テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

胡蝶カナエ

はぁ……

胡蝶しのぶ

うぅっ……

しのぶは正座で、カナエは仁王立ちでそこに立っている

胡蝶カナエ

しのぶも鈍感すぎるのよねぇ…

胡蝶カナエ

冨岡くんも男なのよ?

胡蝶しのぶ

はい…

理由は簡単。己に向けられる好意の鈍さに怒っているからだ

胡蝶カナエ

しかも成人男性。いくら“そういう事”に興味が無さそうな顔してても性欲は人間の

胡蝶しのぶ

3大欲求の1つ、でしょ?

胡蝶しのぶ

その話これで5回目よ

胡蝶カナエ

あら、そんなに話したかしら…

胡蝶カナエ

まぁでも、これで男は全員ケダモノって分かったでしょう?

胡蝶しのぶ

はい…

胡蝶カナエ

一応、時透くんも気を付けなさいね?

胡蝶しのぶ

無一郎くんも?

胡蝶カナエ

ええ

胡蝶しのぶ

でもあの子、まだ中学生よ?

胡蝶しのぶ

それに、中学生って青春真っ只中じゃない

胡蝶しのぶ

私の事、好きだっていう確信もないし

胡蝶カナエ

そうやって油断してるから危ない目に遭うのよ?

胡蝶しのぶ

ヴッ…

胡蝶カナエ

煉獄くんとの時だって、安心しきってたんでしょう?

胡蝶しのぶ

だって、煉獄さんなら…

胡蝶カナエ

「大丈夫」って、油断したんでしょう

胡蝶しのぶ

ううッ……

胡蝶カナエ

………はぁ…

胡蝶カナエ

しのぶには一度、分からせないとダメねぇ…

胡蝶しのぶ

わ、分からせる…?

胡蝶カナエ

しのぶ、なんで冨岡くんや煉獄くんに襲われたのかしら?

胡蝶しのぶ

…?

胡蝶カナエ

答えて?

胡蝶しのぶ

そ、それは…しゃ、車内、だったし…

胡蝶しのぶ

逃げたくても、逃げれないし…

胡蝶カナエ

じゃあ、狭くなくて、いつでも逃げれる状況ならいいのね?

胡蝶しのぶ

……?

胡蝶カナエ

冨岡くんにはなんで襲われたの?

胡蝶しのぶ

りょ、うりを、してたし…

胡蝶しのぶ

それ以前に2人とも男性だったし…!

胡蝶カナエ

料理をしてなくて、女だったらいいのね

胡蝶しのぶ

……?さっきから何を言ってるの?

胡蝶カナエ

ねえ、しのぶ

胡蝶しのぶ

きゃっ…!?

しのぶは短く悲鳴を立てカナエに押し倒される

胡蝶しのぶ

ね、姉さん…っ!?

胡蝶カナエ

ここは車内じゃないし、狭くもないわ

胡蝶カナエ

逃げ道もたくさんある

胡蝶しのぶ

姉さん…!何が言いたいの!?

胡蝶カナエ

しのぶは今、料理もしてない。それに、

胡蝶カナエ

私は女よ?しのぶ

胡蝶しのぶ

……??

胡蝶カナエ

こうやって押し倒されて、足も手も固定されれば、いくら女でも簡単にしのぶを封じ込める事が出来るのよ

胡蝶しのぶ

っ…!

胡蝶カナエ

男じゃなくても、私じゃなくても、カナヲでもきっと、しのぶを押し倒すぐらいどーって事ないの

胡蝶しのぶ

ね、ねえさん…っ

胡蝶カナエ

片手でしのぶの両手も固定出来ちゃうのよ?

胡蝶カナエ

もう片手で、しのぶの胸とか、腰とか…スリスリって、出来ちゃうの

胡蝶しのぶ

きゃっ、…やぁっ……

胡蝶カナエ

ねぇ、しのぶ

カナエが耳元で囁くと、しのぶの肩がピクリと跳ねた

胡蝶カナエ

この後、どうすると思う?

