「〝亜空間(ホワイトホール)〟」
ヴァイオレッタがそう呟くと、空中に空気のたまった巨大な水泡の塊がぽよぽよと浮かび上がってきた。
「これは…」
パンッ!!!
「!??」
目の前でそれが弾けたかと思うと、まるで手品のようにカグヤも消えてしまった。
「!!?お前、カグヤに何しー「だあああ!!!!??????」
と、同時に、俺の頭上からも何かが弾けて誰かが落ちてきた。カグヤじゃない。生暖かい感触…
「んっんぐうううう!!??」
これは女の子の………パンツ!?
「いっ…たぁ………」
ぼやけた視界が広がると、すごくえっちい黒い紐みたいな下着をつけた、それはそれは容姿が整った娘っ子が俺の顔面に落ちてきているのが確認できた。
なんでだよ!
「はっ!?すっすみませんあなたは誰ですか!?」
「…名乗る前に名乗れよ…ってか、どけろよ。」
「あああっ、すいません…!わたくしはヴァイオレッタというものです…」
いそいそとヴァイオレッタは俺から降りる。
よく見ると、腰まである赤髪や、豊満な胸とお尻にヴァルヴレッドを幼くしたような顔立ち。
もう誰が見てもコイツの娘だとわかる容姿端麗な佇まい。ヴァルヴレッドはカグヤのことを地味だとかなんだと言っているが、カグヤも相当美人なほうでメイドの中ではずば抜けてる。
こいつらが異次元の美しさなだけな気がする。
「俺はリユージ。」
「……りゆー…ジ さま…?」
「「…………」」
これがカグヤであったら正直俺は生きて無いと思うが、全く恥ずかしさは感じてなさそうだ…。
それどころか周りの状況を見渡すやいな、わなわなと震え出し挙動不審でいったりきたり、滝のように汗を流している。
「おおおおお母様ひどいれす!こう言う時は地面にゆっくり下ろしてくださいまし!!!」
「ごめんごめんご〜☆ホワイトホールの解除って意外と難しいのよ〜。」
ホワイトホール、さっきのアビリティか。娘に使うってことは、カグヤは無事な可能性は高そうだ。
「わたくしを閉じ込めないでくださいませ…外の音が何も聞こえないし、お母様に忘れられてしまったままなんじゃないかって…わたくしすっごい怖かったです。」
「んもーーおおげさぁ〜。大事な大事な10兄弟の長女を忘れないわよぉ?」
「そんなに子供いるんかい…。」
「今一緒に住んでるのはね、ヴァイオレッタ含む三兄弟だけよ〜☆」
「お母様、ここは一体どこなのですか…?ヒューマノイドの土地ではないですか…わたくしイヤです。」
「まーま、ヴァイオレッタ。今日は大事な要件があってねー。」
「え…、なんですの。」
身構えて、すごくマズそうな顔をするヴァイオレッタという少女。
「こほん。さて、リユージくんや。我娘と契約をしてほしい。」
「契約?」
「お母様!?そ、それって…」
なんだか俺も、すごくイヤな予感がしてきたのだった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!