こんにちはミラです。
この度オリジナルでお話を書くこととなりました。
是非お付き合いください。皆さんのこと、それから私自身のことを、私の全力をもってして楽しませに行きますので。
題集募集に参加してくださった方々、本当に有り難うございました。投票数の一番多いものを採用したのですが、リア友からの投票もかなりの割合を占めていますのでテラー内の投票数とは必ずしも合致するわけではないということ、ご了承下さい。
あ、表紙は私が自分で描いたものです。下手とかぬかしたやつは…投げキッスを送ってやる!
悪役令嬢が悪行の限りを尽くして何が悪い
【プロローグ 悪魔の微笑み】
「私、王太子と結婚するわ。」
ぷっくりと形の良い唇が美しく弧を描く。すると、国一番の技師が作った人形だって及ばないであろうそのご尊顔の前にクラシックな扇子が広がった。
「王太子と、婚約をするの。」
そう高らかに宣言してみせた目の前の少女にクラクラと目眩がする。今までの私の話を全く聞いていなかったのか、莫迦なのか、莫迦なのか、それとも…まぁ、理由などどうでもいい。問題は
「王太子と婚約したら死んじゃうかもしれないんだよ⁈」
さっきからそう言っているのに全く怯む様子のないこの女。
目の前にいる女は自分の知る乙女ゲームの悪役令嬢で、その悪役令嬢は王太子との婚約により死へと突き進むキャラクターなのだ。
「私が?このユグラス・ド・ヴァンデミアが貴方の云うヒロインとやらに負けて死ぬとでも?はっ、ありえないわ。」
眼前でパチン、と黒鳥のレースに彩られた扇子が閉じられる。
「私はね、天才なのよ?」
人の忠告も聞かずに泰然自若と笑ってみせる目の前の悪女に、本日6回目の溜息をついた。
応援、誤字脱字報告していただければ幸いです。