セインテニアでは陽が落ちてからは、森に近づくなと言われている。
その原因は“山賊”だ。
森を抜ける通行人を狙って盗みを働く悪人が集まり、大きな組織を作っていて問題になっているが、普段は上手く身を潜めており、国は取り締まることが出来ず放置している状態だ。
それがこんな状況で足かせになろうとは。
「10人か……」
「武器を持っているみたいです。馬で逃げられるでしょうか?」
「引き返せば逃げられると思うが……間に合わない」
「そんな……」
この危機的状況を脱出する術を考えているとすぐにいい方法を思いついた私は、前を塞いでいる男たちに向かって叫んだ。
「あの、すみません!私達お金になるようなものは何も持ってないんです!ただここを通りたいだけで……」
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