コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
私達は小屋の中に案内される。
「で。輝夜、一体どうゆうこと?私達を始末するはずじゃあ……」
私は疑問に思ったことを質問した。
「それはね。まあ、簡単なことよ。私はこの計画に賛成じゃなかったから。永琳と同意見よ。」
輝夜は場を和ませるために笑顔で言った。
輝夜のおかげで少し落ち着いた。この状況では輝夜にしかできないことだろう。
私達はもう一度深呼吸をすると、輝夜の話を聞き始める。
「……スクナはね…何らかの病に侵されている。永琳でもなんの病かわからなかった。そんなとき、スクナの直し方がわかったの。それはね……強い意志を持っている魂。だから依姫様たちは魂を集めようとしているの。幻想郷の魂はほとんどが強い意志を持っている魂だから…幻想郷を襲ったの。ごめんなさいね。」
輝夜は申し訳無さそうに頭を下げた。
永琳も続いて頭を下げる。
大切な人を助けたいのであれば仕方ないのかもしれない。
「そんな…謝らないでくださいよ。悪いのは……悪いのは……」
幽々子がそこで口ごもる。
「誰も悪くない。」
魔理沙が助け船を出す。
幽々子もウンウンとうなずいている。
私達も同感だ。
「じゃあ、幻想郷の住人が暴れているのも、その依姫って人の仕業なの?」
「え?何かしら。それ。暴れている……?」
輝夜が不安そうに頭をひねった。
「きっと、スクナの影響でしょう。スクナの能力はもう一つあるのです。昏睡状態でしか使えない能力が。それは……人を操る程度の能力。操られている人間、妖怪は、操られている時の記憶がなくなっています。月の都には、影響がないようです。」
永琳が輝夜に変わって説明してくれた。
そんな恐ろしい能力を昏睡状態で使えるとは知らなかった。
「そんな恐ろしい能力を……下手をしたら、戦争になるかもしれませんね。……実際私達の幻想郷もその恐ろしい能力の犠牲になってしまいましたが。」
妖夢が悲しそうに空を睨みながら言った。
「許せない……と、言いたいところだが、実際誰も悪くないんだな。依姫たちはスクナを助けるためにこの事態を起こしている。スクナは何らかの病のせいでもう一つの能力を使っている。な?悪くないだろ?
魔理沙は真剣な眼差しをみんなに向ける。
幽々子は不安そうにみんなを見回している。
「だ、大丈夫よ!ほら。お団子でも食べて落ち着いたら?」
輝夜は気を使ってくれたのだろう。どこに隠していたのか団子をみんなに渡してくれる。
幽々子は目を輝かせながら輝夜を見ている。
「喜んでもらえたかしら?少しの間だけど、休憩していって。せっかく月の都まで来てくれたんだもの。」
永琳もコクリとうなずく。
本当に優しい人たちだ。幽々子がお団子を食べ始める。本当に食い意地がはっている。
きっとみんなもそう思ったのだろう。幽々子をじーっと見ている。
「ん〜♪美味しいです!ん?皆さん食べないんですか?私を見てどうしたんでしょう…。」
幽々子が首を傾げながら質問してくる。
慌てて目をそらし、お団子を食べ始める。
「……さすが月の都。この団子美味いな。」
魔理沙が美味しそうにお団子を頬張る。
妖夢も続いてぱくりと一口。
「ほう。甘くて、それでいてしつこくなくて、とても美味です。」
妖夢も美味しそうにパクパクと食べていく。
最後に私が一口。
「へぇ。美味しいわね。桃の味がする。」
「桃の味?私は違いました。いいなぁ〜!」
幽々子が目を輝かせながら見てくる。
仕方ないので半分分けてあげた。幽々子は、美味しい!と、笑顔で感想を述べた。
「これで少しは気が抜けたかしら?美味しいでしょう?てゐが作ってくれたのよ?あなた達が倒した白兎の子のことね。」
輝夜はどことなく寂しそうに中を見つめる。
「ごめん…悪いことをしたわね。謝るわ。」
私は頭を下げる。
輝夜はブンブンと首をふると、私達に語りかける。
「ううん。むしろ、こっちからお礼を言いたいぐらいよ。あの子達を正してくれてありがとう。あの子達も依姫様たちに賛同していたからね。仕方なく止めに行かせたの。」
輝夜は私達を見つめながら答えた。
私達は、顔を見合わせると、コクンうなずく。
「少しの間だけど、止めてくれてありがとうね。私達、絶対に依姫たちを止めるから。行ってくるわ。」
私は力強くうなずくと、小屋を出る。
輝夜は悲しそうに私達を見つめていた。