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ある日の夕暮れ、姬愛はいつもの裏道を歩いていた。派手なフリルの裾が風に揺れる。

街灯が少しずつ灯り、赤や紫に染まる路地は、まるで自分だけの小さな世界のようだった。


昨日、少年と本を読みながら過ごした時間を思い出す。

普段なら、人の視線や囁きに過敏に反応していた姬愛が、ほんの少しだけ肩の力を抜けた瞬間。 その感覚は、今でも心の奥底で温かく残っている。


「……別に、孤独でもいいのかもしれない」


姬愛は小さくつぶやく。

孤独を恐れる必要はない。

周囲の偏見や誤解は、変えられないもの。

でも、自分が自分らしくいることは、誰にも奪えない。


派手な服も、独特な性格も、孤独も、すべて自分の一部だ。

誰かに認められなくても、価値がないわけじゃない。

それに、少しずつでも理解してくれる人がいる――昨日の少年のように。


姬愛は夕暮れの空を見上げる。

赤と紫が混ざり合う空は、まるで自分の心を映す鏡のようだ。

孤独は消えないけれど、孤独に押しつぶされることもない。

その代わりに、孤独を抱えたまま進む強さを、姬愛は感じていた。


「……これが、私の世界」


そう心の中で宣言すると、姬愛の胸の奥の重みが少しだけ軽くなった。

孤独を恐れず、自分を守る鎧を脱ぐ必要はない。 むしろ、その鎧こそが、自分の色を、世界を保つための大切なものだと気づく。

静かに歩きながら、姬愛は心の中で微かに微笑んだ。

誰かと完全に心を通わせることはまだ遠い。

けれど、少しずつ距離を測りながら、歩き続けることはできる。そう、自分を信じることができたのだ。

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