胡蝶しのぶ

は、はなして…っ

胡蝶カナエ

離すわけないでしょう?しのぶに“分からせる”ためにやってるんだから

胡蝶カナエ

で、この後、みんなどうすると思う?

胡蝶しのぶ

しら、ないっ

胡蝶カナエ

こうやってね……

胡蝶しのぶ

ひゃぁッ…!?

胡蝶カナエ

服の中に手を入れたり…

胡蝶しのぶ

やぁッ…ちょっと、…!

胡蝶カナエ

しのぶの胸を揉んだり、するのよ

胡蝶しのぶ

んっ、んんっ…

胡蝶しのぶ

ね、ねえ…っ、さ…!

胡蝶カナエ

ブラをたくし上げて、直接触って

胡蝶しのぶ

ふ、うぅ…っん…!

胡蝶カナエ

気持ちイイの?

胡蝶しのぶ

きもち…っ、よくなんか…!

胡蝶カナエ

そうよね?だってこれは言わばお仕置きのようなもの

胡蝶カナエ

お仕置きされてるのに、気持ちよくなるわけ、ないわよね?

胡蝶しのぶ

もっ…やぁ…!

胡蝶カナエ

駄目よ。しのぶがちゃんと分かるまで続けるんだから

胡蝶しのぶ

んぅ…っ、も、分かったッ…分かったからぁ…!

胡蝶カナエ

ほんとう?

しのぶはコクコクと頷く

胡蝶カナエ

何が分かったの?言ってご覧なさい

胡蝶しのぶ

ッ……!!

胡蝶カナエ

あら?言えないの?

胡蝶しのぶ

いっ、!?

胡蝶カナエ

分からないのに、分かったって嘘ついたの?

胡蝶カナエ

嘘ついちゃ駄目でしょう。もっとキツいお仕置きが必要なようね

胡蝶しのぶ

ふ、あぁ…っ!?

カナエの手が、しのぶの下着の中へと侵入する

胡蝶しのぶ

やっ…!

胡蝶しのぶ

っ…!

胡蝶カナエ

しのぶ、凄く濡れてるわね?

胡蝶しのぶ

ぬっ、濡れてなんか…っ

すると突然、ガチャッとドアが開いた

栗花落カナヲ

…………え?

胡蝶しのぶ

か、カナヲッ…!!

胡蝶カナエ

あら〜。見られちゃったわね

栗花落カナヲ

……何してるの

胡蝶カナエ

しのぶの教育よ

栗花落カナヲ

抜け駆けは無しだよっ

胡蝶カナエ

抜け駆けじゃないわ。冨岡くんや煉獄くんと違って欲望のままじゃないもの

栗花落カナヲ

…だめ

胡蝶カナエ

んん〜。カナヲがそこまで言うなら、やめるわ

パッ、と拘束していた手と下着の中にあった手が離れる

栗花落カナヲ

しのぶ姉さん

胡蝶しのぶ

あのっ、これは…

妹に見られた羞恥心でしのぶは顔が真っ赤だった

栗花落カナヲ

…しのぶ姉さん…

栗花落カナヲ

(しのぶ姉さん顔が赤い…可愛い)

胡蝶カナエ

__あっ!もうこんな時間だわ!夕食作ってくるわね

胡蝶しのぶ

ちょっ、

胡蝶カナエ

しのぶ、カナヲに襲われないよう気を付けなさいね?

胡蝶カナエ

勿論、カナヲ以外にも気を抜かしちゃ駄目よ?

そう言ってカナエは部屋から出て行った

栗花落カナヲ

……………

胡蝶しのぶ

…………

栗花落カナヲ

えっと…しのぶ姉さん…

胡蝶しのぶ

どッ、どうしました?

