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今見えている物の色は本当にその色なのか
人々は空を青と答えるが動物たちは紫とかオレンジとか別の色と答えるかもしれないし、もしかしたら、本当の空は灰色なのかもしれない
然し、どんな人でも彼の眼の色は回答一致だろう。その位に彼の眼は青かった。
俺の心に焼き付けた眼は一生、忘れないだろう
「はぁ……」
バイトをして学校に行って直人と話してを繰り返していたらいつの間にか梅雨の時期になっていた。記憶の方は一向に思い出せない
「スンスン…ちょっと生乾き……」
どんよりとした日が続くせいか普段からテンション低めな武道はもっと低くなっていた
ピンポーン
「?はーい」
洗濯物を放って玄関のドアを開けると
「こんにちは」
バックを持った直人がいた
「いらっしゃい。中入って、あっでも今洗濯物散乱してる……」
「いえ、大丈夫です。失礼します」
タイムリープ前よりかは大分綺麗になったがそれでも尚綺麗好きの人はむず痒い部屋になっていた。直人にお茶を出し椅子に座り
「…で、今日は何を話すの?」と尋ねる
週に1、2回武道の家に訪れてはこの先どうするかなどの話をしていたはずだったが武道は記憶喪失(仮)なので勉強会か買い物に付き合うかの2つになっていた
「流石にそろそろ未来の為のことを考えないといけないので今回はこれを用意しました」
そう言ってバックから取り出されたものはA4のノートだった。付箋が沢山貼られているので色々と書いたのだろう
「これは?」
「これから先に起こること、起こりゆる事を書いた物です。これを今直ぐ貴方に暗記させたいのですが、記憶喪失の為まずは基本情報を覚えて…いや、思い出してもらいます」
そう言いノートを開き、まだ真っ白なページを開く。そして筆箱から鉛筆をとり
「まず貴方を監禁していた組織です。名前、覚えてますか?」
なんだったけな…思い出そうとするがズキンと頭が痛くなる
「……東京卍會です」
「あっ…そうだ、その組織名だ…!」
「思い出してくれて何よりです」
ノートに東京卍會と書き下に矢印をひく
「では、この組織の首領は分かります?」
「………っ」
「覚えていませんか?」
覚えているとも。でも、怖い。彼の眼、仕草、言葉…全てが怖かった。どの位彼に躾られたか
「…佐野……万次郎」
「はい。そこは覚えてるのですね。佐野万次郎…彼の絶大な力でこの組織は動いていました。しかし、その力だけでは情報が漏れやすいです。その為に彼はいました…分かりますね?」
「…稀咲鉄太……だよね?」
「…えぇそうです。彼が居ることによって情報は徹底的に管理され僕ら警察にも何処にアジトがあるのかさえ手に入れなかった…」
そう言い目を伏せた。物凄い努力であの城を壊そうとしたのだろう
「でも…よくアジト見つけれたよね?そんだけ情報漏らしてないから大変だったのでは?」
「それが…アジトは此処にあると言う情報が来たんですよ」
「え?」
「最初は冗談かと思いましたが、匿名であったので身元を確認してみたら反社側の人だったんですよ。そしてアジトがある所へと向かったら本当にあって…」
頑張って調べようとした努力が水の泡になり、正直少し病んだ直人は応援を呼び、アジトに突入した。最後は武道が知ってる通り、誰かに押されて一緒に落下死し過去に戻った
「成程ね…俺が監禁されてる間大変だったね」
「貴方の方も大変だったでしょう?もっと早く突き詰めていたら…」
「それはもう過去の事だからさ、今は未来の為に考えよう?」
「そうですね…」
少し冷えたお茶を飲み違うページを開く。さっきとはうってかわりぎっしり字が埋め込まれていた
「これは僕達がしないといけない事をまとめたものです。僕達は過去に戻ってきた…ので、最悪な未来を変えることが出来る」
「最悪な未来を変える…?」
「東京卍會の首領、佐野万次郎を反社にはいらせないことです。いえ、東京卍會を潰すことです」
