次の日…待っていてもなかなか来ない零斗。
私は嫌な予感がして瞬時に病室の廊下を走っていた。
はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…っ。(やっぱり急に走ったら…きついな…っ…。)
「あら…璃羅ちゃん…どうしたの?そんなに息を切らして…」
ふと私は通りすがった看護師に声をかけられた。
「零斗は…?!」
私がそう聞くと,看護師の顔が曇った。
「あのね…零斗君は多分…今日は出て来れないわ…。」
……!
(そんな…。)
「…どうしても会いたいのなら…病室に行ってみる??403号室に居るわ…」
私は看護師さんにペコリとお礼をした後に
すぐにエレベーターへと走った。
(零斗…。大丈夫かな…。)
コンコンコン…
「はい。どうぞ。」
ガラガラガラガラ…
「あら…貴方は…。」
「こんにちわ…。いつもの時間になっても,零斗が来なかったので…心配になってきました…。」
そうなのね。と言い。母親は零斗の頭をそっと撫でた。
「零斗…璃羅ちゃんが来てくれたよ…。」
母親の問いかけに零斗は答えることは無く,無機質な機械音だけが響いていた。
「零斗…来たよ…お姉ちゃんだよ…。」
「…お姉…ちゃん…,」
…!!!
私が零斗に声を掛けると,弱々しい声ではあったけど,零斗が声を掛けてくれた。
「零斗…!良かった…。目が覚めたのね…っ…!そうだ!お医者さん…,お医者さんを呼びに行かなくちゃ…!」
バタバタバタバタ…
「お姉…ちゃん…ごめんね…。僕…約束の…時間に行けなくて…。」
申し訳無さそうに弱々しそうに答える零斗。
私はそんな零斗の手を握り答えた。
「そんな事ないよ!零斗は悪くない!お互いにこれからは行けたり行けなかったりするんだから。そーゆ時はお互い様でしょ?それに,また元気になったら一緒に森のベンチで話そうよ」
私がそう言うと零斗は
ありがとう…ごめんね…そう言って布団に包まり泣いた。
(零斗…頑張れ零斗…。)
私は自分の病院のベットに潜り,零斗にミサンガを編んでいた。
入院中暇だし,これと言ってやることも無かったので,購買でミサンガの糸とマスキングテープを買っていた。
「これで…よし。っと。」
ミサンガを編み終え,いつもの日課となっている日記を書いた。
「○月✕日
今日は零斗が倒れたと聞いて驚いた。心配だったけど意識を取り戻してくれた時はほっとした。どうにかして零斗に元気になって欲しい。だから私はミサンガを編んだ。明日はこのミサンガを零斗の病室に持っていくんだ。零斗喜んでくれるといいな。」
(さてと…そろそろ私も寝ようかな。おやすみなさい。)