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ステータスは極振りで決まり!

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ステータスは極振りで決まり!

7 - 一章 拳士じゃなくて剣士プリンの実力

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2025年05月02日

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アルナさんのお店を後にして教えてもらった洞窟までミーシャと歩いて向かう。その道中モンスターがでてきたが私のデコピンで大半は瀕死になりラストアタックをミーシャに譲って経験値を分け与えながらサクサク進んでいく。

「あんた本当に剣士なのよね?」

「私のステータス見たならわかるでしょ?職業ジョブの欄にちゃんと剣士って書いてたんだから。」

「それにしては剣を使わなすぎるけど?」

「今は素手の方が強くなってるからね。もちろんこの先のクモさん退治は剣使うよ?クモなんて触りたくないし」

「かなりデフォルメされてるモンスターでもクモはアウトか。」

「虫全般ダメなんだから当たり前でしょ?」

「ちなみに剣を使うにあたってなんかスキルは手に入れたの?」

「攻撃スキルのつむじ風って言うのだけかな。補助スキルの【回避】とか【脚力】とかみたいなスキルは今のところないんだよね」

「スキルの発現は特定の行動とかに起因するんだから、それこそ剣をちゃんと使ってれば色々手に入るんじゃない?」

「だよねぇ…。初期装備の石の剣じゃ心許なくてあんまり使いたくなかったんだけどやっぱりそうするしかないよねぇ。」

「それじゃあこれから先は弱くてもその剣を使う事ね。」

「まぁ、元々私剣士だしそうするけど……。」

(ならなんで拳であのクマを倒したのかとかは問い詰めない方がいいかな。)


道なりに進んでいくとアルナに教えてもらった例の洞窟が見えてきたがどうやら入口がなにか騒がしく人集りが出来ていて中に入ることが難しいそうだった。

「何事これ?」

「私に聞かれても知らないわよ。」

「とりあえず話でも聞いてみようか。頼んだミーシャ!」

「私が聞くのかよ…。」

「すいませーん。この人集りってなんですかァ?」

適当に後ろの方にいた安物装備で固めてる男の人に声をかける。

「なにって…今この洞窟はポイズンスパイダーが大量発生してて初心者の奴らがひよって詰まってるんだよ。」

「ポイズンスパイダーの大量発生なんてイベントありましたっけ?」

「なんだそんなことも知らねぇのか?てか、見たところあんたらも始めたばっかりか。なら少し教えてやるよ。

大量発生ってのは定期的に発生するゲーム内のイベントで武具を作るためのモンスター素材が枯渇することを先読みした運営の救済措置なんだが、そのイベント発生場所はランダムで今回みたいに初心者がよく使うダンジョンでも発生するちょっと困りもんの要素だな。」

「へぇ、そんな要素があるんですね。それで?ここにいる方はみんな初心者ってところですかね?」

「まぁ、そうだな。俺も偉いこと言ったがこの人集りの中じゃ強い部類ってだけの初心者だしな。」

「ここにこだわる理由って?」

「さっき言った大量発生なんだが、これの旨味はアイテムドロップ率が高く設定されてるから武具の他にも俺ら初心者からすれば売れば結構な金になり資金問題が解決するんだよ。」

