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ドM☆
20
タイキは驚きで固まってしまった。
ルイの体に上乗りになる形で、手を掴まれている。
ルイはイタズラにその手にキスをした。
「これ以上のことしたら、どれだけ気持ちいいの?」
ルイはタイキの指をペロっと舐め上げた。
『ひ…っな、なにす…』
「ねぇ、タイキ…教えて?」
ドキ ドキ
誘うような目つきのルイにタイキの心臓が跳ねる。
何も答えられないでいると、ルイはクスッと笑ってタイキの体を抱きしめた。
「すごい。これだけで気持ちいい」
優しく抱きしめられて、タイキは少し安心した。
(もっとすごいことされるのかと思った)
ぎゅっと抱きしめてくるルイの背中を、まるで子供をあやすみたいにトントンと叩く。
ルイはタイキの肩に顔を埋めて、さらにぎゅうっと抱きついた。
『…落ち着いたか?』
「んー?」
まだ離すつもりはないのか、頭をぐりぐりとタイキの肩に擦りつける。
『…ルイ、そろそろ今日の健康チェックするぞ』
「健康チェック?」
『うん。まず熱測る』
タイキは鞄から体温計を取り出すとルイの額にぴっと当てた。
『次、脈測るな』
ルイの手首を持って脈を計る。それだけでルイは嬉しそうにタイキを見ていた。
タイキはひと通りの仕事を終えると、さらさらと紙に今日の数値を記録した。
『…よし、異常はないみたい』
「ありがとう」
『じゃあ、俺帰るね』
「えっ帰っちゃうの?」
『うん。突然出てきたから、仕事道具以外何も持ってないし…でもルイ、今日の夜はどうする?』
「?」
『眠れないなら、その…俺、ついててやろうか?』
「えっいいの?」
ルイは嬉しそうに飛び跳ねた。
『俺も突然呼ばれるよりその方がいいし…』
「じゃあ俺、夜ご飯準備して待ってる!」
『ははっ…じゃあまた、来る前に連絡するね」
ピンポーン
「タイキ、待ってたよ」
ルイは玄関の扉を開けると笑顔でタイキを迎え入れた。
『おっすごい美味しそう!』
ルイが用意した夕食を見て、タイキは興奮した声を上げた。
「昨日遊んだ時タイキの好み聞いてたからさ」
『おまえっ最高じゃんか!』
2人はハイタッチして席についた。
美味しそうに食事をするタイキを、ルイは微笑ましく見ていた。
「タイキ、あーん」
『ん』
ルイから差し出されたスプーンを、タイキは何の躊躇もなく口にいれる。
「かわいいなぁ」
食事に夢中な様子のタイキを見て、ルイは胸の奥が温まっていくのを感じた。
『あのさ、ルイ…今は治療必要ないと思うんだけど』
食事を済ませた後、ルイは自分の足の間にタイキを座らせて、満足そうにニコニコ笑っている。
「タイキいい匂い」
そう言ってサラサラの髪を口に咥える。
『おいっ食べるなって』
「おいしい〜なんでタイキは全部甘いの?」
『わかんな…くすぐった』
タイキは逃れようと体を捩るが、ぎゅっと抱きしめてルイは離さなかった。
「タイキ、俺ね…タイキのこと好き…」
『!』
タイキはびっくりしてルイを振り返った。
「タイキといると、すごく心が温かい」
『…ルイ、それは俺がヒーラーで、ルイが病人だからだよ』
タイキの言葉にルイは手を止めた。
「は?」
『ルイは今夢蝕病で人の温もりを欲してる』
「…」
『だから、そう感じるのも不思議じゃないけど…それは今だけのことだ』
「…おまえ、それ本気で言ってるの」
『…』
ルイから離れようとタイキは立ち上がった。
が、その腕を強く掴まれ、気づけばソファに押し倒されていた。
『!!』
タイキの両手首を頭上で甘く押さえて、ルイは顔を近づけた。
「じゃあ、俺がお前に触れたいのも、お前にキスしたいのも、全部病気のせいなのか?」
『…っ!』
ルイはタイキの顎を掴んでキスをした。
ちゅ… ちゅっ ちゅく…
生温い感蝕が口の中に入ってくる。舌を入れられて、口内を舐めまわされる。
『ん…っふ…ぅ…ん…』
手首を押さえる手はすぐに解けそうだったが、タイキは抵抗する気が起きなかった。
甘く優しいキスに夢中になって蕩けそうになる。
『ん…ぁ…ルイ…っ』
名前を呼ばれて、ルイはそっと唇を離した。
2人の間を糸が伝う。
「…抵抗しないのは、俺が患者だから?」
『…あ…』
「おまえは…相手が患者なら何されても許すのか」
ルイの言葉に、タイキは目を潤ませた。
何も答えられないでいると、ルイはさっと起き上がった。
「もういい。風呂入ってくる」
ルイはタイキに背を向けて行ってしまった。
2人は一つのベッドで、背を向けて横になっていた。先程からギクシャクした空気が流れている。
「タイキ」『ルイ』
2人は同時に口を開いた。
『えっなに?』
「あ、いや…タイキからどうぞ」
『…あぁ、うん。』
『俺…おまえに早く病気治って欲しい』
「…うん」
『そのために、俺ができることなら、なるべく手伝いたい。』
「…ありがと」
『それに俺、おまえといると楽しい。治療が必要ない時でも、遊んだりとか、したいんだけど…』
「…そっか」
『おまえに触れるのも、おまえに触れられるのも…嫌じゃない。』
「…タイキ…」
ルイは向き直ってタイキをじっと見つめた。
「それ…俺のこと好きってこと?」
『…え?』
タイキは目を丸くした。
あまりにもまっすぐな問いかけに、何と答えればいいのかわからない。
『…好き、かどうかはわかんない』
「…うん」
ルイは急かさずタイキの言葉を待った。
『おまえのこと、もっと知りたい』
「…俺もだよ」
嬉しそうにルイは笑った。
「タイキの嬉しい顔も、困ってる顔も、全部見たい」
『うん』
ルイの大きな手がタイキの顔を包んだ。
「…これからもよろしくな」
『うん』
2人の間にあったぎこちなさは、いつの間にか消えていた。
背中合わせだった距離も、いつの間にか近くなっている。
「…タイキ」
『ん?』
「もう少しこっち来てもいい?」
『…うん』
タイキが少しだけ身体を寄せる。
信じられないほどに、ルイはすぐに眠りについた。その日悪夢は見なかった。
コメント
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るぃ狂さーん!第3話「キス」読んだよー!!😭💕💕 もうね、冒頭の指にキスからの舐め上げシーンでいきなり心臓持ってかれた…!タイキの戸惑いとルイの甘い誘惑のバランスがエモすぎる!! でも「病気のせい」って冷静になろうとするタイキの健気さと、それに拗ねちゃうルイのギャップがたまらんかった…最後の「もっと知りたい」の会話で2人の距離が縮まったの、すごく良かったです✨ るぃ狂さんの描く2人の空気感、めっちゃ好きです!続きが気になる〜!!🌸