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夜。水辺で佇むラウールの姿を、ヘッドライトが照らし出す。車から降りてきた岩本は、ゆっくりと歩いてラウールの隣に並んだ。
💛「……早いね」
🤍「……うん。心の準備が、必要だから」
2人の間を重い沈黙が包む。しばらく経つと、示し合わせたわけではないが同じタイミングでその場を離れ、ポケットから拳銃を取り出して向かい合った。
🤍「……なんでこうなっちゃったんだろうね」
💛「……」
🤍「なんで、俺たちみんな同じことやってたんだろうね」
💛「……」
🤍「やっぱり、同じグループの人とは同じ考えを持つのかな」
ラウールの問いかけに、岩本は全く答えることができなかった。
互いに拳銃を向け合ったところで、
🖤「ラウール!!」
もう一台車が来て、目黒と宮舘が降りてきた。
🤍「なんで……!」
チラと車の方を見たラウールは、思わず声が漏れる。
💛「俺が呼んだの。やっぱり、後処理屋に何も言わずに“殺し”なんてできない」
🤍「……そう」
岩本の答えに、ラウールはそう返すことしかできなかった。やはり、殺し屋と後処理屋の関係は、断ち切ることができないみたいだ。
目黒と宮舘が見守る中、岩本とラウールは互いに銃を向け睨み合っている。
ラウールの標準はなかなか合わない。……メンバーに銃を向けるなんて、想像もしていなかったから。
これまで殺し屋として多くの人を殺してきたラウール。「人を殺す」と言う行為に、恐れなんて抱いたことがなかった。だが今は違う。大切な人に向かって銃を向けていることで、殺すことに対して恐怖を感じていた。
誰が大切な人を殺せるというのだろう。自分にとって、大切で、大好きな相手を……
気づけば、ラウールの目からは涙が溢れていた。腕もプルプルして、とても銃を撃てるような状態じゃなかった。
🖤「ラウール!」
見ていた目黒が、声をあげる。
🖤「やめろ、そんな状態じゃダメだ!」
❤️「おい、目黒……!!」
宮舘に呼ばれても、目黒は足を止めなかった。
ラウールのことを守るためだろうか。
ラウールだけ岩本に殺されることを恐れたのだろうか。
目黒は決闘の中へ飛び込もうと足を踏み出した。殺し屋の決闘を後処理屋が止める事は、この界隈では禁止とされている。目黒はその決まりを破ろうとしてまで、ラウールのために動いた。だが。
🤍「やめて、めめ!!」
ラウールの声で、目黒は動きを止めた。
🤍「……これは、俺と岩本くんの勝負だから」
これは、こなさなければならない任務だから。
ここで自分だけ死んでしまえば、相手はずっとこの苦しみから逃れることはできない。だったら、ここで自分が相手のことも終わらせてしまえばいい。
そう考えたラウールは、涙を拭いて殺し屋としての目つきに変わった。
🖤「ラウール……」
目黒もその覚悟を感じ取ったのか、それ以上は何も言わなかった。
冷たい風が、4人の間をすり抜けていく。
🤍「……ごめんね、岩本くん」
そう呟いたラウールは、岩本の銃声が聞こえたのに合わせて、トリガーを引いた。
もっと、Snow Manとして活動したかったのに。
もっとこの9人でいたかったのに。
どうしてみんな「殺し」に関わっていたのだろう。せめて違うグループだったら、マシだったかもしれないのに。
それに、なんで俺は……いつかこうなるかもしれないって、分かってたのに。
どこで誰が何をしているかなんて、分からない。この仕事も、知り合いが実はやっていた可能性も考えていたのに。なんでこの仕事を続けていたのだろう。
こんなことになるなら、やっぱりもっと早く辞めておけば良かった。
……仲間のこと、殺したくなんてなかったのに。
ほぼ同じタイミングで放たれた弾はお互いの胸に当たって……
ラウールと岩本は、同じタイミングで倒れた。
遠くの方で、目黒と宮舘の声が聞こえる。
薄れゆく意識の中、ラウールは心で呟いた。
みんな、さようなら。
来世では、誰も手を汚すことなく、誰1人欠けることなく……ずっと一緒に仲良くいようね。
目の前で、運命の人が倒れた。
こんな未来を想像もしていなかったから、胸の奥がキュッとなって、苦しい。
決闘を見守っていた宮舘は、胸から血を流している岩本に駆け寄ると、その場に力無く倒れ込む。
🖤「ねえ、ラウール。起きてよ……」
力のこもっていない声で、倒れたラウールにそう話しかける目黒。
❤️「……無駄だよ。2人は決闘で死んだんだ」
自分で口にしながら、宮舘の目には大粒の涙が溢れてくる。
あの4人が死んだ時もそうだった。こうやって涙が溢れてきて、一晩中止まらなかった。
❤️「もう、やだよ。こんなこと……」
ポツリとこぼすと、宮舘はポケットから何かを取り出し、目黒のそばへ行く。
🖤「……何、舘さん」
涙でいっぱいの目で、目黒は宮舘を見上げる。
❤️「目黒、俺たちも死のう。後処理屋の決まり、守らないと」
そう言って、宮舘は手にしていた薬を目黒へ渡す。
後処理屋は、殺し屋が死ねば後を追わなければならない。運命を共にする、そういう決まりだ。
🖤「でも、佐久間くんが……」
❤️「……ここで死ななかったとしても、どうせ俺らは消されるよ?」
🖤「……」
殺し屋の世界とはそういうものだ。足を洗おうとしても、逃げ出そうとしても、トップの奴らが必ず追ってきて命を奪われる。
足を踏み入れれば最後、この命尽きるまでこの世界から抜け出すことはできない。
目黒は黙って薬を受け取る。抗うことは諦めたようだ。
2人はどちらからともなく遺体の後処理を始めた。
遺体を湖へ落とし、血痕を消す作業を行うと、車を山の茂みの深くへ隠す。
全ての作業が終わったら、2人は先ほど宮舘が持って来ていた薬を手にした。
アイコンタクトを取り全く同じタイミングで口に含むと、2人は湖へと身を投げた。