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ミリス
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第29話「好きな人、いる?」
7月18日(土曜日)
夜空中央駅で「またね」と別れてから、しばらくして。
陽葵は自宅に着いた。
玄関を開けると、今日一日の疲れが少しだけ押し寄せてくる。
でも、不思議と心は軽かった。
スマホを見ると、ちょうど塁からLINEが届いていた。
塁「無事帰った?」
陽葵「うん!今帰ってきたよ😊」
塁「よかった。俺も今着いた」
陽葵「今日は本当に楽しかったね〜!」
塁「うん。映画もパンケーキもよかったけど……」
陽葵「けど?」
塁「陽葵と一緒に過ごせたのが一番よかった」
陽葵は画面を見つめたまま、思わず笑ってしまう。
陽葵「……もう、そういうこと言うのずるい😂」
塁「本当のことだから笑」
今日一日の出来事を、二人はLINEでゆっくり振り返った。
駅で初めて顔を合わせたこと。
映画館で隣に座ったこと。
パンケーキを食べながらたくさん話したこと。
そして、帰り道に撮った二人の写真。
陽葵「写真見返してたら、また今日に戻りたくなってきた🥹」
塁「俺も。時間経つの早すぎたよな」
陽葵「うん……もっと一緒にいたかった」
送信したあと、陽葵は少し恥ずかしくなった。
すると、すぐに返信が来る。
塁「……俺も同じこと思ってた」
その言葉に、陽葵の胸がまた少しだけドキドキする。
しばらく二人で今日の思い出を話していた。
そんな中――
塁は、スマホを見つめながら少し迷った。
聞いてみたい。
でも、聞くのが少し怖い。
それでも、気になって仕方がなかった。
そして、意を決して文字を打つ。
塁「陽葵ってさ……」
陽葵「ん?」
塁「好きな人、いる?」
陽葵の指が止まった。
「好きな人」という言葉が、頭の中で何度も繰り返される。
そして――
陽葵は、画面を見つめたまま、しばらく返信できなかった。
コメント
1件
第29話、読み終えました…! デートのあとのLINEのやりとり、すごく甘くて胸がきゅっとなりました。陽葵の「もっと一緒にいたかった」に塁が「俺も同じこと思ってた」って返すところ、もう完全に両想いじゃないですか…! でも最後の「好きな人、いる?」で止まる指、すごくもどかしくて続きが気になりすぎます。このドキドキ、すごく好きです。