💙「……思い出した……」
俺はずっと亮平に恋をしていた、叶わない恋を。気持ちを言えないまま閉ざしてしまった気持ち。
一部にすぎない記憶だが、少しずつ鮮明になっていく。
💙「……亮平に、会いに行かなきゃ」
夜の11時だったけど、起きているだろう。
俺は亮平に連絡を入れた。
💙『今、少し時間ある?』
すぐに返事がくる。
💚『あるよ。どうしたの?』
💙『会って話したいことある』
待ち合わせ場所を決め、俺はすぐに家を出た。
駅の近くの公園。
亮平は先に着いていたようだった。
💚「翔太 」
俺を見つけ亮平は優しく微笑んだ。
💙「ごめん、こんな遅くに…」
💚「いいよ、話ってなに?」
俺は深呼吸をして、目を合わせる。
💙「今日、アルバムを見返して……ちょっとだけ、思い出した」
💚「…!」
亮平の表情が固まる。
💙「俺たち、約束したよな?また会おうって」
💚「うん、思い出してくれたんだ…」
亮平の声が少し震えている。
💙「全部じゃない。でも、なんとなく、頭に残ってて」
俺は自分の胸を押さえた。
💙「どうしても、ちゃんと思い出したかった。だから、あ…亮平に会いたくて」
亮平はふっと笑った。
💚「そっか。思い出してくれてありがとう」
その笑顔がどこか切なく見えた。
💚「俺……翔太がいなくなってからも、ずっと待ってた」
💙「……え?」
💚「翔太がいない間も、ずっと、考えてた」
亮平の目に涙が見え、その真剣な目に息が詰まる。
💚「俺は、翔太が好きだった。あれからもずっと…」
鼓動が跳ねる。
💙「俺も、俺も好きだった」
💚「…え?」
💙「多分、中学の時からだと思う。叶わないって思って隠してた」
なぜか俺の目にも涙が浮かんだ。
阿部は少し驚いた顔をしてから、笑った。
💚「もう俺のこと忘れないで…」
💙「…うん」
亮平がそっと手を伸ばし、俺の手を握る。
💚「もう離れないでね?」
その言葉に、胸がじんと熱くなる。
💙「うん、もう離れない」
月明かりの下、二人の影が、そっと重なり合った。
──長い時間をかけて遠回りしたけど、ようやく俺たちは、また並んで歩き出せる。
これからは、もう二度と離れたりしない。
[完]
コメント
5件
うん!友情とかも忘れないで、離さないでね!
このコンビも珍しいから書く人どんどん増えてほしい〜
思い出してくれて、くっついて良かった💚💙