栗花落カナヲ

……これからは、私が守ります

胡蝶しのぶ

…?ま、守ってもらわなくても…

栗花落カナヲ

ダメです。守ります

胡蝶しのぶ

………………

カナヲは一度やると決めたことは何がなんでも成し遂げるタイプだ。しのぶもその事を理解している

胡蝶しのぶ

でも、四六時中一緒に、となるとカナヲだって大変でしょ?

栗花落カナヲ

大変じゃない

胡蝶しのぶ

カナヲだって用事があるでしょうし

栗花落カナヲ

しのぶ姉さんの方が大事

胡蝶しのぶ

………………………………

栗花落カナヲ

私がしたくてしてる事だから

胡蝶しのぶ

……………嫌だったら、すぐやめていいんだからね?

栗花落カナヲ

嫌じゃないよ

胡蝶しのぶ

……ふふっ、ありがとう

栗花落カナヲ

(しのぶ姉さんにお礼を言われた…)

栗花落カナヲ

うん…どういたしまして

栗花落カナヲ

……ん

栗花落カナヲ

し……さん

栗花落カナヲ

し…ぶ……さん

栗花落カナヲ

しのぶ姉さん!

胡蝶しのぶ

んん…っ、あと、5分……

栗花落カナヲ

駄目です!ほら、起きて下さい

胡蝶しのぶ

やだぁ…

栗花落カナヲ

しのぶ姉さん!

胡蝶しのぶ

あっ、毛布っ

栗花落カナヲ

起きて!しのぶ姉さん!

カナヲは毛布を引っ剥がしてしのぶを起こす

胡蝶しのぶ

カナヲのけちぃ…ばかぁ……

栗花落カナヲ

あっ、寝ないで!

栗花落カナヲ

(んー…朝に弱いのは知ってたけど、これ程とは…)

栗花落カナヲ

(カナエ姉さんはどうやって起こしてたのかな…)

胡蝶しのぶ

カナヲー……

栗花落カナヲ

しのぶ姉さん…

カナヲはしのぶの上に馬乗りになると、耳元で囁いた

栗花落カナヲ

起きないと、恥ずかしい事、しちゃいますよ

胡蝶しのぶ

!?

栗花落カナヲ

あ、起きた

胡蝶しのぶ

……………………………どうして姉さんと同じ起こし方するの…

栗花落カナヲ

しのぶ姉さんが起きないからです

栗花落カナヲ

(カナエ姉さんはこうやって起こしてるんだ…)

栗花落カナヲ

……!しのぶ姉さん顔真っ赤

胡蝶しのぶ

知りません

栗花落カナヲ

(可愛いなぁ…)

するとそこへ、カナエがドアから顔を覗かせる

胡蝶カナエ

あら?もう起きちゃった?

栗花落カナヲ

はい。カナエ姉さんだと、ナニするか分からないので

胡蝶カナエ

んー?ナニもしないわよ?

栗花落カナヲ

怪しいのでこれからは私が起こします

胡蝶カナエ

えぇ…もうしのぶの寝起きのお顔見れないの?

栗花落カナヲ

これからは私が堪能します

胡蝶カナエ

意地悪……。?しのぶ、顔真っ赤よ?

胡蝶しのぶ

そんな事ないわ

栗花落カナヲ

ああ、これは私が

胡蝶しのぶ

カナヲは喋らないで!

胡蝶カナエ

ふぅーん?

栗花落カナヲ

この可愛らしい表情も私だけ堪能します

胡蝶カナエ

あら、私も譲る気はないわよ?

栗花落カナヲ

望むところです

胡蝶しのぶ

……………………

胡蝶しのぶ

(空気がピリピリしてる…)

胡蝶しのぶ

ここで喧嘩しないでね…

胡蝶カナエ

分かってるわ。それと朝ごはん、もう出来てるわよ

胡蝶カナエ

冷めないうちに食べちゃって

胡蝶しのぶ

はーい

栗花落カナヲ

わかりました

胡蝶しのぶ

ふぅ…ご馳走様でしたっ

栗花落カナヲ

ご馳走様でした

胡蝶カナエ

あっ、食器は下げておいてくれる?

