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レオンかっこいい✨
_正統派のレオン__🥀𓈒 𓏸
ノアが出ていった後…
レオンはすぐ彼の後を追い掛けた
しかし彼は忽然と姿を消し、どこに行ったのか分からなくなってしまう
「あれ…?どこ行った!?」
廊下一帯を見回すが姿は見えない
後ろからパタン…と扉が閉まる音がすると、
レオンは音のした方へ振り変えり、駆け足で駆け寄る
「ここは……外…?」
扉の正体は裏口だ。普段使わない扉の為、曖昧だけれど、壁の向こうから水の音がする…きっとすぐ近くの公園の噴水だろう
レオンは扉に手をかけたが、相当力を込めないと開かない…
グッと力を込め,扉を押すとゆっくりだが扉を開けることが出来た
扉の先は予想通り、裏の公園へ繋がった
公園では幼稚園児達が楽しそうに滑り台やシーソーを楽しんでいる
「はぁっ……なんて硬い扉なんでしょう…」
レオンが扉から手を離すと,バタン!と大きな音を立て扉が閉まった
ゆっくり歩き、公園へ行く為に道路を渡る
公園周囲にはパン屋さんに花屋と、店が綺麗に並んでいる
親子が店へ入って行ったり、そのまま通り過ぎる通行人もいる
今はお昼時、1時半までには戻れば5分前に着くことが出来る
腕時計に目をやる
今は12時42分…それまでに探そう
公園の芝生を踏み込み、辺りを見渡す
どこを見ても子供が多い。みんな楽しそうに遊具で遊んでいたり、笑い声が聞こえたりしていて賑やかだ
フッと、隅の方に目をやると,小学生くらいの眼鏡を掛けた男の子が1人でベンチに座り、何かをしている
手元にはスケッチブックと、鉛筆を持っている、絵でも描いてるのだろう
「……ノア先輩…まさか外に出てない…?」
仕方なく、彼はその場からくるりと向きを変え、事務所へと歩き始めたのであった…
日陰で風が心地いいベンチに、眼鏡の子供が絵を描いている
滑らかに鉛筆を滑らせ,白い紙に黒い線が広がる
描いてるその内、複数人の足音が響く
どうやら方向は男の子の方だ 次第に足音は目の前で止まりおい、と声を掛けられた
メガネの子供が顔をゆっくりあげると4人組の男の子達が立っている
ニヤニヤしながら見下ろし、いかにも悪さしそうな感じだ
「お前まだそんなの描いてるのかよ!絵なんて描いてねぇで体動かせよ軟弱!」
「……別に僕の好きで良いじゃん」
嫌そうな顔をしながら再びスケッチブックに視線を下ろす。
その態度が気に入らないのか、肩をどんと押され、紙につけた鉛筆の心が折れる
「……ッ…!」
「なら家で描けよ!目障りなんだよ!」
周りの子供より1周りも大きい子供にどつかれ、肩に鈍い痛みが走る
痛みに耐えていると、鼻で笑う声が複数聞こえた
「……へっ!軟弱だから痛いんだろ?今からここを20週走ったら今日のところは見逃してやるよ」
ゆらりと視線を上げると…キリッと眼鏡の奥からどついてきた男たちを睨みつける
「……嫌だね…誰かみたいに…汗臭くなるし…」
「ッ!!なんだと!!お前ら!やっちまえ!」
その瞬間腕を捕まれベンチから引きずり下ろされる
スケッチブックを強引に取り上げると砂浜に向かって叩きつけた
スケッチブックは砂まみれになり,鉛筆はどこかへ行ってしまった
「僕に逆らうからこうなるんだ!!僕は社長の息子なんだぞ!!偉いんだぞ!」
抑え込まれた子は眼鏡を取られる
「か……返して……ッ!」
「へへーん……誰が返すかよ!…そうだ、これを使ってかくれんぼでもしろよ!お前が鬼で,この眼鏡を隠すから探せよ!」
周りがゲラゲラと笑うなか、社長の息子である子供は眼鏡をヒラヒラと宙に舞わせる
