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漆黒のバタフライエフェクト
表の顔は、とある会員制の高級バー。しかしその地下には、裏社会でその名を知らない者はいない暗殺組織『Snow Man』の拠点がある。
「あー、腹減った。ねぇ館さん、今日の晩ご飯なに?」
ソファに寝転がりながら、最年少のラウール(コードネーム:フェザー)が声を上げた。190cmを超える長い手足を器用に折り曲げているが、ひとたび現場に出れば、その圧倒的なリーチと予測不能な体術で、ターゲットを音もなく絞殺する若き天才だ。
「今日はハンバーグだよ。……仕事が終わってからね」
厨房で包丁を美しく研いでいるのは、宮舘涼太(コードネーム:ノーブル)。組織の調達屋であり、拷問・暗殺のスペシャリスト。彼の手にかかれば、キッチンの包丁さえも一瞬で必殺の凶器へと変わる。気高く、美しくターゲットを屠るのが彼の美学だ。
「ラウール、仕事前に食うと動けなくなるぞ」
パソコンの画面を高速で叩きながら、阿部亮平(コードネーム:ブレイン)がメガネの奥の目を光らせた。上級システムエンジニアにして、国家機密さえも数分でハッキングする天才ハッカー。彼が構築した防犯カメラの死角を通って、メンバーは標的に近づく。
「阿部ちゃん、次の標的のデータ送って。俺、もういつでもいけるわ」
隣で銃のメンテナンスをしていたのは、渡辺翔太(コードネーム:シアン)。組織随一のスナイパー。偏食で普段は引きこもりがちだが、スコープを覗くその瞳は冷酷そのもの。1キロ先の標的の脳天を正確に撃ち抜く美しき狙撃手。
「翔太、焦んなって。ほら、プロテイン飲む?」
筋トレをしながら声をかけたのは、リーダーの岩本照(コードネーム:エース)。圧倒的な肉体美と戦闘力を持つ、前線突撃隊長。素手での格闘術において彼の右に出る者はいない。標的の骨を素手で粉砕する姿から「死神」と恐れられているが、重度の甘党である。
「照にぃ、プロテインばっか飲んどったら体に悪いでおい。ほら、これ食べて!」
向井康二(コードネーム:ファイン)が、自作のたこ焼きを差し出す。彼の役割は情報収集と変装。どんな場所にも一般人として潜り込み、ターゲットの盗撮・盗聴を行う。そして、いざとなればカメラに仕込んだ隠し銃で至近距離から仕留める。
「康二、それ俺にもちょうだい」
気配もなく向井の背後に現れたのは、目黒蓮(コードネーム:シャドウ)。岩本と共に前線に立つ、ステルス暗殺の達人。長身でありながら、文字通り「影」のように敵の懐に入り込み、ナイフ一本で静かに頸動脈を掻き切る。普段のマイペースさからは想像もつかない冷徹さを持つ。
「はいはい、みんな一回集まってー。作戦会議始めるよ」
楽屋……ではなく、作戦会議室の椅子を叩いたのは、最年長の深澤辰哉(コードネーム:ジョーカー)。この一癖も二癖もある組織をまとめる司令塔。普段はメンバーにいじられる最年長だが、裏社会の権力者との交渉や、事後処理(死体や証拠の隠滅)を完璧にこなす、組織の「裏の顔」だ。
「待ってふっか! 俺の分のたこ焼きは!?」
ピンク髪を振り乱して部屋に飛び込んできたのは、佐久間大介(コードネーム:ブラスト)。爆発物と近接刃物の狂気的なスペシャリスト。一見ただのアニオタだが、戦闘モードに入ると高笑いを上げながら、人間離れしたアクロバティックな動きで敵陣を壊滅させる、組織で最も危険な男。
「佐久間の分はラウールが食った。諦めろ」
深澤が冷たくあしらうと、「えええ!? ラウールお前ーー!」と佐久間が騒ぎ出す。いつもの騒がしい、家族のような光景。
しかし、阿部が画面をタップし、大画面に一枚の男の顔写真が映し出された瞬間、楽屋の空気が一変した。
全員の瞳から光が消え、冷徹な「人殺し」の目へと変わる。
「今回のターゲット。政界の裏で人身売買を行っている大物。場所は今夜22時、都内の高級ホテルで行われる秘密のパーティー。警備は私設兵が30人」
阿部が淡々と説明する。
岩本が立ち上がり、首の骨をゴキリと鳴らした。
「よし。じゃあ、いつも通りいこうか。康二と佐久間は変装して潜入。阿部はセキュリティの乗っ取り。館さんとラウは逃走経路の確保。翔太は向かいのビルから狙撃の準備。めめ、俺たちの仕事だ」
「了解」
目黒が短刀をジャケットの内側に忍ばせ、冷たく微笑む。
「みんな、怪我だけはすんなよ。帰ってきたら美味いハンバーグが待ってっから」
深澤が煙草に火をつけながら、優しく、けれど重みのある声で言った。
「「「了解」」」
9人の足音が、静まり返った地下室に響く。
今夜も、東京の夜が『白』に染まる。彼らの通った後には、一滴の血と、一片の雪しか残らない。
コメント
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わあ、明星宵さん、第1話読みましたよ! まず「Snow Man」って暗殺組織、もう最高にかっこいいです…! 9人それぞれのコードネームや役割が細かく描かれていて、一瞬で世界観に引き込まれました。特に「漆黒のバタフライエフェクト」ってタイトル、彼らの行動がどんな連鎖を生むのか想像しただけでワクワクしますね。 あと、作戦前の賑やかな家族のようなやり取りと、ターゲットが映った瞬間の空気の変わり方のギャップが痺れました。普段はおちゃらけてても、仕事に入ると全員の目つきが変わる…その切り替えがプロだなあと! 続きがめちゃくちゃ気になります。次も絶対読みますね!🌷