テラーノベル
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日記は秋を過ぎ、完全に冬へ入っていた
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12月14日
冬って綺麗、ミアレは雪が見えないけどエイセツシティでは見えるみたい!
折角ならそこで、カラスバさんに話すつもり
お母さんも見たことの無い雪に埋もれて、好きな人の傍で死ねるなんてロマンチックだもの!
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きっとその方がカラスバさんの記憶にも残るでしょ?
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私の我儘に付き合わせてしまって、カラスバさんには申し訳ないけど…
最期だから
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12月20日
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カラスバさんと多分両思いかも…!!
ひゃ〜っ!!嬉しい嬉しい〜!!
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けど、返事も全部エイセツシティに行った時に話すって伝えちゃった
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多分今付き合ったら、意思が揺らいでしまう
今以上に離れたくないって思ってしまう
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先程までの情緒不安定さはどこへ行ったのか、文面を見る限り落ち着いているように見える
──ドッ、ドッドッ…
読み進めるにつれ、シオンは小さく汗をかきながら先程よりも早まる鼓動に苦しみながらも手をとめず日記を読み進めていた
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12月27日
カラスバさんから、クリスマスプレゼントにってピアス貰っちゃった!
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パパラチアサファイアっていう宝石が付いていて、石言葉に合わせて買ってくれたのかな…
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そうだとしたら、やっぱカラスバさんって一途で素敵な人
カラスバさんの奥さんになれる人は一生幸せだろうな
あーぁ、羨ましい。
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───ズキッ!
『いッ…!?ぅ、うゔ…』
〖チャモ!?チャモッ!!〗
〖ギャピ!〗
酷い頭痛がし、その場で頭を抑え悶え苦しむ
そんなシオンをアチャモとペンドラーが心配そうに周りを囲んでいる
『はぁっ、はぁっ…大丈夫…あと、少しなの…』
あと少しで全部わかる
アチャモとペンドラーの頭を撫で、安心させるよう微笑んだ後、また日記のページをめくった
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1月22日
遂に明日、カラスバさんとエイセツシティに行く
明後日には私はいないのかと思うと怖くて怖くて仕方ない
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けど、カラスバさんを殺すなんて絶対嫌
だからって、1年何もせずにアザミたちを残して死ぬのも嫌
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カラスバさんを巻き込んでしまって、 申し訳 ないけどカラスバさんほどの適任はいない
権力も力もあって、それでいて必ず動いて くれるという信頼を持てる人
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カラスバさんなら、リザードンやアザミ達の
面倒も見てくれるはず
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あぁ、何もかも任せてしまって、申し訳ないな。本当にごめんなさい。
これで最期だから、許して欲しい
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1月23日
エイセツシティに行く日が来た
カラスバさんと2人きりで遠出嬉しい!
けど、これが最期だと思うと悲しいな…
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でも最期にカラスバさんと2人きりで遊べる
一緒にいれる、それだけで幸せ!
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ミアレに来て一年、本当に色んな人と繋がれて嬉しかった
外の世界に出れてよかった
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もう、皆と一緒の時間過ごせないのが悲しいな
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︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎月 日
遺書には、他の人と幸せになって欲しいなんてかっこいいこと書いたけど本当はそんなこと思ってない
私だけを想って欲しい。ずっと
他の人のところになんて行って欲しくない
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私を忘れないで
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───バタッ!!
〖ギュ!?ギャピピ!!〗
〖チャモッ!?〗
『はぁッ!はぁッ…!!』
読み終わると同時に酷い目眩がし、その場に倒れ込む
そしてドッドッドッドッ……心臓が大きく鳴り、シオンの小さな体を揺らす
『ちが、ぅ……忘れてたのは…私で……』
頭が痛い。目眩もする。
目の前にいるアチャモとペンドラーがぼやけて見える
けど、早く…謝りに行かないと
忘れてごめんなさい
置いていってごめんなさい
他の男の所にいってごめんなさい
何も気づかなくてごめんなさい
『カラ、スバさ…ッ…あ”ッ…!?』
───バタンッ!!…ガシャンッ!!
近くの棚を持ち立ち上がるが、目眩がし棚ごと一緒に倒れ込んでしまう
〖チャモ!?ヂャーッ!!〗
〖ギャピピっ!!〗
アチャモが慌てた様子で部屋を出てカラスバを呼ぼうとしている
『…ッ、ゔ…ぅ……』
ふと目の前に落ちている割れた花瓶と萎れた花が目に入る
先程棚を倒した際に、一緒に落ちたのだろう
〖この花、私の名前の由来なんです!紫苑って言うんですけど〗
【へぇ…】
〖花言葉があって、確か追憶と遠くにある人を想うと…あとは〜、あれなんだっけ〗
【自分の花言葉くらい覚えときや。3つ目は あなたを忘れないやろ?】
まさか花言葉なんて知っているとは思わず目を見開き驚くシオン
そんなシオンから少し頬を染め目を背けるカラスバ
〖…あれ、もしかして……先に調べてたりしたんですか?〗
【ちゃうわ!ちょっと用事で花屋行った時に紫苑っちゅー花の話を店員からされたんや】
〖ふ〜ん…?偶然、ねぇ〜?〗
【ッ、あー、はよ行くで!!】
ニヤニヤ笑うシオンから逃げるように先を歩くカラスバ
そんなカラスバに少し胸をときめかせながらついて行くシオン
〖カラスバさん〗
【なんや】
〖私の事、忘れないで下さいね〗
【お前みたいな奴、忘れたくても忘れれんわ】
〖へへっ、ならよかった〗
ああ、本当に酷いことをした
謝らないと
しかし立ち上がろうとする度に力がなくなり、その場で倒れ込んで動けなくなる
『駄目…謝ら、ないと…』
視界がぼやけて見えなくなっていた時だった、パタパタッという足音と共にアチャモを手にしたカラスバが部屋に入ってきた
「なんでアチャモが…ってなんやこ、れ……」
起こされて少し苛立っている様子のカラスバが荒れた暗い部屋を見回しシオンを見つけるなり、その場に呆然と立ち尽くす
「なんでシオンが…オレはアザミに送って貰ったはず……」
何とか記憶を掘り起こすと同時に自分がアザミだと思っていたのはシオンだと言う事に気づき青ざめる
「嘘やろ……てかなんやこれ…なんで……」
なんで倒れてるんや?それになんでこの部屋に…
戸惑っていると、ふと地面に何か光っているものを見つける
それは自分が開けようとしても開かなかった4年前のシオンが使っていたスマホ
────まさか、見たんか?
その瞬間、倒れている理由を察しすぐさまシオンの首元を触る
「…生きとる…」
『ゔ…カラ、スバさん…?あ…ごめん、なさい…っ』
朧気な視界の中、カラスバの声が聞こえ絞り出したような声で謝るシオン
その声にハッとし、急いでロトムを呼ぶ
「───ロトム!ジプソかアザミに近くの病院手配するよう連絡せえ!!」
〖りょっ、了解ロト〜!!〗
「シオン!聞こえとんか!!すぐ病院つくさかい、それまで踏ん張りや!」
カラスバの声にシオンは返事をしなかったが、弱々しくカラスバの服を掴み目に涙を浮かべていた
コメント
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シオンがんばれ!!