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政府軍本部。
元帥執務室。
そこに入っていく、一つの人影。
「……およびでありますか? 元帥殿」
「あぁ……まぁ座れ、柳木少尉」
柳木と呼ばれた軍人が、ゆっくりとソファに座る。彼こそが、この物語の主人公だ。
「実はな……ついにこの付近にも空銃時軍の奴らが彷徨き始めたらしくてな」
「それは……ついに来てしまったか……」
空銃時軍。政府軍と今まさに戦争をおこなっている組織だ。
彼らは関東で暴れまわっているものの、政府軍本部がある東京で動くことはなかった。
だが最近になり、東京の店などを荒らしたりするなどの行動が見られるようになったのだ。
「あぁ。そこで、お前に頼みたいことがある……空銃時軍の下っ端を数人倒して、ここから追い出してほしい」
「なるほど……」
柳木はそう言うと、深く頷いた。
「お任せください。この柳木、蛮族共をこの東京から叩き出します」
「うむ、頼むぞ」
渋谷区。
壊滅した日本の中でも、ここはまだ賑わいを保っている。
「たしか、奴らがよく出るのは繁華街だったな……」
柳木は繁華街へと入っていく。
「ついでに昼食もとっていいかな……いやだめか」
そんなことを考えていたときだった。
「きゃー! 助けてー!」
叫び声が繁華街へ響く。柳木はもう走っていた。叫び声の聞こえた場所では、二人の男が機関銃を乱射していた。
「オラァ! 空銃時軍じゃあ!」
「お前ら全員動くんじゃねぇ!」
上半身裸で、その背中には戦闘機の入れ墨が入っている。彼らこそが空銃時軍である。
そこへ、何かが走ってくる。
「柳木北男……推参!!」
それは、柳木。ジャンプして民衆を飛び越える。そして落下しながら軍刀を下に向ける。
「うおっ! 政府軍!」
対応しきれなかった一人に、刀が突き刺さる。
「このやろぉぉぉ!!」
残った片割れが、柳木に銃撃する。
しかし、柳木はもう一度ジャンプ。今度は、ハンドガンを発砲。それは男の眉間をとらえた。
辺りは一気に静かになった。
「皆さん、落ち着いてください。空銃時軍の奴らは片付けました」
そして、繁華街にもとの賑わいが戻った。
「これで……抑止になればいいがな」
ため息をつく柳木。
だが、空銃時軍は政府軍の思わぬ方向に動いていく……。
○柳木北男
所属 政府軍
性別 男
階級 少尉