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ー殺人鬼の子でも桜のように舞い散れるー
廊下から聞き慣れた足音が聞こえる。
その足音はどんどん近づいて来て、俺のいる部屋に入る。
「おい。殺人鬼。」
やはり、警官だったようだ。
「、、、、、、、」
「今日は君の最期の日や。なにか食べたいものでもあるか?」
今日は俺の死刑日。俺は、数々の人を殺した殺人鬼だ。
「、、、あると思う?」
「いいや、無さそうやな。」
「、、、、、、、」
食べたいもの、特にそんなものはない。食べ物なんて興味が湧かない。昔は食べてみたいものがあった気がするが、今ではそんなものも忘れてしまった。
「、、、お腹、空いてないんだよね」
「流石に連続殺人鬼でも、死刑日の食事はキツいか?」
「、、、別に?ただ、興味が無いだけ」
「、、、そっか」
、、、警官と沈黙の空間が続く。いつもなら色々な話をしてくれるのに、今日はしてくれないんだな。
「あっ、そうだ。君に渡したい物があってん」
「、、、?」
渡したいモノ?殺人鬼の俺に?此奴もなかなかイカれてるだろ、
「ほい。これやるわ」
そう言い警官は俺の髪に触れる。
「んっ、なに、これ?」
「これはなー、俺の息子の形見や。」
そう言いながら警官は鏡を俺に渡す。
「、、、サクラ?」
「うん。そや。」
「なんで?阿呆じゃねぇの?お前、」
「息子の形見を俺に渡すなんて、、、。しかも、その息子を殺したのは俺なんだぞ?」
意味がわからず警官に少し暴言を吐く。
「それはそうやけど、君に渡したかったんや。」
「俺の息子を忘れへんように、、、な?」
「、、、なにいってんだよ」
「まあそれと君が似とるんやって、俺の息子に」
「そんなわけ、ないだろ?」
「いいや、似とるで?その髪飾り、すごい似合っとるもん。」
「、、、どういう褒め言葉?」
「まあまあ。俺の息子も、その髪飾りが似合っとってん。まあ君の方が桜が似合うけどな。」
「、、、うざ」
急にそんなことを言われ何の反論も出来ずにいた。もう一度鏡を見る。
サクラの髪飾り。俺とは全く違う、綺麗な花。そして、きたない俺。俺の地味な髪色と綺麗な桃色の花。明らかに不釣り合いだ。
「、、、そんなに似合ってるか?」
「、、、うん。」
「、、、そっか。」
そして、聞き慣れない足音が近づいてきた。
「1506番。時間だ。」
そう聞くと俺はすぐに立ち上がり、その警官について行く。
「じゃあな、来世ではこんなことしんようにな」
そういつもの警官が言う。
「、、、ははw」
「なるべく、頑張ってみる、」
そして死刑台の上に立った。
首を吊り、冷たくなっていく。
ただ、何故か髪飾りだけは暖かくほんのりと光っていた。
リメイクだよー。🍓👑だよー。桃くん主役だよー。よろしくねー。
次回.転生
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