テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「俺たち、生まれた時から始まってた」
「そうだね」
間接照明だけのベッド。腕の中で阿部がすり寄りながら言う。
毎年恒例の同じ話。目黒も暗唱できるくらい覚えてしまったのだが、これを嬉しそうに話す阿部が可愛くて毎年聞き入っている。
「俺たちの真ん中バースデーの誕生花は蓮の花で」
「うん」
「閏年だけは七夕になるけど、その日は蓮とアベリア」
「うんうん」
しかも目黒の誕生日は天気図記念日。ほら、もう出会うべくして出会ってるよね、と見上げてくる。そのご機嫌な唇に軽くキスを落として、目黒は腕の中でこちらに身体を向けていた阿部の背中をベッドにつけた。
「だから、こんなに身体も溶け合っちゃうのかな」
「めめ」
髪から頬を撫で、さっきより深いキス。阿部から口を開けてきたので遠慮なく舌を迎えに行く。
さっき散々愛してやっと火照りからさめたばかりの阿部の身体が熱っぽくなる。胸に触ると、もう硬くなっていた。
「エッチ」
「違う、めめのせい」
「そんな所も可愛いから。誰にも見せないでよ?」
「見せるわけ…あんっ」
自分から言っておきながら、答えなんて知っているから何だっていいとばかりに胸を舌で柔らかく舐めた。それから、舌先を硬くして細かく動かす。
「あ、あっ」
「阿部ちゃん、可愛い」
片手で身体を撫でていき、臍の下あたりをぽんと軽く叩くと阿部がびくっと震えた。
「ここが、俺と一つになってる時に阿部ちゃんが気持ちいいとこ」
「あっ、ん、ちょ…」
規則正しくとん、とん、と掌で叩く。それはいつもの律動の速さで、阿部は急激に汗ばみ自身を勢いよく勃ち上げて悶えた。
「はぁっ、あ、ん」
「外からでもわかって感じるようになっちゃったね。よく覚えたね、いい子」
いい子、と見つめながら言うと潤んだ目の阿部はもう待てないという顔で目黒を見る。
「自分でしてみる?」
「え…やだ、無理」
「言うと思った、冗談だよ」
外から刺激を与えただけなのに、阿部の中は柔らかかった。急かすように絡みつき、指を包んでくる。
「今日すごいね、気持ちいい?」
「ん…めめは?」
「俺もこんな阿部ちゃん見せられて、たまんない」
好き、大好き。愛してる。ずっと一緒にいて?もちろん。
ありったけの愛を囁き合いながら、二人は一つになっていく。もう何度こうしたかわからないけれど、今日は奥まで全部入った時に阿部が果て、その締め付けで目黒も果てた。
「イッちゃった」
「俺も」
なんだか可笑しくて、笑いながらキスをする。
「もう一回、してもいい?」
「何回でもしよ」
そう応えてくれる阿部の目から涙が一粒。
「泣いてるの?」
「嬉しくて」
目黒の指にとられたその涙は、星屑みたいに輝いた。
終
コメント
9件
あ〜、運命の二人って感じで最高です🥹💓 michiruさんの🖤💚読むたび幸せ感じてます😍
甘いーーーそして素敵なワードがたくさんだった!!🖤💚
ひとつになる、っていいよね。私も久々に使ったわ、そのワード。