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みあちゃんの作品て何でこんなにもあったかい気持ちになるのかな!!! 舞台がカフェで本も出てくるっていう状況良くて良くて… 好きだなぁ…🤦🏻♀️
今回はチーズinペペロンチーノ様主催のチペコンに参加させて頂きました!🙌🏻 ♡、コメントしていってくれると嬉しいです!
久しぶりの喫茶店でコーヒーを1口
......
案の定苦かった
ミルクティーにすれば良かったなって
1人で後悔する
どうしてコーヒーを飲みたくなったのか
ここの喫茶店を通る度に
思い出してしまうから
彼の事を
私の唯一の宝である思い出を
毎日放課後に喫茶店で彼との時間を過ごす
小説家
彼目指してるんだって
今夢が叶うかもしれないからって
コンテストに参加するんだって
その為に一生懸命小説を作っている
その姿がかっこよかった
私にも彼の夢を応援したくて
自分に出来ることを頑張った
感想言ったりとか
こうゆう表現素敵だよねとか
ちょっとだけアドバイスしてみたり...
彼は全部受け止めてくれた
小説を書く知識がない私の意見を
彼のおかげで小説を読むの楽しさを知った
でもどうしてだろう
そんな幸せな日々は段々と
削られていった
コンテストが近づいてきている今
彼は私と話さなくなった
自分の小説と毎日にらめっこ
私のことになんて気にかけてくれなかった
彼は私と話してくれるどころか
目も合わせてくれなった
それがものすごく辛くて悲しくて
これを決めるのに
何日も考えた
でも私にはこうするしかなかったから
心の中で決心して明日の喫茶店デートへと
向かった
今日も変わらずの彼
気づいてくれるかな
そう思っていつもミルクティーの私は
初めていつも彼が飲んでるコーヒーに
挑戦した
_苦っ...
あぁ、やっぱり私は彼みたいにはなれないのかな
気づいたら出来ていたこの距離を
今さら気づいた
そんな自分に腹立つ
6時なのにまだあたりは明るい頃
彼はパタッとノートパソコンを閉じた
その音に気づいた私は
同じく読んでいた小説を閉じた
そして彼は目線を下に向けたまま
蓮
そう言いながら立ち上がろうとする
彼を止める
何事かという顔をしている彼
蓮
それでも目線を合わせてくれない
泣きそうになった
もうほんとに私のことすきじゃないんだって
依沙奈
依沙奈
私のその真剣な目線に気づいたのか
彼は大人しく座った
依沙奈
蓮
黙ったまま答えてはくれない
こうなることは分かっていたけど
依沙奈
ほんとはこんなこと思ってもないのに
ほんとはこんなこと言いたくないのに
勝手に口が先走る
あぁ
ちがう
ごめんね
私のその一言でガヤガヤしている喫茶店が
この瞬間だけ時が止まったかのように
静まった気がした
蓮ももう言葉を発してくれない
依沙奈
依沙奈
依沙奈
依沙奈
依沙奈
依沙奈
ずっと我慢してきたせいか
止まらない
依沙奈
依沙奈
依沙奈
依沙奈
依沙奈
色々な感情が入り交じって
涙として溢れてでてきた
これが現実だから
依沙奈
依沙奈
もう彼の顔すら見えなくなり
小さく謝ったあと
喫茶店を後にした
蓮
私を止める蓮の声なんか無視して
私は大切にすると誓った宝物を
呆気なく手放してしまった
コーヒーがたっぷり残ってるくせに
コーヒーの苦さに耐えられなくなった私は
ミルクティーを頼んでしまった
やっぱりこれが1番落ち着く
そして読んでいた本をそっと閉じる
大学生のあの時から1度も本を読んでこなかったから
久しぶりの本
これは彼の小説
未だに忘れられなくてこっそり買って読んでいた
その本に1つ涙する
どこか知ってるような内容
少し気になってまた本を開く
ぱっと目に入ったのは
あとがきだった
~~あとがき~~
僕はずっと探してます。
宝物を。
僕は、趣味だけに必死で
大事な物を手放してしまいました。
これは彼女のための小説です。
この小説をきっかけにまた彼女と会いたい。
僕はずっと宝物を
思い出の場所で探しています。
思わず立ち上がって
辺りを見渡す
もしかしたらって
でも私の知ってる人なんて見つからなかった
諦めてそっと席に着く
__カランカラン
いらっしゃいませー
それと同時に男性が1人喫茶店に入ってきた
彼と目が合う
あぁ、見つけた
宝物の在り処は
やっぱりここだった
久しぶり_.