胡蝶しのぶ

?姉さんどこか行くの?

胡蝶カナエ

えぇ。ちょっとお仕事が入っちゃって

栗花落カナヲ

洗い物しておきますよ?

胡蝶カナエ

いいのいいの。多分早く終わるだろうし

胡蝶カナエ

それにカナヲだって今日用事あるんでしょう?

栗花落カナヲ

…あっ!

栗花落カナヲ

今日行くのやめます

胡蝶しのぶ

流石にダメでしょう

栗花落カナヲ

でも……

胡蝶しのぶ

私がやっとくから

胡蝶カナエ

んん……

胡蝶しのぶ

用事ないし、急用も入んないだろうから

胡蝶カナエ

…ありがとう。帰りに何か買ってくるわね

胡蝶しのぶ

プリンがいいなぁ

栗花落カナヲ

エクレアが食べたいです

胡蝶カナエ

ふふっ。はいはい。じゃ、行ってきまーす

胡蝶しのぶ

いってらっしゃーい

栗花落カナヲ

行ってらっしゃい、カナエ姉さん

カナエは玄関のドアを開け、手を振りながらゆっくり閉める

胡蝶しのぶ

カナヲは?何時に行くの?

栗花落カナヲ

んー…もう少し経ったら行こうかな

胡蝶しのぶ

アオイの家?

栗花落カナヲ

うん。家庭科の課題が終わってなくて

胡蝶しのぶ

2年は裁縫がメインだもんね

胡蝶しのぶ

カナヲ、運動は得意なのに細かい作業になると不器用よね

栗花落カナヲ

ぶ、不器用じゃないですっ、苦手なだけです

胡蝶しのぶ

でも、どうしてアオイ?私や姉さんだって裁縫は出来る方よ?

栗花落カナヲ

カナエ姉さんだと、今みたいに急用が入っちゃうし、しのぶ姉さんだと…

胡蝶しのぶ

……………?

急に歯切れが悪くなるカナヲにしのぶは首を傾げた

胡蝶しのぶ

…私だと、ダメ?

栗花落カナヲ

…っ!!も…、そういうとこ!

胡蝶しのぶ

………ふぇ?

栗花落カナヲ

そうやって無自覚に誘ってるとこ!

栗花落カナヲ

自分の顔が整っていることくらい自覚して下さい…!

胡蝶しのぶ

???

栗花落カナヲ

裁縫は他の課題と違って手と手が触れたりするから意外と近距離なんですよ!

栗花落カナヲ

そ、そんな中でしのぶ姉さんとやるだなんて…お、襲わない自信がないんですっ!

胡蝶しのぶ

お、襲……っ

栗花落カナヲ

今だって押し倒したい衝動を抑えてるんです!

栗花落カナヲ

意識してなくても上目遣いはしないでくださいよ!

胡蝶しのぶ

は、はい……

一気に喋ったせいかカナヲはゼェハァと肩で息をしている

しのぶはなんと言ったらいいか分からずただ返事をした。とにかく、上目遣いはしてはならないという事だけ理解出来た

栗花落カナヲ

はぁ〜〜〜〜…。あのですね、しのぶ姉さん

胡蝶しのぶ

な、何でしょう?

栗花落カナヲ

貴女を慕っている人は、何人といるんです

栗花落カナヲ

薄々分かっているでしょう?

胡蝶しのぶ

は、はい…なんとなく…

栗花落カナヲ

私だって、その1人ですし、甘露寺さんや宇髄さんだってそうなんです

栗花落カナヲ

冨岡さんと煉獄さんには姉さんがキツーく言ってたのでふざけたまねはしないでしょうけど…

栗花落カナヲ

だからといって口説かれる可能性はまだあるんです

栗花落カナヲ

年下の無一郎も、炭治郎だって、しのぶ姉さんの事を目で追っている時があります

胡蝶しのぶ

た、炭治郎君が…!?

