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水
赤
白
いつも通りの放課後
今日もそうだと思っていた
先生
それは先生の一言で壊された
水
先生
赤
露骨に嫌そうな顔をするりうちゃん
僕も同じ気持ちだ
白
先生
先生
水
辺りを見回すと僕ら以外誰も居ない
クラスメイトはもう全員帰った後だった
先生
白
ニッコリとした笑顔を浮かべた先生に ダンボールを渡された
白
白
水
赤
水
赤
目の前には大量にダンボール
これ全部を僕が運ばないといけないと思うと 気が重い
白
白
赤
水
水
水
白
赤
タッタッタッタッ
二人が教室から出ていく
改めてダンボールに目を向ける
三人で分けても重いぐらいのものを 一人で持っていかなくてはいけない
不幸中の幸いと言えば準備室は 同じ階にあって階段を登る 必要はない事だ
水
ため息をつきながらダンボールを抱えた
水
落胆しながら準備室までの道のりを歩く
腕がもげそうだ
荷物が大きいので前も見えづらい
人に当たったりしないが心配だ
水
水
足元がふらつく
これはマズイ…‼︎
???
誰かが転びかけた僕を支えてくれた
驚きながらも顔を上げるとそこには
青
いふ先輩の姿があった
水
水
青
青
水
青
水
軽々と僕の持っていた量の 半分ぐらいを持つ先輩
水
青
青
ニカっと笑みを浮かべながら言う先輩
やっぱり優しいんだな
こんな人が僕を好きなんて勿体無い
もっと素敵な人の方がお似合いだ
青
青
水
青
青
水
二人で並んで廊下を歩いていく
傾いてきた日が僕らを照らす
こうして見てみるとやはり 先輩の顔は整っている
パッチリとした目にスッと通った鼻筋
夜空を連想させる髪と瞳も よく似合っている
おまけに身長も高くてスタイルがいい
俗に言うイケメンだ
そういえばクラスの女の子が いふ先輩が好きだと言っていた
文武両道と才色兼備を絵に描いた ような人だからだそうだ
確かに僕もそう思う
ただ、それは本人の能力面や外見の話
人の本質は内面にあると感じる
どれだけ見た目が良くても 性格が悪いと僕は好きになれない
その点先輩は優しくて 友達想いのいい人だ
そして笑顔が可愛い
…って、なんで僕はこんなに 先輩のことばかり 考えているんだろう
先輩に告白されたあの日から変な感覚だ
別に先輩のことは友達として好きだ
しかし恋愛として、と聞かれると 違う気がする
好意を抱かれて嫌悪感などはない
今まで無駄に人に好かれても 意味がないと思っていた
そのことでトラブルになったりしたくないからだ
でもいふ先輩だけはそう感じない
好きとまではいかないが気になる、 ぐらいだ
まぁただ人として興味があるだけな 気もする
青
青
水
水
ダンボールを並べていく
もし一人で運んでいたら どうなっていたのかと 考えると恐ろしい
先輩がいてくれたおかげだ
水
水
青
青
水
青
青
水
青
助けてもらったのに「ありがとう」の 一言で終わらせるなんて 気が済まない
せめて何かお礼がしたい
青
水
青
青
青
水
学年が違う先輩がこの階にいたのは そう言う事情があったのか
僕も一人で帰らないといけなかったし、 こちらとしてもありがたい
水
青
水
青
青組
水
青
オレンジ色に染まった空の下、 二人で並んで帰る
先輩と帰るのは初めてだ
学年が違うからこそ 自分と違った視点の話を 聞けて楽しい
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水
水
青
青
水
青
青
水
夕方は夕陽が綺麗で好きと言う 印象しかなかったが そういう考え方もあったのか
別れの時間がやってくる事が 寂しいのは僕もそうだ
親が仕事で帰ってくる事が遅いため いつも家に帰ったら一人だ
家に入った瞬間の孤独感は 毎日のことだが辛い
水
水
水
青
青
夕焼けを二人で眺める
さっきよりも輝いて見える
捉え方が変わっただけで ここまで見え方が変わるのか
これが視野を広げるというもの なのだろうか
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水
青
青
水
水
青
青
水
青
青
りうちゃんも初兎ちゃんも 別の市に住んでいて、かなり遠い
同じ市の中に住んでいても 反対方向なこともよくある
中学校までのように 全員が近所に住んでいるわけではない
友達の家に行く機会は減ったように 思える
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水
青
水
青
どんどん小さくなっていく先輩の背中
また明日と言ったときの先輩の笑顔は とても綺麗だった
作られた美しさではない自然な笑みから来る美しさ
今日の先輩を頭に思い浮かべてみる
今まで感じたことの不思議な感情に 襲われる
水
水
考えても埒が明かなそうなので 家路に着く
この感情の正体に 気付かないフリをしながら──