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橘靖竜
なつみかん
麗太
2xxx年 夏
とあるマンションの一室に、本の「ペラ………ペラ」というページを捲る音。
───そしてとある男の独り言が響いていた。
「…セミの声がうるさい夏だぁ〜?セミって何だよ。シミみてぇな名前しやがってよぉ〜…」
────「気候変動」、そして「森林伐採」などの理由から、日本の蝉は姿を消した。
今回はそんな2xxx年で生きる、とある男の話を皆さんに見て頂こうと思う。
それでは、2xxx年へと時を飛ばしてみよう!
では、ご覧あれ!
2xxx年 「現在」
俺の名前は一条シン、16歳だ。───親は居ない。近所のオバチャンに聞いたところによると、どうやら父親は韓国人、母親は中国人との事だ。
「まぁ、俺はそんなのどうでもいいけどねぇ〜」
その時、玄関のインターホンが鳴った。
「ん〜?誰だろ。」
インターホン越しに確認すると、例の近所のオバチャンだった。軽い足取りで玄関に向い、ドアを開け、軽く挨拶をする。
「オバチャ〜ン!おはジュール!」
ドアの向こうには深く帽子を被ったオバチャンが立っていた。俺の挨拶を聞くと、あからさまに顔を顰める。
「おは…ジュール…?何、また新しい挨拶が流行ってるの?」
「そ〜、そ〜。日本語のおはようとフランス語のボンジュールを合わせて、おはジュール。…最高に良くね?」
ヘラヘラと笑う俺の顔が余程気に食わないのか、オバチャンは呆れたようにため息をつく。──この会話が俺とオバチャンの毎朝のルーティンだ。
「はいはい。…それにしても、今の時代外人ハーフばっかで見慣れているから、顔見たら大体どことどこの国のハーフかわかるけど…アンタってほんとに国籍わかんないわよね」
「いや俺も知らんし。」
昔は「純日本人」の方が圧倒的に多かったと聞くが、俺は全く信じていない。なぜなら今は、移民増加により「外国人ハーフ」の方が純日本人よりも人口が圧倒的に多いからだ。
「──アーシは顔見に来ただけだから、もう帰るわね。」
30分近く立ち話をしていると、ようやくオバチャンが切り出した。
「うぃ〜す、また明日〜…」
─5分
──10分。ようやくオバチャンの姿が見えなくなると、俺も自室に戻った。
「あっちぃぃい!!…この時期に30分も外で立ち話とかあのババア化け物かよ!?」
現在の気温は42℃。─普通に死ぬ。
つか顔見に来ただけて…そんな浅い理由でわざわざ家まで来たのかよ頭おかしいだろ。
「と、とりあえず水飲も〜…あ、昨日水道管溶けたんだっけ」
2年前に東京で50℃という、大災害級の気温を観測して以来、日本の設備はとても充実したものとなった。
──しかし、紛争などの理由から日本も資金不足なため、まだまだ足りていない設備も数多く残っている。
「って、そんな事はどうでもいいんだよ!…水ぅ〜、水が飲みてぇよぉ〜……」
これを見てる皆さん、冷蔵庫にある水を飲めばいいじゃんって思うだろ?──俺は国際紛争に巻き込まれた貧困民なのでそんな文明的な物、家にはありません。
「死ぬぅ〜………」
しばらくどこかに水が落ちてるなんて奇跡が起きないか、家中をフラフラした足取りで探していたものの、目眩がしてきたので諦めた。
───3時間程すると、視界がぼやけてきた。
「あ、死ぬ。」
そして一条シンは深い眠りについたのだった。
2xxx年、BAD END
な訳ないやろ普通に続くから。
とあるマンションの一室に、とある男の浅い息遣い。
────そしてとある人間の「コツ……コツ」という足音だけが響いていた。
「あら、脱水症状かしら?」