すまないね。質素な部屋で。
アマーリア
いえ、大丈夫です。
何故君を呼んだのか、
君は分かるね?
君は分かるね?
アマーリア
能力について、ですよね。
あぁ、君の能力は、
“不明”だ。
“不明”だ。
その理由は俺にも
分からないが……
分からないが……
実はドールも、
能力が不明だったんだ。
能力が不明だったんだ。
アマーリア
ドールちゃんも……?
あぁ。
今は彼女の能力のおかげで
このDoll houseも姿を隠しておくことができている。
このDoll houseも姿を隠しておくことができている。
アマーリア
じゃあ、さっきの屋敷が
ただの白い壁だったのは……
ただの白い壁だったのは……
能力で姿を隠しているからさ。
それに、人間は通ることが出来ない。
アマーリア
じゃあ、ヒーロー君は……。
この屋敷に立ち入ることは
絶対にできないよ。
絶対にできないよ。
それでも彼は、本気でDollと向き合おうと必死だ。
だからこそ僕は、精一杯
してあげられることをしてあげたい。
してあげられることをしてあげたい。
彼が、Dollを救う光に
なるかもしれないから。
なるかもしれないから。
アマーリア
Dollを救う、光に……?
確証はないけどね。
適当な話してんじゃねえよ。
っ……!
アマーリア
(だ、誰……?)
どうやってここに……
ドールは⁉︎
ドールは⁉︎
安心しろよ。
ちょっとホールで
寝てもらってるだけだよ。
寝てもらってるだけだよ。
死んじゃいねえさ。
アマーリア下がってて。
アマーリア
あ、あの人は誰なんですか?
……腐れ縁だよ。
僕のね。
お前がDollになったって
聞いたから、わざわざ
顔出しに来てやったんだよ。
聞いたから、わざわざ
顔出しに来てやったんだよ。
こんにちは、アマーリアちゃん。
あぁ、香さんの方が正しかった?
アマーリア
⁉︎
彼女はアマーリアだ。
それに、今更何の用?
君と話すことはない。
おいおい〜
別に、お前と話すことなんて
ねえよ。
ねえよ。
俺が話したいのはアマーリアちゃん。
アマーリア
私……?
君の望みは、お姉さんを助けること。
だったら、俺についてきなよ。
俺なら、君の望みを叶える方法を知ってる。
アマーリア
……どうやって願いを叶えるつもりなんですか?
アマーリア駄目だ!
方法?簡単だよ。
君のその力があれば、
人間を支配できる。
人間を支配できる。
アマーリア
…………。
辞めろ……そんな事言うな!
黙ってろよ。
俺はアマーリアちゃんと話してんの。
俺はアマーリアちゃんと話してんの。
アマーリア
……貴方の言い分は分かりました。
アマーリア……?
だろ?だから俺について……
アマーリア
最低な提案はさっさと
取り下げてお帰りください。
取り下げてお帰りください。
はっ……?
アマーリア
力で解決しても、
また力でねじ伏せられる。
また力でねじ伏せられる。
アマーリア
その繰り返しです。
アマーリア
そんなの、姉が望んだ世界じゃない。
アマーリア
お帰りください。
ドール¿
ねえさっき知らない人に
気絶させられたんだけど!
気絶させられたんだけど!
ドール¿
ありえない!
……って、さっきの変質者!
……って、さっきの変質者!
変質者じゃねえ!
……アマーリアの意思は揺るがない。
今帰れば命は助けてやる。
へーへー
今日のところは帰りますよ。
今日のところは帰りますよ。
じゃあね相方。
黙れクズが。
アマーリア大丈夫⁉︎
アマーリア
私は大丈夫です。
それより別室の人が……。
それより別室の人が……。
ドール¿
そうそう!
別室の人皆倒れてて!
別室の人皆倒れてて!
ドール¿
もー困っちゃう!
……僕は時間だから大輝くんのところに行ってくる。
ドール、ここは任せたよ。
ドール¿
りょーかい!
アマーリアも、
今日はゆっくり休んで。
今日はゆっくり休んで。
アマーリア
分かりました。
大輝
今日遅くなる。
お母さん
誰の家に行くの?
大輝
友達。
お母さん
誰なの?
大輝
別に誰でもいいでしょ。
お母さん
あまり遅くならないでね。
大輝
(優しさは嬉しいけど
心配性すぎるよ……。)
心配性すぎるよ……。)
お母さんには次から
ケンタくんって答えな。
ケンタくんって答えな。
大輝
わっ!居たんですか⁉︎
大輝
てか、そんな嘘で大丈夫なんですか……。
君とは認識がないだろうけど
同じ元中学にケンタくんって
男の子がいた。
同じ元中学にケンタくんって
男の子がいた。
今は県外の高校にいる
人間だ。
人間だ。
大輝
そんな事まで
調べたんですか……。
調べたんですか……。
……君の母親なら
やりかねないよ。
やりかねないよ。
ま、いいや行こう。
大輝
は、はい!
カシュウ
……。
カシュウ
さっきの男…………。
カシュウ
(いや、まさかな。)
足音が、しなかった気がした。







