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『BLACK cat school』〜スクールライフは恋と波乱!?〜
フルーレの時間 寂しさが埋まるような
『体育祭最後の種目!借り物競走!選手の皆さんは準備をお願いします。』
そして、私の前に立つ彼。
(私…私が選ぶのは――。)
『え、と、その……///』
フルーレは顔を赤らめて私を見つめる。
『俺は……他のみんなと比べたら弱いし強くないかもしれません。でも、貴方だけは俺が必ず守りたいんです。』
『っ…!』
『どんな辛いことがあっても、俺が絶対幸せにします。だから俺を選んでください。』
フルーレは私の手を握る。
『フルーレ…。ふふ、私期待しちゃうよ?』
私はいたずらっぽくニコッと笑う。
『も、もちろんしていいですよ!俺が守りますから!』
フルーレは私の手を取って走り出した。
細くて力強い手で。
数日後。体育祭も終わり通常授業に戻った頃。
『華さんと恋人同士になったけど…
寮も階も離れてるし学年も違うから中々会えないんだよな…。』
(寂しいって思ってるの俺だけだよな…。)
俺は放課後教室で1人悩んでいた。
(……部活行かなきゃ。)
俺は教室を出て手芸部の部室へ向かう。
一方その頃。
『フルーレが喜びそうですね!』
『ほんと?良かったぁ。』
『にしてもどうしていきなりお菓子作りなんて…』
『…フルーレに寂しい思いさせてるんじゃないかって思って。』
『今日は何を作ろうかな……ん?調理室から声がする。ロノ今日は部活休みのはずじゃ…』
(ロノと華さん?)
俺はドアの隙間から覗いた。
『学年も違って階も違うし寮も違うから
中々会えなくて寂しいって思ってるかなって。…まぁ私も実際寂しいからさ。』
ドキッ
『華さん…。』
(俺だけじゃなかったんだ…。)
俺は胸をぎゅっと締め付けた。
『だからケーキを作って一緒に食べたくて。』
『だから俺に作り方を聞きに来たんですね!』
『ごめんね部活休みなのに。』
『いいんですよ!ちょうど試作品作ってたんで!』
『フルーレ、喜んでくれるといいですね!』
『うん!フルーレどこにいるかな?』
『この時間ならそろそろ部室にいると思いますよ。』
『ありがとう!行ってみる!』
(あ、やば華さん出てくる!)
俺は急いで隠れようとした。
ガラッ!
『あ…っ。』
『…え、ふ、フルーレ!?嘘、話、聞いて…』
『す、すみません…。』
この後手芸部の部室でケーキを食べた。
『まさか聞かれてたとは。』
『す、すみません。で、でも嬉しいです!
華さんも俺と同じ気持ちだったなんて。』
『そりゃあ…寂しいよ。フルーレは…私の彼氏なんだから。』
『っ……は、はい。』
『そ、それよりケーキ食べよ!』
『は、はい!』
『あ、いけない…フォーク1つしかない。ロノに貰ってく――。』
『お、俺はそれでも構いませんよ?』
『え…?』
『…俺が食べさせてあげますよ。』
『そ、れって…』
(間接キス…。)
『俺たち恋人同士…なんですよね?』
『っ……こういう時だけずるいよ。』
『ふふ、すみません。』
ケーキより甘くて味なんか分からない。
でも、一生忘れられない恋の味。
𝑯𝑨𝑷𝑷𝒀 𝑬𝑵𝑫__