しのぶは炭治郎とカナヲが楽しそうに話しているのを何度か見かけている。だから2人はそういう関係かと思っていた

栗花落カナヲ

はい。私、心配で、心配で…いつか姉さんが…誰かに無理やり襲われるんじゃないかと…

胡蝶しのぶ

…カナヲ…

栗花落カナヲ

現にストーカー被害も何回かあったでしょう?

栗花落カナヲ

痴漢だって、1回2回だけじゃない

胡蝶しのぶ

それは…

心当たりがあった。カナヲやカナエ、時に蜜璃がいたから良かったものの、もしあの場にしのぶしかいなかったらと考えると…

鳥肌が立ち、膝が震える

栗花落カナヲ

しのぶ姉さんは、優しくて、素敵な人、私にとっても、皆にとっても大切な人なの

栗花落カナヲ

だから、しのぶ姉さんにもしもの事があったら…

今にも泣いてしまいそうなカナヲにしのぶはそっと抱きしめた

はるか昔、まだ幼かったカナヲに寂しい思いをさせないようにとこうやって抱きしめたっけ…

胡蝶しのぶ

大丈夫よ、大丈夫だから

栗花落カナヲ

すごく、不安だった。今日だって、不安なの

胡蝶しのぶ

…今日?

栗花落カナヲ

私、これから行かなくちゃいけない。アオイは定食屋さんを営んでるから…忙しいけど私のために頑張って時間を作ってもらってる

栗花落カナヲ

だから、ここに呼ぶことは出来ない…

栗花落カナヲ

も、もし私がいない時にしのぶ姉さんが襲われたら…っ

胡蝶しのぶ

よしよし…。じゃあカナヲが不安にならないように、私が1人にならないようにすればいいんでしょう?

栗花落カナヲ

……うん

胡蝶しのぶ

誰か呼ぶから、不安にならないで

栗花落カナヲ

……だれ、呼ぶの

胡蝶しのぶ

んん…宇髄さん達かなぁ…

栗花落カナヲ

……………………

胡蝶しのぶ

まぁまぁ、そう怒らないで。大丈夫よ、宇髄さんだけじゃないわ。須磨さんとまきをさんと雛鶴さんも呼ぶから。ね?

栗花落カナヲ

………

胡蝶しのぶ

嫁さんたちもいるし、大丈夫でしょ?

栗花落カナヲ

……わかった

胡蝶しのぶ

じゃ、早速連絡取ってみるわね

しのぶはポケットに入ってあった携帯を取り出し宇髄に連絡をする

カナヲが私が1人でいると不安のようで、と簡潔に伝えると

なら俺様が行ってやるぜ

と少々上から目線で返ってきた。是非須磨さん達もと言うと少し間が開き

………わかった

と返ってきた。ホントに渋々という感じだったがしのぶは特に疑問を抱くことなくありがとうございますと返して携帯を仕舞う

胡蝶しのぶ

来てくれるって

栗花落カナヲ

そっか、良かった

胡蝶しのぶ

宇髄さん達来るまで待つ?

栗花落カナヲ

そうする

胡蝶しのぶ

分かったわ

しのぶはカナヲの持っているカバン(おそらく裁縫セットが入っている)に目を向けた

胡蝶しのぶ

何を作るの?

栗花落カナヲ

秘密です

胡蝶しのぶ

えぇ〜…。教えてよぉ

栗花落カナヲ

秘密です

胡蝶しのぶ

……どうしても?

栗花落カナヲ

どうしても

胡蝶しのぶ

…この時期何作ったかなぁ…

しのぶは去年の裁縫の事を思い出そうとしたが失敗。最近家庭科で作ったクッキーしか思い出せなかった

栗花落カナヲ

…………作り終わったら、あげますね

胡蝶しのぶ

えっ

栗花落カナヲ

一度提出してから、ですけど…

胡蝶しのぶ

自分で使わなくていいの?

