幼い頃は家にいるのが嫌だった
泣きたくても泣きたくても
家では泣けない
そんな辛い日々で裏庭で俺はいつも1人ひっそりと誰にもバレないように
泣いていた
srh「グズッ………(泣」
その中で出会ったんだ
Ares「何泣いてんの?」
srh「え……、?」
アレス…君にね
裏庭で出会った一人の少年
ボロボロになってほとんど人なんか来ないそこで
夕方いつも泣いていた
srh「な…っなんでここに人が……?」
Ares「なんでって君に呼ばれたような気がしたか らかな??」
srh「駄目だよ!こんなとこにいたら!」
srh「殺されちゃうよ……、?」
そう聞いた彼はキョトンとしていた
死ぬのが怖くないのかな?
そう思っていると彼が笑いながらも答える
Ares「あはははっ何言ってんの?おれは死なないよ」
そう腹を抱えてそいつは笑う
srh「あ…でも!」
Ares「大丈夫」
Ares「安心して俺は君以外には見えないから」
srh「……え?」
srh「お……お化けって…こと??」
Ares「うーんちょっと違うけどそう思ってくれてたらいいよ」
srh「………君…名前は…?」
Ares「アレス…」
アレス…ギリシャ神話に出てくる神様の名前
ゼウスとヘラの子で戦いの神様……だっけ?
Ares「逆に君の名前は?」
srh「………セラフ…セラフダズルガーデン」
Ares「セラフ…熾天使かいい名前だね」
Ares「じゃあセラフよろしくね!」
黒曜石のように黒い髪に赤色のメッシュ
後ろでハーフアップにしていた
瞳はまるで柘榴石のように深く深く濃い赤
少し変わったやつだなと正直思っていた
それでも幼い頃の俺はアレスのおかげで一人じゃなかった。
srh「ウッ…グスッ(泣)」
Ares「セ〜ラフ今日はなんで泣いてんのさ?」
srh「……、あ…訓練…で攻撃しても全然当たらないから…、そんなんじゃ駄目だっ………て」
srh「怒られちゃ…った、…、」
Ares「うーんそうかそうか…そういうときはねそのものをよく見るんだ」
Ares「どういう構造でどんな物で出来ててどの角度で切るのか……、物事の本質を見極めるんだよ」
srh「う〜ん……?よくわかんないや…、」
Ares「そうかい?でも…君ならきっとこの言葉の意味がいつかは分かるはずだよ」
いつかの日に
そうアレスが笑っていたのは今でも覚えている
でも、…
俺が怒られなくなる度に
俺が失敗しなくなる度に
俺が泣かなくなる度に、
俺はアレスのことをどんどんどんどん忘れていったような気がする。
俺にだってもうわからないんだよ…
自分が何をしたいのかも
自分の身のことも
自分の存在でさえ…
何がなんだか…わからないんだ、
気がつけば…アレスはもう居なかった
そのことにすら当時の俺は気がつかない
気付けなかった
その時にはもう…
感情さえなかったのかも知れない
それでも…
今の俺がここにいれるのは
あの辛い日々があったから
そう思えるようになれたのに…
心の奥底で…彼を疑ってしまっている
殺したくない
『なら…自分が死んじゃえばいいじゃんか』
『そうすれば自分以外はみんな助かるんだよ?』
………、…。
『あ…もしかしてさ』
『彼と出会えて少しは何か変われると思ってたの?』
『そんなこと無駄なんだよ?』
『いい加減夢見るのやめたら?』
『ほら…彼の手を離して上げなよ』
俺は起き上がりそばにおいてあった
ナイフを手に取る
コメント
1件
悲しいけど、それがせらおの決めた選択だったんだよね