テラーノベル
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「サンゴ!さっき常務に絡まれてたってほんと?」
その日の終業後。
カバンを持って立ち上がると、同じように帰り支度を済ませた蘭が、心配そうに駆け寄ってきた。
「ごめん!!全然気づけなくて!!」
蘭は頭を下げて、思いっきり手を合わせていた。
「ごめん、俺も電話取ってた途中、急に伊藤の声が響いてびっくりしてさ。それから、やばい、有村が常務に絡まれてたのかーって気づいて!!」
同期の八村も、蘭の横に並んで心配そうに、サンゴへ声をかけてきた。
「ほんとやさしいんだからー!全然大丈夫だったよ!二人とも気にかけてくれてありがとね」
二人はほっとした顔で胸に手を当てていた。そのまま、三人で一緒に駅まで帰ることにした。
蘭「常務って……自分がすごくイケオジだって自信あるみたいだけど、すんごい女の子たちに声かけまくってるって聞くと、正直、結構しんどいよね……」
サンゴ「まあ、普通に、人と仲良くしたいだけなんだろうけどね……私たちの気にしすぎかもしれないけどね……」
八村「まあ、だったら男にも声かけろって話よ……」
蘭サンゴ「ああ、なるほど……」
八村の説得力ある言葉に、サンゴと蘭は顔を見合わせた。すると、ふと、蘭が思い出し笑いをして声を上げた。
蘭「でも、リュウきゅんがすごい低い声で威嚇しててびっくりしたよー!!あの子がしっかり、サンゴ先輩のこと、守ってくれたんだね!!よかったよぉ」
八村「あいつ意外とやるよね〜!って、お前。リュウきゅんてなんだよ?!!」
蘭「うちらの中のあだ名」
八村「気持ち悪い奴ら……」
八村は呆れたようにため息をついて、蘭の方を睨みつけていた。威嚇し合う二人に挟まれていたサンゴは、蘭に応戦するために八村の方へ向いた。
サンゴ「だって超可愛いんだもん。キュルキュルなんだもん。リュウきゅんが超似合うんだもん!!」
思いっきりぶりっ子するサンゴの様子に、八村はドン引きしていた。
八村「……キュルキュルって……」
蘭「サンゴにとっては、なんか妹みたいなんだよね?」
サンゴ「そうなの!!妹ちゃんなの!!めっちゃギャルだしね!」
八村「なんだそれ?」
蘭「ほらね、なんかおもろい関係性なんだよ」
蘭の言葉に、八村は眉を顰めて頭を傾げた。
蘭「まあ、とりあえず、次は私が必ず助けられるようにするからね!」
八村「にしても、本当に気をつけなよ?」
サンゴ「ははは。ありがと」
次の日のランチ時間。
本当にイベント直前で、企画部の全員が最終確認や準備のため、お昼を外で食べる余裕が全くなかった。サンゴとリュウジも、一緒に会社の横のコンビニでお弁当を買って、デスクで食べることにした。
サンゴがよくあるパスタやお菓子類を買ったのを見て、リュウジは野菜とリゾットを買ってオフィスへ戻った。デスクまで戻って、綺麗に拭いた後、お弁当を広げると、リュウジは小さな声でしまった!と、つぶやいていた。
「なになに?どうしたの?」
「いやあ、これじゃあ、絶対足りないな〜って思って」
「ふふふ。リュウ君、超食べるもんね!食いしん坊だよね!!」
「もっと買って来ないとかな……」
残念がっているリュウジに、サンゴはそっとメロンパンを差し出した。
「何ですか?これ?」
「おやつの時間にリュウ君にあげようと思って一緒に買ってたんだー」
「ええ?いいんですか?」
「うん!昨日、常務から助けてくれたお礼だよ」
「え〜?こんなにたくさん!嬉しいです!ありがとうございます!」
「いやいや、メロンパン一個だよ?よく見てよ!」
「めっちゃ大きいもん!嬉しい!ありがと先輩!サン先輩からの初めてのプレゼントだぁ」
「プレゼントって……」
メロンパンを抱きしめる可愛いリュウジに、サンゴは思わず目を細める。
(なんてまぶしい!!何だか、肌の色が似てるせいか、メロンパン、絶対に似合うと思ったんだよねえ)
可愛らしい彼を見つめながら、サンゴもコンビニ弁当を食べ始めた。すると、リュウジは驚いたような顔で、何度も頷きながらスプーンを口に運んでいた。
「え!?これ、うまいやん!」
「そう?」
「コンビニのご飯って、めっちゃ美味しいんですね?テンション下がるとか、微妙みたいなこと言う人が周りに多かったけど……」
「食べ飽きてるとか、そう言うことかな?」
「ふーん、あんまり食べたことなくて、わからなかったです」
「そうなの?」
「うん!」
「あれ?実家暮らしだっけ?」
「一人暮らしですよ!」
「ふーん……?」
すごいスピードでお弁当を食べ終わった彼は、豆乳を飲みながらメロンパンを開けていた。
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「な!!!何これ!この破壊力!!!飛ぶ……!!!」
リュウジは手で口を押さえ、目を細めてメロンパンを掲げて眺めていた。あまりにもわざとらしい仕草に思わず笑ってしまう。
「サン先輩が買ってくれたからかな?」
「ははは!まさか!」
「え?こんなにめっちゃ美味いの?メロンパンってうますぎ!!!!ていうか、飛ぶってこういう感覚かあ!!!やばっ!!」
「ええ?何言ってんのよ。まるで初めて食べた人みたいに」
「うん。食べたことないですよ。どうしよう、あと1個くらい食べたい……!!!わあーーー。今度、棚買いしなきゃ……」
「ええ?」
リュウジが本当に嬉しそうに、ぱくついている姿を見て、サンゴは目を丸くしてしまう。
「どういうこと?食べたことないの?」
「うん!初めて食べた!!」
「日本に住んでるよね?」
「うん!入社する前は2年留学してましたけど、それ以外ずっと日本ですし……」
笑顔で返されて、その笑顔が眩しすぎてクラクラしちゃうサンゴ。
「そうなの?日本にいたのに食べてないって不思議すぎるけど……」
「そうですか?なんか、たまたま買わなかったのかな……でもほんと最高!!もうメロンパン滅すぎ!!!」
メロンパンを頬張って、笑顔が溢れる彼を見ていて、サンゴも幸せすぎて思いっきり甘やかしたい気持ちになる。
「いっぱい食べな?あたしが毎日買ったげるから!!」
「えー!!サン先輩いつもほんと神!」
目を細めてニコニコ顎を上げているリュウジを見ながら、サンゴはほっこりしていた。
(本当に、こんな子いるのね?不思議すぎるし、可愛すぎる!!この子をどうやって保護すれば……幸せすぎて死にそう)
と、サンゴはリュウジをやっぱり可愛い可愛い妹として、メロンパンを捧げるようになるのだった。
コメント
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みぃだよ🥀 第3話、ほっこりした〜! 常務の話はちょっとヒヤヒヤしたけど、リュウくんがサンゴ先輩を守ったシーン、かっこよかったな。そしてメロンパン初めてって衝撃!「飛ぶ」って表現、めっちゃ可愛くて笑っちゃった☺️ サンゴ先輩の「毎日買ったげる」ってセリフも優しさに溢れてるし、リュウくんに対する保護欲、わかる〜! この2人の関係性、もっと見たいです🌙