「なるほどそういう事ですか。だからみんなここでモジモジしてるんですね。」

「行きたくてもみんな死にたくはねぇからな。なんせやられれば手持ちの金を少しロストするし装備も無駄に傷ついて終わるだけになるかもしれないからな。」

「色々教えていただきありがとうございます。」

「おう、お前らも挑むなら覚悟していくといいぞ。俺はもう少し様子みてから行くからな。」

一度その人集りから離れてプリンと作戦会議を始める。

「どうやら金集めとか素材集めの初心者が集まってるが、沸いた敵が恐らく強くてみんなひよってるみたいだね。」

「私らが用あるクモさんってそのポイズンスパイダーかな?」

「恐らくそうだろうな。この洞窟でクモと言ったらそいつしかいないしな。」

「じゃあ私らも用あるし行くべきでしょ?」

「そうしたいが、ここでモジモジしてるヤツらはそういう最初に行くやつを待ってるんだよ。」

「ドユコト?」

「要は楽して素材集めをしようって訳よ。後ろからハイエナしていけば苦労せずおこぼれが貰えるだろ?」

「ついてくる人たちはローリスクハイリターンになるかもしれないってことだね。」

「だから入口でモジモジしてるんだろうが…。」

「そんなの私らが全部一撃か二撃で倒せばおしまいの話じゃないの?」

「ま、そういう脳筋の考え方もあるわな。」

「だった私ら火力極振りの二人組よ?余裕でしょ♪」

「殴るのは極力控えてね?」

「危なくなったら使うくらいでいい?」

「はぁ…まぁ、倒れられるよりはマシだから……。」

「それじゃあ元気よく行きましょう!」

結局作戦らしい作戦はなく、向かい来る敵を一撃で沈めるという脳筋戦法に着地し二人は再び人集りの方に歩いていきその人ごみをかき分けて洞窟の入り口の前に立つ。

「じゃあ元気よく行ってみよう!」

「相手はあんたの苦手とするクモなんだけどね…。」

「お、おい!ちょっと待てお前ら!!」

「はい?」

「お前らの他にもここに入りたいやつがいるんだ!順番は守ってもらわないと…。」

「なら、あんたが入ればいいじゃん。」

「い、いやそれは……。」

「ビビってここで立ち止まってる時間は勿体ないから早く撤退して別の狩場に行くのをオススメするよ?私らは特に失うものもないし普通にあのクモに用があるから誰も行かないヘタレ達待ってないで先行かせてもらうからね。」

「なっ!?」

「悔しいと思うなら最初から入ればよかったのにね。それじゃあ私たち先いくから。」

入口で留まっていた数人のパーティーから声をかけられたが冷たい言葉を投げかけミーシャは中に入っていく。その様子を見て他の方に軽くお辞儀をしたあとミーシャの後ろを追いかけていくプリン。その姿を見てほかの冒険者たちは唖然とし、コソコソ話しを始める

「な、なんなんだあの二人組は………。」

「二人ともまだ初期装備じゃないか?」

「それなのにポイズンスパイダーに挑むなんてあまりにも無謀だと思うわ…。」

「いや、そうとは限らないかもな。」

「え?それってどういうこと?」

「お辞儀してくれた彼女の姿聞いたことないか?」

「金髪縦ロールの女の子……あっ!?」

「まぁ、無事に帰ってきたらそういうことだろうな。」

「ま、まだ分かんないってそんなの……。」


全く面識のない人達に思いっきり啖呵切ってしまった…。いや、啖呵切ったのは私じゃなくてミーシャなんだけど、隣にいた私もまぁその仲間ってことでイメージが悪くなるよね…。確かに入口で溜まってて少し邪魔だなぁとは思ったけどあそこまで真正面からぶった切るとは誰も思わないって……。ミーシャの性格的に言うかもしれないとは私は思ったけどもね?けど、さすがに自重するとも思ったんだけど私の予想はことごとく外れるなぁ…

「なーに考え込んでんの?」

「い、いやさっきのアレよ…。」

「あんなふうにモジモジしてて邪魔なのよ。私たちはやる事あるんだから、そっち優先するに決まってるでしょ?それに、やられるのが怖くて留まってるなんてこの手のゲーム向いてないわよ。」

「要は何回もやられて覚えろって話?」

「そういうこと。従来のゲームと違ってコントローラーやキーボードみたいなお手軽操作じゃなくて、実際に五感を働かせてやるゲームなんだよ?習うより慣れろって言葉はこのゲームのためにあるみたいなもんよ。」

「それはあるかもなぁ。私も最初はこのゲームのシステム知るためにスライムの攻撃を避けたりバク転とかバク宙とか練習したもん。」

「あんた私がやれてなかった期間そんな変なことしてたのね?」

「でもそのおかげで酔いに対する耐性がついたし、私のイメージするカッコイイ剣士に近近づいてるからいいの!」

「……なら、早速そのかっこいい動きとヤラ見せてもらおうかな?」

洞窟の奥から現れたのは人とサイズ感の変わらないかなりデフォルメされた巨大クモ。目的であるポイズンスパイダーが現れた。

「初めて戦う相手だけどいいよ?私がどれだけ強くなったか見せてあげるミーシャ!」

剣を抜き一気に駆け抜ける。向かい来るプリンに対してポイズンスパイダーは粘着性のある糸を四方八方に張り巡らせ絡め取ろうとするが、全て華麗にかわされた挙句糸も容易く切られてしまい接近を許してしまった。それがそのクモの最大の失敗であり、近付いたプリンはまず【つむじ風】を発動し小さな風の渦を複数作りそれを展開することで行動を制限し、そのうちの一つの風を使い空中に舞いあがる。そして剣を横に構えて何かを溜める仕草を始めると徐々に刀身が光を纏い、遂にはその光が青白く輝きを放つようになる。空中にいるプリンは身動きが取れないとふんだポイズンスパイダーは前足で彼女を貫こうとするが彼女の間合いに入った瞬間空中で大回転をし、先程まで溜めていた力を解放するように襲い来る蜘蛛の前足を容易く切り落とすだけでなくそのから発生した真空刃によってポイズンスパイダーの頭も落とし見事一人で撃退すること成功した。

「どお?これが剣士としてのプリンことプリンセスの実力よ!」

「お、おぉ……。」

(思ってた数倍化け物みたいな身体能力手に入れたんだなユウナ…。この世界で体の使い方私もこっそり研究しようかな。)

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