目を覚ますと、パリパリと体から何かが剥がれる音がする。
そういえば、なんか石化したんだっけか…
「何か、体に異変はないかい?」
なんだか聞いたことのあるような声が頭上から降ってきた。
上を見れば、霊長類最強と言われる獅子王司が居た。
「…これまた有名人。」
「君も有名だろう。体に異変はないみたいだね」
そう。私も有名人。
日本一の美人として有名だった。
絶対私より美人は居るだろ。
だってほら、前を見れば金髪美人がこちらに走ってきている。
「司さん!柚希ちゃん起こしたんなら言ってくださいよ!?柚希ちゃんも女子なんですよ!!」
確かに。私今男を前にして全裸じゃん。
「柚希ちゃん、久しぶりですね!」
えっと…どちら様?
私のカスみたいな記憶を辿るがこんな美人は初めてだ。
「えーと…ごめん、私貴女みたいな綺麗な方との記憶なくて…」
ガーンと効果音が着くほど落ち込まれた。
服を用意してもらい、色々と説明してもらった。彼女の名前は南ちゃん。
どうやら、石化してから何千年と月日が経ち、一番最初に起きたのが千空という頭のキレる高校生。それから色々あって司を起こし、色々あって司の敵になり、色々あって司の手で私は起こされたらしい。
司に起こされたのは南ちゃんが1人目で、私が2人目だそうだ。
「柚希は知名度が高い。君が居れば、千空の仲間に入るという人は少ないだろう。」
はい。私が起こされた理由がわかりました。
知名度目的ね、司が居れば十分なんじゃないかな?
というか、私が千空の味方につきたいという考えは思い浮かばなかったのだろうか。
今の話を聞いていれば、私は千空派だ。
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柚希
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