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第30話「気になる人」
7月18日(土曜日)
塁から届いた、
「好きな人、いる?」
というLINE。
陽葵はスマホの画面を見つめながら、どう答えようか迷っていた。
しばらくして、ゆっくりと文字を打つ。
陽葵「うーん……今は好きな人はいないかな」
送信。
すると、すぐに塁から返信が来た。
塁「そっか」
短い返事。
陽葵は少しだけ気になった。
そして今度は、自分から聞いてみる。
陽葵「逆に、塁くんは?」
送ったあと、なぜか少し緊張する。
数秒後――
塁「俺?」
陽葵「うん笑」
しばらく既読がついたまま、返信が来ない。
陽葵はスマホを握ったまま待っていた。
そして――
塁「好きな人はいないけど……」
陽葵「けど?」
塁「気になる人はいるかな」
陽葵の指が止まった。
「気になる人」という言葉が、頭の中に残る。
陽葵「へぇ〜!誰?😊」
少し冗談っぽく聞いてみる。
塁「それは秘密笑」
陽葵「え〜、気になる😂」
塁「陽葵は?」
陽葵「私?」
塁「うん。気になる人とかいる?」
陽葵は画面を見つめた。
今日、一緒に過ごした時間。
隣で笑っていた塁。
駅で「またね」と言った瞬間。
そして、帰った今もこうしてLINEをしている。
胸の奥が、少しだけ騒がしくなる。
陽葵「……どうだろう笑」
塁「怪しいな笑」
陽葵「塁くんこそ怪しいじゃん😂」
二人はそれ以上、聞かなかった。
でも――
「気になる人がいる」
その言葉だけが、お互いの心に残っていた。
もしかしたら、その人は――
自分なのかもしれない。
そんな期待を、二人ともまだ口にはできなかった。
コメント
1件
わあ、この「気になる人」のやりとり、めちゃくちゃ青春だなあ……! お互いに踏み込めなくて、でも「もしかしたら自分かも」って思ってる感じが、読んでるこっちまでドキドキします。LINEのテンポも自然で、二人の距離感がこんなにじわじわ縮まってるの、設定の積み方もうまいなと。次、どう転ぶんだろう。