弱小だ

神風顧問

庵也が言ってきたのは
みーんな嘘だ

炉端里菜

ええ

炉端里菜

庵也部長、
この人は歪んでます

神風顧問

そして、そんな嘘を
言えと言ったのは
私だ

神風顧問

彼は私の指示に
従っただけだ

清野川庵也

やめろ、やめろっ!

神風顧問

庵也は、
部活をただ、
守りたかっただけだ

神風顧問

こいつは……

清野川庵也

清野川庵也

もうやめろ!

清野川庵也

いいか、うちの部こそ、
もっとも優秀で!

名利昭也

庵也部長、
もういいです

名利昭也

もう俺はやめます

私も

俺も

じゃあ俺もー

まじないわー

うちらもやめよー

清野川庵也

…………

清野川庵也

炉端里菜

庵也部長

清野川庵也

清野川庵也

やめるんだろ?

炉端里菜

炉端里菜

いえ。

炉端里菜

ごめんなさい、
先輩のこと、
ひどい人だって思って。

清野川庵也

清野川庵也

俺は最低だ

清野川庵也

俺もやめる。
この部活。

炉端里菜

何言ってるんですか。
元々いた人は
みんな知ってます

炉端里菜

先輩は
意味わかんないほど
お人よしだって

炉端里菜

それとその、
あの。

清野川庵也

なんだよ
今更。

清野川庵也

もうなんも意味ねえだろ

炉端里菜

私たちは、
バスケなんか、
今はいいです。

炉端里菜

庵也先輩との
毎日のおしゃべりが
何より楽しいんです

神風顧問

私が守りたかったのは
この部ではない。

神風顧問

ただ
他でもないお前ら、
ここの部員を
守りたかったのだ

神風顧問

今更かもしれないが、
私はこの部の顧問として
時間を作って
毎日部活に来ると決めた

神風顧問

神風顧問

それと
4月末隣町の公園に、
新一年でも連れて
花見に行かないか?

炉端里菜

行きます!

清野川庵也

そうするか

清野川庵也

さ、練習だ。
今日もグラウンド
五周走るぜ!

神風顧問

じゃあ私も一緒に
走るとするか

炉端里菜

え、いいんですか?

神風顧問

当然だ、
顧問だからな!

神風顧問

今日は先頭を私が走る。
ちゃんと着いてこいっ!

END----

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