栗花落カナヲ

はい。…しのぶ姉さんの為だと思うと、頑張れるので

胡蝶しのぶ

っ…

キュンとしのぶの胸が鳴いた

胡蝶しのぶ

もう…カナヲは前からそうよね

栗花落カナヲ

胡蝶しのぶ

初めてカナヲが作ったクッキーも

胡蝶しのぶ

授業で作った工作も

胡蝶しのぶ

テストで取った100点も

胡蝶しのぶ

いつも1番に私に見せてくれたわよね

栗花落カナヲ

〜〜おっ、覚えてたんですか…っ!

胡蝶しのぶ

そりゃあねぇ?あんな眩しい笑顔で言われたら、忘れられないわよ

栗花落カナヲ

(嬉しい…)

胡蝶しのぶ

今回のそれは課題だから仕方ないけど、1番が私じゃなくなるのは悲しいなぁ

栗花落カナヲ

1番最初ですよ

胡蝶しのぶ

え?

栗花落カナヲ

これが完成したら、一番最初に見せるの、しのぶ姉さんです

胡蝶しのぶ

でも、先生に見せるんでしょう?

栗花落カナヲ

実は、先生に内緒で最後に仕上げをしようと…

胡蝶しのぶ

仕上げ?

栗花落カナヲ

先生に見せてOK貰ったら、自分なりに変えて、完成です

胡蝶しのぶ

……

栗花落カナヲ

だからっ、1番はしのぶ姉さんです

胡蝶しのぶ

………ふ、ふふっ、あははっ

栗花落カナヲ

…?

胡蝶しのぶ

もしその事がバレたら、カナヲ、怒られちゃうかもね、ふふっ

栗花落カナヲ

怒られても、やめませんからっ

胡蝶しのぶ

先生には、いつ提出?

栗花落カナヲ

いつだっけ…たしか、今月中、だった気が…

胡蝶しのぶ

バレないで下さいね?

胡蝶しのぶ

私のためにも

栗花落カナヲ

わ、分かってますよ…

カナヲとしのぶが他愛もない話をしていると、ピンポーンと玄関のチャイム音が聞こえた

胡蝶しのぶ

あっ、宇髄さん達かしら

胡蝶しのぶ

出てく_

栗花落カナヲ

私が、出てきますね

出迎えようとするしのぶの腕を掴み、カナヲは満面の笑みでそう言った

胡蝶しのぶ

…分かった、お願いね

栗花落カナヲ

はぁい

胡蝶しのぶ

(大切にされてるのは分かったけど…流石に過保護すぎないかしら…)

胡蝶しのぶ

(カナヲ、姉離れ出来るか不安だわ……まぁ、)

胡蝶しのぶ

(姉離れも妹離れも出来ない私が、言っても意味ないんだけど)

宇髄天元

よっ

胡蝶しのぶ

こんにちは、宇髄さん

須磨

きゃぁッ!お久しぶりですしのぶさぁん!!

しのぶに会うや否やいきなり抱きしめる須磨

胡蝶しのぶ

お、お久しぶりです…須磨、さん…

胡蝶しのぶ

あの…っ、苦しっ…

須磨の豊満な胸の谷間に顔が埋まり息が出来ない。しのぶは必死に助けを求めた

まきを

あっ、こら!須磨なにやってんのさ!しのぶさんが苦しそうでしょ!

須磨

えっ…!?ごめんなさいしのぶさぁんっ!

胡蝶しのぶ

い、いえいえ…お気になさらず…

雛鶴

ふふっ、須磨は本当にしのぶさんが好きね

須磨

はい!大好きですっ!

須磨

お顔可愛いし綺麗だし何着ても似合ってますし!痩せてて小顔で体型がアイドルみたいで手足もちっちゃくて可愛いです!

須磨

あと安産型なおしりに大っきいおっぱフガっ!