「…?その組織っていつ作られたの?」
大きな目標を提示され少し戸惑った
「いつかは分かりませんが最初は不良グループでした。それがどんどんと反社の道へ行って仕舞いには日本の反社を牛耳るまでに大きくなりました」
「はぁ…何かあったの?内戦?」
「そうですね…東京卍會は他の所と抗争をしていましたが殆ど重傷者と死人が出てきました。そのことが反社の道へ行く出来事になったのでしょう」
それはもう抗争ではなく集団暴行では無いかと思ってしまった
「じゃあ、その抗争を止めれば反社じゃなくなるんじゃない?」
「はい、なので武道君にはどうにか東京卍會の人と関わって止めて欲しいです。後もうひとつ…」
「何?」
「君の記憶を思い出して欲しいです。彼奴らは君を監禁していたので何か関わりはあるはずです」
思い返せば、武道は監禁されてるくせに何故監禁されているのか分かっていなかった。思い出す事で監禁されない未来と直人の姉を助けれるかもしれない
「そうだね…うん。俺も思い出したい…」
「そうですよね…良かった…。話の続きは次に持ち越しましょう。塾もありますし買い物も行くでしょう?」
「うん。今日は魚安いし」
「分かりました。後、連絡交換しときましょう。何かあったら伝えて下さい」
「わかった」
「鮭と…あっ卵無かった気がする」
愛用のスーパーに行き必要最低限の材料を買っている中、今日言われた事を整理するがふととある言葉を思い出した
「良かったって…どういう事?」
さっきまで素通りしていたが今となってはおかしい。記憶を取り戻して欲しいと要望してそれに応えたのに良かったっと言ったのは何故だろう。武道も本心で記憶を戻したいと思っているのに思い出して欲しくないのだろうか
「……考え過ぎかな?」
支払いを済まし品物を買い物袋へと入れる作業で考えをやめようとするが考察は止まらない。こうやって深追いするのは武道の悪い所でもあるかもしれない。スーパーから出て帰路につくと
「あの子は…」
いつしか前の路地で不良に殴られてた子だった。そう言えばバキって音なっていたが大丈夫なのだろうか
「………あっ!」
どうやら武道に気付いたようだ
「あの時の!花垣さんッスよね!?」
「うん。大丈夫?怪我とかは」
「大丈夫ッス!俺怪我は慣れてるので!それより俺の師匠になってください!」
「怪我は慣れちゃいけないだ…ろ……は?」
唐突な爆弾発言により武道は目を見開き固まる
「……ん?師匠になって?どういう事?」
「俺…族に入ってるすけど弱くて…だから強くなりたいんす!」
「族?どっかの不良グループに入ってるの?」
「そうっす。東京卍會って言います」
「っ!?」
なんと簡単に東京卍會の人を見つけてしまった。
「ん?知ってます?」
「え?う…うん知ってる。」
「そうっすか!で、俺の師匠になってくれますか?」
これはなるしかないだろう。千冬の期待に応えれるかは分からないが彼を通じて東京卍會の人について知れるかもしれない
「分かった…明後日の夕方ここ集合ね」
「!!うっす!ありがとうございます!」
願いが叶ったことで顔が晴れ晴れとし眩しい笑顔を見せた
「で、では!また明後日!」
「…じゃあね」
軽い足取りで歩く千冬を見送り武道はガラケーをとりだし電話をかける
『もしもし、武道君?』
案外早く出てきてくれた
「直人、東京卍會についてなんだけど」
『何か思い出しましたか?』
「いや…東京卍會の人とであった」
『っ本当ですか?』
「うん。しかもその子の師匠になった」
『…………はい?』
どうやら最初から伝えないと分かってくれ無さそうだ。然し、一体何があって笑顔を見せる子が反社の道へ踏み込んだのだろう。考えれば考えるほど分からなくなってしまった
『えと…武道君?』
『ごめん、詳しく言うとね……』
今は大きな相棒がいるのだ。この話は1つずつ確実に解いていこう。例えそれが巨大迷路だったとしても…