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「恐らく、すぐにでも黛が接触してくるだろうな」
雄大さんが、私のシャツのボタンを外しながら言った。
「社内でも一人になるなよ?」
「気を付けます」
私の手は彼のシャツのボタンを外す。
「お前、しっかりしてるようで隙が多いからな」
「……」
「馨」
「……気を付けます」
雄大さんがスリップをまくり上げ、ブラのホックを外す。腕から抜いたのはブラの肩ひもだけ。
「……?」
「これ、エロくて気に入った」
「は?」
ブラが透けないように、いつもスリップを着ている。今日のはデザインのない白の無地で、シルク。
「少しだけ乳首が透けてんの、興奮する」と言って、胸の先端をつままれる。
「変態!?」
急に、裸を見られるより恥ずかしくなって、両手で胸を隠した。けれど、すぐに手首を掴まれ、そのままベッドに押し倒された。
「この前も思ったけど、お前の下着ってすげー肌触りいいのな?」
「え? ああ……」
下着は数少ない私のこだわり。
「無駄な贅沢は嫌いだって言ってたけど、下着には金が懸かってそうだな?」
スリップの上から胸を撫でられ、直に触られるのとは違う気持ち良さを感じた。
「ささやかなこだわりです」
「それを知ってるのが俺だけだと思うと、ますます興奮する」
「ホント……変態……」
雄大さんのキスに、自ら唇を開く。舌を絡ませると、クチュッと音がした。
「初めて言われたな」
「私は最初から思ってましたよ? 私なんか口説くんだから――」
「どうしてそんなに卑下するかね……」
言葉と同時に触れるだけの優しいキス。
「お前は可愛いよ」
「可愛いなんて……年じゃない……」
可愛いだなんて言われたのは……いつ振りだろう……。
昊輝はセックスの最中、『好きだ』とは言ってくれたけど『可愛い』と言ってくれたことはなかった……気がする。
「ま、俺だけわかってればいいけどな?」
雄大さんがスリップ越しに胸を揉み、口づける。薄い隔たりがもどかしくて、じれったくて、もっと触れて欲しくなる。
私も変態かも……。
昼間のセックスで気づいたことがある。
私は雄大さんが私に欲情している顔や、感じている顔に興奮する。
最初は悪ふざけ程度に触れて、その掌が熱を帯び、私を求めて勃ち上がる。余裕のある笑みが消え、夢中で私の身体を味わう。
不意を突かれて私の膣内に引き込まれた時の彼の快楽に抗う表情は、場所も時間も忘れさせた。意識が彼の動きに集中し、ドアの向こうに同僚たちがいることを忘れていた。ランチタイムとはいえ、数人は残っていたはずだ。
今もそう。
早く私の膣内に挿入りたがっていきり立つモノが太腿に触れる度、雫が溢れるのがわかる。
早く……挿れて――。
わずかに残る羞恥心が、言葉に蓋をする。
「あっ……ああっ――!」
雄大さんの指に掻き混ぜられ、くちゅくちゅと淫靡な水音が部屋に響く。彼の髪が足の付け根をくすぐる。
「ふっ……、ふぁ……」
ぢゅうっとわざとらしく音を立てて蕾に吸い付く。
「も……ダメ――!」
雄大さんの舌と指から電気が放たれたように、痺れが全身に広がる。
私がイッたことに気付いているはずなのに、愛撫は止まらない。
「やっ……」
絶え間なく押し寄せる痺れが、更なる快感へと導く。
「ひゃあっ――!」
何度もイかされて、それでも休まらない舌と指の動きに耐え切れなくなって、私はついに蓋をした言葉を口にした。
「もう……挿れてぇ……」
その後のことはほとんど憶えていない。
ただ、私は雄大さんの名前を呼びながらしがみついていた。
雄大さんは私を抱き締めて、キスをしてくれた。
「お前は可愛いよ……」