流石にそれ以上は言うな、としのぶは須磨の口を手で覆い塞ぐ

胡蝶しのぶ

あの、須磨さん…?流石にそれ以上はやめてください…

須磨

…??

どうやら本気で意味が分からないようだ。カナヲからの殺気がピリピリと肌で感じる

宇髄天元

……ほぉ?須磨、その話後で詳しく__

栗花落カナヲ

宇髄さん

カナヲの殺気は宇髄に向けられた。その有無を言わせない声音はどこかカナエと似ている

宇髄天元

……………はぁ…。お前、段々と似てきたな

栗花落カナヲ

しのぶ姉さんを守るためですから

宇髄天元

逞しいこった

須磨

フガフガ、フガ

口を塞がれても何か喋っている須磨は、フランスパンを加えている、ある少女に見えた

しのぶは手を離す

須磨

天元様ぁ。ずっと気になってたんですけど、どうして私達はここに来たんですかぁ?

まきを

あ、アンタねぇ…!

雛鶴

はぁ…

須磨

まきを、雛鶴は何故か怒ったような、呆れている表情をしている

宇髄天元

須磨、聞いてなかったのか?

須磨

え???

まきを

ここに来る前に天元様が説明してたでしょ…!

須磨

してましたっけ?

雛鶴

しのぶさんに会えるって喜んで聞いてなかったのかしら

須磨

???

宇髄天元

あのなぁ…

宇髄天元

胡蝶の妹が出掛けて胡蝶1人だと心配だからって、呼ばれたんだよ

須磨

えっ!カナヲさん出掛けるんですか!?

栗花落カナヲ

はい。そろそろ行かないと

須磨

うわぁーん!美女が1人減っちゃう…!

しのぶ同様にカナヲにも抱きついた

まきを

須磨!カナヲさんそろそろ行くんだから離れなさい!

須磨

うう…っ

まきをが無理やり須磨とカナヲを引き離す

栗花落カナヲ

私やカナエ姉さんが戻るまで、しのぶ姉さんの事よろしくお願いします

雛鶴

お任せ下さい

栗花落カナヲ

宇髄さん、須磨さん。くれぐれも“まちがい”を起こさないで下さいね?

栗花落カナヲ

その時は私もカナエ姉さんも手どころか刃物にまで手を出しそうなので

宇髄天元

おー怖ぇ怖ぇ

宇髄天元

分かってるよ、任しとけ

須磨

?よく分かりませんが、お留守番なら得意ですっ!

雛鶴

お気を付けて

栗花落カナヲ

それでは行ってきます

胡蝶しのぶ

行ってらっしゃい、カナヲ

ガチャンと、扉が閉まった

胡蝶しのぶ

……すみません、皆さん

胡蝶しのぶ

こんなことに皆さんを呼んでしまって

雛鶴

いいんですよ、気にしてなんていませんし

須磨

私達もしのぶさんに会いたかったですぅ!

まきを

カナヲさんの気持ちもよく分かるよ

宇髄天元

…な?よく出来た嫁だろ?

胡蝶しのぶ

…ふふっ、ありがとうございます

胡蝶しのぶ

何か飲み物お入れしますね

雛鶴

あっ、大丈夫ですよ、しのぶさん

胡蝶しのぶ

でも…

須磨

雛鶴さんがいいって言うんだから大丈夫ですよぉ!

まきを

アンタは遠慮というものを知りなさい!

胡蝶しのぶ

ん、ふふっ…賑やかで、楽しいです

須磨

…!

雛鶴

…っ

胡蝶しのぶ

?どうしました?

雛鶴

__あっ、いえ、何でもないですよ

雛鶴

(女の私でも、キュンときてしまった…)

須磨

しのぶさん!やっぱり可愛いですっ

胡蝶しのぶ

………え、

須磨

しのぶさん、お肌が白いから頬の紅色がよく映えるんですよっ!

