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ステータスは極振りで決まり!

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ステータスは極振りで決まり!

6 - 一章 ミサ、改めミーシャ大地に立つ

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2025年05月02日

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強かったクマさんを倒して寝たのは次の日の朝一時過ぎ…。次の日が土曜日じゃなければ私は詰んでいただろうな。ちなみに今日の起床時間は午後二時過ぎである。休日を無駄にしてる感は否めないがあのクマさん退治が結構長引いたのがいけない。で、目が覚めて時間確認にスマホを確認したらミサから数件連絡が来てて慌てて内容を見て返信した。その内容言うのがようやく彼女もできるようになったから今度こそ一緒にやろうという話だ。で、先にプレイしてる私にキャリー(簡単に言えば手伝ってくれということ)して欲しいということで早い時間にやろうという話になりやる時間は午後三時からで一旦ご飯休憩を挟んだあとまたやろうということになっていた。

もちろん私もこのゲームにどハマりしてるので異論はなく二つ返事で返して一旦お昼を食べて今に至る。先に私はログインして噴水前で自分のスキルを確認して待っていると行き交う人にチラチラ見られることがあった。まぁ、金髪縦ロールで名前がプリンセスなら見られて仕方ないだろうなと思ってたので特に気にせずミサが来るのを待つ。

そして約束の時間になりウィンドウを閉じて噴水前を見てると見たことある顔がやってきて彼女に向かい手を振り合図してみる。するとこちらに気づいたのか手を振り返そうとしたあと笑いをこらえるような顔をして何とか抑えたと思ったら溜息をつきヤレヤレと言わんばかりにゆっくりこちらに向かい歩いてきた。

「はぁ……あんたちょっとこっち来なさい。」

「ふぇ?」

そういい彼女に連れられてきたのはいつも使ってる宿屋のとある一室。

「あんたなんでそんな名前と見た目にしたのよ!」

「名前がどうしても思いつかなくて本名文字った結果こうなった」

「どうしたらプリンセスなんてセンスのない名前になるのよ!?それにその金髪縦ロールもどういうことよ!?」

「可愛いでしょ?」

「ふざけた名前に見た目だから公衆の面前で腹抱えて笑い転げるところだったでしょうが!」

「インパクトって大事だと思って!」

「インパクト強すぎな?ばあちゃんだったら入れ歯が飛んでるレベルだよ… 」

「表現が昭和だねぇ?」

「うっさい!てか、アンタがまさかネットで噂の プリンちゃんなわけないわよね?」

「なにそれ?」

「スライムと踊ってたり初狩りで有名なクマを素手で倒したりした型破りな初心者よ」

「スライムと踊っては無いけどたしかに数体のスライムの攻撃を避けて遊んでたし、昨日ちょうどおっきいクマさん倒したね!」

「……アンタねぇ」

「はい? 」

「今アンタの話題でネットは大盛り上がりなの知らないのね?」

「私の話題?」

その後ミサから詳しく聞いたところ、最初は変わった見た目の初心者がやってきてた、くらいの規模感だったが先日あのクマを倒したところを何者かに撮られてネットで拡散された結果とんでもなくバズっており、一部では物騒な二つ名『破滅を呼ぶ戦姫プリンちゃん』なんて呼ばれてるらしい。プリンセスだからプリンちゃんとか、名前っぽいしプリンちゃんって名乗ることにしようかな。

まぁ、とにかくそういった事で私は今ネットの玩具にされてるというわけだ。特に玩具にされてるのがクマさんと戦ってる時楽しくて笑いながら殴ってるところを動画に収められて殴られてるクマさんを別の何かにして遊ぶのが流行ってるとか…。元カレとか元カノの名前を貼っつけて殴らせてる動画もあるらしく汎用性ある素材をどうやら意図せず提供したみたい。だから今日やけに見られてたのか…。なるほど納得したわ。

