自己紹介は雑談の「新しい小説」で見てもらえらば
体調不良
歩真《あゆま》栄斗
「……うわ、歩真、顔真っ赤じゃん。もしかして風邪?」
ソファにうずくまる歩真に、栄斗は顔を覗き込みながら声をかけた。その目はまんまるで、どこか楽しげで──ちょっと呆れているようにも見える。
「そうだよ。……めっちゃダルい」
「えー、でも熱測った? 測らなきゃダメでしょ、そういうのって」
「そうだけどさ……」
いつもは口は悪いけど、その声にはいつもの棘はない。むしろ、どこか弱々しくて、栄斗は内心ちょっとだけ焦った。
「任せて!俺、こう見えて看病とか得意なんだから!」
そう宣言して、栄斗は意気揚々とキッチンへ向かった。が──
「……ねぇ。なんで冷蔵庫にプリンしかないんだよ」
「いや、ほら、歩真好きでしょ? プリン」
「それだけで乗り切れるかアホ……」
「しょ、しょうがないじゃん! コンビニ行ってくるから! ゼリーとか買ってくる!」
「はいはい、行ってらっしゃい」
歩真はかすかに笑った。栄斗のポンコツなところは、ある意味安心できる。調子乗りで、すぐ舞い上がって、でも根っこはちゃんと優しい。
「じゃあ……栄斗が帰ってくるまで寝ててやるよ」
「……うん。すぐ戻るから、ちゃんと布団入ってなよ」
玄関のドアが閉まったあと、歩真は小さく咳をして、ふと天井を見上げた。
そして、栄斗が袋いっぱいのレトルトと、なぜか追加でプリンを抱えて戻ってくるまで、歩真は久々に静かに眠れた。
「おい、起きれるか」
「うん?帰ってきたの?」
「そうだよ、ちゃんと食えるもの買ってきたから」
「ありがとう、今食べる」
「はい、アーン」
「アーン」
口をモグモグとさせ、美味しいと栄斗に伝えた
それで、栄斗はニパと笑顔を見せた
「ありがとうね、栄斗。元気になったわ」
「それはどうもどうも 」
「いやあ、あんなに完璧なえ初めてみたね」
皮肉に、彼のことを褒めたたえた
栄斗は「そうでしょ」と満悦な笑みをこぼした
やっぱりコイツはアホだ
コメント
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まさかのオチw