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「………は?」
僕の言葉に、寧々は固まってしまった
「僕も、一緒に行きたいんだ」
「は、正気?」
「もちろんだよ」
少し待っていてと寧々に言って、僕は準備を始めた
寧々はずっと、困り眉で困惑した表情を浮かべている
財布、ナイフ、スマホ
それらをカバンに詰め、自分の部屋を見渡した
山積みにされた失敗作のロボット、ショーの没案、アイデアノート、家族写真
…全て、もう僕には必要ないものだ
工具箱に入ったハンマーを手に取り、それらを壊していった
あぁ、終わりなんだ、これで
悲しいはずなのに
何故か清々しい気持ちで部屋を後にした
「おまたせ」
そういうと、寧々は僕に言った
「本気?」
僕は何も言わず、寧々に微笑んだ
「行こうか」
寧々の手を引いて歩き出す
人殺しと、ダメ人間の寧々と類の旅だ
何処かに
遠いところに
逃げようか
この狭い世界から
何もかも捨てて
2人で死のう
君は、何も悪くないよ