この作品はいかがでしたか?
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ー殺人鬼の子でも桜のように舞い散れるー
「、、、ん」
朝の匂いがする。鳥の鳴き声、自然豊かな草の音。そんな音が聞こえ、魘されながらも目を開けた。
「、、、?」
ーここは、何処だろう?
昨日、確かに俺は処刑された。その感覚も残っている。
なのに何故、、、?
そんなことを思いながらもベッドから立ち上がり、適当に家の中を歩いた。
「、、、、、、、」
何かないかと探していると日記のようなものがあった。
この日記が見えていますか?初めまして。どなたか知らない貴方。僕は宮麻桃(みやま さとみ)です。僕は学校で嫌われているようです。なので自殺を試みることにしました。もしもそんな僕に入ってこれる人がいるなら、僕の願いを叶えてください。僕、アイドルになりたいです。
「、、、アイドル、ねぇ〜、、、」
まさかこの宮麻桃という人の中に入れるとは意外だった。これは俗に言う転生、というものなのか?
「、、、学校、、、」
聞きなれない単語。学校で嫌われたら死にたくなるものなのか?そう考えながら、取り敢えず準備をしておいた。
もちろん、学校に行く準備だ。
「、、、」
着替えをするために鏡の前へ立った。
桃色の髪に深海の様に深い青色の瞳。彼は俗に言うイケメンというものなのだろう。
目尻はキリッとしていて綺麗な顔立ちをしており、体は少し細い方だがしっかりしている。なんなら少し女顔っぽい感じだ。
「、、、、、、、」
俺が、こんな綺麗な身体に入ってよかったのだろうか?
血で汚れたきたない俺が、何にも穢れないこの綺麗な身体に、なってよかったのだろうか?
「、、、わかんないな、」
ふと横のタンスのようなものを見た。
「!」
そのタンスの上には、俺が初めて貰ったプレゼント、、、。サクラの綺麗な髪飾りがあった。
あの警官がくれた髪飾りが、何故こんな所に?
「俺の息子を忘れないように、、、な?」
「、、、っ、ははw」
これはきっと、俺が前世にやった事を忘れないための、”呪い”なのだろう。
あの日、警官に着けてもらった時のように髪飾りを身につける。
この身体だと、とても似合っているような気がした。
準備が完了したため鞄を持つ。そして学校へ向かった。
しばらく歩いているとようやく着いたようで、学校の玄関に入る。
下駄箱から宮麻桃という名前を探し、上履きを取る。
何故かその上履きには沢山の紙や画鋲という物が入っていた。特に気にせず中身を全て出し、教室というところに向かう。
教室の前らへんに行くと、何故か嫌な予感がした。なのでドアを開けて少し教室から離れてみた。
バッシャーン
「、、、?」
沢山の水がばら撒かれた。俺はギリギリ濡れなかったが、それを見て奥にいる生徒達は悔しそうな顔をしていた。
「チッ、何でかかんないのよ」
そう俺に向かって大声でそんなことを言った。
「、、、」
答える必要性が見つからず、無言になる。そしたら彼女は怒ったように俺に手をあげようとする。
「チッ、何無視してんのよ!!!!」
「、、、」
ただ元殺人鬼だった俺は、元々の反射神経がいいため、 その攻撃を意図も容易くかわしてしまった。
「な、なんなのよ!!!」
彼女は諦めたみたいに手をあげるのはやめた。そしたら次は他の人達がこう言った。
「ちょっと、早く片付けてよね〜」
「ほんっとーに役に立たないね〜」
「早く片付けろよ!俺達にこの空間で勉強をしろと言ってるのか!!」
「ガチで使えね〜」
そんな風に次々と文句を言ってくる。
何故文句を言われているのか分からず、取り敢えず思ったことを口に出してみる。
「、、、この環境でも勉強はできるぞ?」
そう言うと彼等は次々と怒っていく。
「あ”?汚したのはてめーだろ!!早く片付けろよ!!!」
「私達こんな所で勉強なんて出来なーい!」
「俺達の言うことが聞けねぇのか!?」
「早くしろよ!!!!!!」
また次々と文句を言われる。だがやはり何故怒っているのかが理解できない。だからまた本心を言ってみる。
「お前達が困っても、俺は困らない。そして汚したのはお前らの後ろにいるそこの女だろ?何故俺に怒る。」
当たり前なことを言っているつもりだったが、彼等はもっと怒る。
「おめぇ、舐めた口聞いてんと殺すぞ !!!」
「そうよ!!丁度私、カッター持ってるんだよ〜?w」
「ナイス!wモブ子w俺は何時でもお前のことこのカッターで殺せるんだぞ?w」
「モブ男くんカッコイイ〜wもういいからやっちゃえば〜w」
彼等はそんなことをカッターを見せながら言ってくる。ただし、やはり理解が出来なかった。
だって、人を殺すのにカッターなんて必要ないだろう?
「、、、」
「あれれ〜?w怖くなっちゃって手も足も出せないの〜?w」
「ふんっ!!最初っからそうしとけよなっ!!お前はそういう立場がお似合いなんだよっ!w」
「、、、カッター、ねぇ?」
「な、なんだよっ、、、」
俺はゆっくりとそいつに近づく
「こ、こっちに来んなよっ!!!」
「、、、」
まるで獲物を見つけた蛇のように
「く、来んなって言ってんだろっ!!!」
男は困惑したように俺を見る
「お、おいっ!!!」
そいつに完全に近づいた瞬間、俺はそいつからカッターを奪った。
「なっ!?なにすん((」
何か言いかけたらしいがそんな事は気にせず、俺はカッターの刃をそいつの首に当ててみた。
「ひっ!!」
男は驚き、そして怖がった。
「、、、なぁっ」
ゆっくり俺が口を開く。
「、、、カッター、無くなっちゃったぞ?」
俺は男と目を合わせ、離さないように固定した。
「、、、どうすんだ?」ニコッ
俺はゆっくりと微笑んだ。その微笑みは、優しい笑みではない。狂気的なとても怖い笑みだった。
「ひっ!」
キーンコーンカーンコーン((チャイム
「、、、」
ーせっかくいい所だったのに、、、
俺は静かにカッターを下ろした。チャイムがなってしまったからだ。
俺は何事も無かったかのように席に座った。
、、、男はまだ、怯えているようだった。
次回.アイドルレッスン
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