「私あんたの隣歩きたくないんだけど…」

「まさかネタとして取り上げられるなんて思わないじゃん?こっちは楽しみつつ必死に戦ってたんだからさ」

「まぁいいや…。それで?アンタなんの職業にして何を上げてるの?」

「職業は剣士で最初から数値が高かった物理攻撃力と素早さに全部振ってるよ。」

「極振りプレイしてんのかよ!?」

「数値が最初から高いならおすすめってことだと思ってね」

「あのなぁ……いや、もうツッコむのも疲れたからいいや。」

「それでミサは何にしたの?」

「ここでは私はミサじゃなくて『ミーシャ』て呼んでね?」

「ミーシャ……ミシャ………ミサ……。ハッ!?」

「まだ私の方がマシな名前の付け方でしょ?」

「私もそういう風につければ良かったなぁ」

「で、私は魔法使いを選択してMPと魔法攻撃力にぶっぱしてるわよ。」

「ミーシャも私と同じ極振り型じゃん!」

「火力極振りはロマン砲だから仕方ないんだよなぁ」

「でも、役割的にはちょうどいい感じだね?前衛で暴れられる私と後ろから高火力援護できるミーシャで!」

「まぁ、そう言われればそうね。」

「それでこの後どうする?」

「とりあえず私ら今装備が貧弱だから新調しようか」

「それなら私行きたいところがあるんだ!」

「行きたいところ?なんか目当ての武器が売ってる店でもあんのか?」

「それは行ってからのお楽しみってことで!」


その後ミーシャを連れて訪れたのは街の外れにあるプレイヤーが経営するとある鍛治工房。ウキウキで扉を開けるとそこには店員と思わしきお姉さんの他にプリンに狩場を教えてくれたお兄さんが話しているところだった。

「あれ?あなたはいつの日かのお兄さん?」

「おぉ!君は例のクマを素手で倒したと噂のプリンちゃんか!」

「本当はプリンセスっていう名前なんですけどその方が可愛いので今後もプリンちゃんって呼んでもらっていいですよ♪」

「この娘がアンタの話してたちょっと危うい感じの初心者ちゃん?」

「お姉さんは?」

「あぁごめんなさい、私はこの工房兼お店を経営してる『アルナ』ていうの。」

「こんにちはアルナさん!」

「お隣の子は?」

「どうもはじめまして、プリンの友達のミーシャって言います。今日ようやくログイン出来た初心者です。」

「二人とも初心者なのか!」

「私は予め情報を集めてたので完全な初心者って訳じゃないですけどプリンはそうですね。」

「それでここに来たってことは武器か防具が欲しいのね?」

「どうせなら市販のものよりも作ってもらった方が長持ちするから結果的に節約になるかなぁて」

「それは賢い選択ね?でも、オーダーメイドの武器や防具は使う素材によってはかなり高くつくわよ?それこそそこに立ってる男の防具とかウン万とかしてるからね。」

「お兄さんの防具も特注なんですね!」

「ま、まぁそれでも何とか値切ってこれなんだけどな」

「そう言えばお二人ってどういう関係なんですか?なんか口調的にネットで始めましてって感じゃないんで気になったんですけど…」

「リアルでも繋がりがある友人だな。」

「互いに趣味がゲームってこともあって今も続いてる腐れ縁よ♪」

「そう言えば俺の名前も言ってなかったな、俺は『マキト』って名前だな、今後も縁があるかもしれないからよろしくな」

「マキトさんの名前ってこれ本名ですか?」

「そんなわけないだろぉ?本名はぜーんぜん別の名前だけどこういう在り来りな名前なら違和感も無いかなって思って付けたんだ。」

「なるほどぉ…。私もそうすればよかった」

「プリンセスって名前を見た時は私も腹抱えて笑うかと思ったよ」

「お友達にそれ言われちゃおしまいねぇ?」

「むぐぐ……。」

「と、雑談に華咲かせちゃったけど本来の目的である武具の相談だけど受けてくれることには受けてくれるんですか?」

「えぇもちろん。ただしお金はちょっとかかるし素材も自分達で調達してもらう形になるわ。とは言っても私の手待ちで何とかなるなら何とかするけどね?」

「それじゃあ一応私の要望としては顔も隠せるくらいの耐久性と魔法耐性があるローブと詠唱時間短縮効果のある杖の作成かな?」

「それだとそうねぇ…杖の方はまだ厳しいけどローブならとあるクモさんを倒してくれると手に入る糸で丈夫なものは作れるわね。ただ、その糸はちょうど切らしてるから取ってきてもらうことになるけどいい?」

「OK!場所さえ教えてくれれば取りに行ってくるよ!」

「場所は東門の先の洞窟ね。難易度で言えばお友達が倒したクマさんより弱いからなんとかなると思うわよ?」

「それじゃあ私も一つ依頼したい!」

「えぇ、聞かせてちょうだい?」

「私は一旦武器だけで良くて今はとにかく軽くて丈夫な剣が欲しいかな?」

「となるとミスリルを使った剣が無難ね。これは在庫があるから作れるけどちょっと時間が必要かな?」

「じゃあ出来上がるまでミーシャのクモさん退治してくる!」

「そうね、それで時間潰してもらえればいいわ。出来上がったら連絡入れるから二人ともフレンドになりましょうか」

「おっそれなら俺ともフレンド交換しようぜ!FDの歴なら俺の方が長いからなんか困ったことがあれば相談してくれていいからな!」

「お二人共にありがとうございます!」

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