須磨はしのぶの顔をよく見ようと両頬を掴み、顔を近付けた

息が当たり、まつ毛や…唇も触れるのではというほど、近い

胡蝶しのぶ

あっ、あの…っ

須磨

メイクしてたら大人っぽいけど、してなかったら幼い顔つきですよねぇ!

須磨

身長も小さいですし、合法ロリじゃないですかぁー!

胡蝶しのぶ

す、すまさん…っ

須磨

__!

須磨はそこで、なにかに気づいた

胡蝶しのぶ

………?

須磨

…しのぶさん…

須磨

すっごくいい匂いしますね…!?

胡蝶しのぶ

ふぇ…!?

須磨

なんか、甘いような…

首筋に鼻を近づけクンクンと匂いを嗅ぐ

胡蝶しのぶ

っ…

首に当たる息が、妙に熱く感じる。気を抜かせば声が出てしまいそう

須磨

なんの匂いだろう…クンクン…

胡蝶しのぶ

…っ、や、

須磨

お花の匂い…ラベンダー…?いや、

胡蝶しのぶ

あのっ…すまさん…、

須磨

…藤の花…!

胡蝶しのぶ

やぁあ…っ

宇髄天元

おい須磨、胡蝶が大変なことになってる

須磨

え?わわっ!しのぶさん顔真っ赤!

まきを

……………

雛鶴

……………

しのぶの甘い声に、気恥しさを覚えた2人はふとキッチンに目を向ける

きっと朝使ったであろう食器があり、気を紛らわすのには丁度良かった

雛鶴

しっ、しのぶさん、洗い物しておきますねっ

まきを

あ、あたしも!

胡蝶しのぶ

んっ…はぁ……

胡蝶しのぶ

す、すみません…

雛鶴

いえ、気になさらないでください…

須磨

えっ…えっ…!?わ、私何かしちゃいました!?

宇髄天元

そうだな。したな

須磨

うそ!?

須磨

ご、ごめんなさいしのぶさん…!

胡蝶しのぶ

だ、大丈夫ですよ…ただちょっと、恥ずかしかっただけで…

宇髄天元

(須磨のおかげでいいもん見れたわ)

宇髄天元

なぁ、胡蝶

胡蝶しのぶ

な、何でしょう?

宇髄天元

嫁に来いよ

胡蝶しのぶ

……………は、

宇髄天元

オマエら全員、愛してやっから

宇髄天元

…来るか?

胡蝶しのぶ

な、何言って…

須磨

そうですよしのぶさん!是非来てくださいよっ!

須磨

私しのぶさんなら大歓迎ですっ!

須磨

まきをさんと雛鶴さんだって同じこと言いますよ!

胡蝶しのぶ

でもっ、それって…

宇髄天元

なぁ…来いよ、嫁に

宇髄はしのぶの目の前に立ち、同じ目線に合わせる

先程の須磨との距離ほどではないが、それでも手を伸ばせば、簡単に触れられる

胡蝶しのぶ

………っ

宇髄天元

それとも、不安か?

宇髄天元

4人いっきに抱けるのかっ…て

胡蝶しのぶ

だ…っ!!?

宇髄天元

はっ、耳まで真っ赤だぞ

宇髄天元

俺は祭りの神だからな。須磨もまきをも雛鶴も

宇髄天元

胡蝶…しのぶだって、いっきに抱くことくらいラクショーだっての

宇髄天元

愛してんだから

グイッと、しのぶは宇髄に顎を掴まれる。これは所謂、顎クイだ

胡蝶しのぶ

やっ…

宇髄天元

先にキスしてもいいか?

宇髄天元

責任はちゃんと取るぜ?

胡蝶しのぶ

う、宇髄さん…っ

あと3センチ…あと2センチ…あと1センチ…

胡蝶しのぶ

んっ…!?

しのぶ争奪戦はまだまだ続く…

胡蝶しのぶ争奪戦

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

1,738

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