テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
注意⚠️ 新潟が可哀想です。とある県がちょっと性格があれです。それでも大丈夫な方はOK
新潟
新潟
夕暮れの日本海を見つめながら、新潟はポツリと呟いた。
彼のアイデンティティは、常に曖昧だった。
組織の狭間で、今はどこにも所属しない「浪人」のような身分。
ある時は、距離の近さから「東北地方」の門を叩いた。
しかし、東北の面々からは「お前の周波数は50Hzだけど、ぶっちゃけ雰囲気は関東寄りだろ」と、どこか一線を引かれて、受け入れてもらえなかった。
ならばと「関東地方」へ向かえば、今度は「お前、川で繋がってるし、電気も融通してくれるけど、流石に遠いよ。中部行きなよ、」と突き放される。
どこに行っても「お客様」扱い。自分の本当の居場所がわからないまま、
新潟の心は雪国のように冷え切っていた。
そんなある日のことだった。傷心の新潟の前に細い県が現れた。北陸三県の巨頭。「石川」である。
石川
新潟
新潟
石川
石川
新潟
新潟は縋るような目で石川を見た。石川は扇子で新潟の顎を、クイと持ち上げ、悪魔のような取引を持ちかけてきた。
石川
石川
石川
石川
新潟
新潟
新潟
石川
『ほ』から始まる地方。
それは言わずもがな、石川が率いる、「北陸地方」のことだ。
新潟
新潟
新潟の目に、久々の熱い炎が灯った。
新潟
新潟
それからの新潟の働きぶりは凄まじかった。
新潟
石川に言われた通りの過酷なノルマをこなし、
自慢の米を差し出し、
ひたすら忠誠を尽くした。
周囲から
滋賀
香川
このように心配されても、新潟は「これで『ほ』の地方に入れるんだ」と、
一縷の望みを抱えて耐え続けた。
そしてついに、新潟は石川から提示されたすべての目的を達成した。
息を切らし、ボロボロになりながらも、新潟は石川のオフィスに駆け込んだ。
新潟
新潟
新潟
新潟
期待を胸に膨らませ、満面の笑みを浮かべる新潟。
しかし、デスクに腰掛けた石川は、預かったコシヒカリの権利書を愛しそうに撫でながら、
冷ややかな視線を新潟へ向けた。
石川
石川
石川
新潟
新潟
新潟
嬉しさのあまり涙ぐむ新潟の言葉を石川の冷酷の声が遮った。
石川
石川
石川は、一枚の新しい名簿を新潟の前に放り投げた。
そこには、どの地方ブロックからも溢れた、身寄りのない地域たちの名前が乱雑に書き連ねていた。
その書類のヘッダーには、殴り書きで、こう記されている。
『保留地方』
新潟
新潟の思考が停止した。
石川はクスクスと意地の悪い笑みを漏らす。
石川
石川
石川
石川
石川
石川
石川
石川
新潟
新潟はその場にへたり込み、目の前が真っ暗になった。
大切な米の権利を奪われて、手に入れたのは『保留」という名の深い孤独。
オフィスに響く石川の高笑いを聞きながら、
新潟はただ、自分が信じた『ほ』の言葉の罠に絶望するしかなかった。
1,434
219
ダーミラとクンピ
73
193
#教科擬人化