すると…ひょいとメガネが取られる
「は……?誰だ!僕からメガネを取った奴は!!」
「け、ケンくん…う、後ろ…!」
グループの仲間が指さす方向に居たのは”レオンだ”
レオンは抑え込まれていた男の子をチラッと見ると、いじめ張本人と向き直った
「社長の息子……いいご身分ですね。さぞかし昔から甘々に育てられたのでしょうね」
「は、はぁ!?誰だよ!お前!」
「宜しければ僕にその社長パパ様の会社を教えて頂いても宜しいですか?」
その場にかがみ、男の子と視線を合わせる
おずおずと後退りをしながらも、まだ威勢を続けた
「な…何する気だよ!」
「勿論、そこの子供への暴行罪とスケッチブックの窃盗罪…そして鉛筆の芯の傷害罪で…………終身刑です」
「ひぇ……!し、終身刑……!?」
「僕は刑事です。貴方の犯した罪は重いですから…さぁ、会社の名前を言いなさい」
カラカラと手錠を見せ付け微笑みもせず真顔で男の子を見つめる
「い、いやだぁああっ!!!!」
そのまま子供は逃げ出し、続いてグループの子達もあとを追いかけるように逃げていってしまった
レオンはその場に立ち上がると手錠をしまう
「やれやれ……手錠は脅しの道具では無いのに…」
倒れている男の子は既に立ち上がり、ズボンに着いた汚れを手ではたいている
「…君大丈夫ですか?」
眼鏡を差し出しながら、質問をするが
子供は何も言わず眼鏡を受け取る
「…礼儀は社会のマナーですよ」
そう言うと、子供はピクっと反応し、その後ぺこりと頭を軽く下げる
そしてそのまま砂浜にスケッチブックを取りに歩き出して行く
「……はぁ…」
レオンはため息をつく
スケッチブックを拾い上げた子供は、そのまま宙に浮かぶ
レオンが子供を抱き上げたようだ
抱え込むように子供を何処かへ連れて行こうとするが、子供はじたばた抵抗をする
「は……はぁ…!?下ろしてください!」
セットされた髪を掴まれボサボサ
足でバシバシ蹴られスーツは乱れるが、それでも止めない上無言で連れていく
公園の端の方に着くと、蛇口の段差部分にに男の子を座らせた
少々高いため降りる事ができない
「じっとしていなさい」
「な、何を…」
レオンはポケットからハンカチ、ティッシュと消毒液を取り出すと、子供の足元に屈む
ハンカチを蛇口で軽く濡らし、膝の擦りむいて出血してる部分に軽く押し当てた
(怪我…いつの間に…)
「怪我した部分はすぐに洗わないと…どうせ貴方のような子供は、絆創膏1つも持ってないんでしょう?」
「……っ絵…描くだけだし…要らないですよ…」
「貴方は怪我をしなくても,怪我する子が居たらどうするんです?」
「…!」
「……よし、これで良いでしょう」
消毒をし、絆創膏を貼り終えると、子供を地面へと下ろした
今度は…抵抗をしなかった
「要は終わりです,では」
レオンは、そのまま子供を後にした
子供が声を掛けようとしていたが…何も出来ず…に
「……時間オーバー…」
乱れた髪と服を戻したレオンは事務所の扉の前で時計を見る
刑事たるもの、遅刻は許されない
今から、初めて怒られるのだろう…
覚悟を決め、扉を開ける
「おぉ、レオン。大丈夫だったか?」
しかし言われた言葉は意外だ
周りからは心配かけられ、ダレイの代わりの上司にも”以後、気をつけるように”ぐらいで済んだ
席に着くと、隣の同期に話しかける
「あの,なぜみなさん僕の事心配してるんですか?」
普段声を掛けられない為驚きつつも答えてくれた
「えっ!?あ、ああ、さっきノアさんって人が来て…」
___レオンが怪我をした子供の手当をしています。少々他者と揉めたようですので、髪のセット、衣服の乱れを治すため、少々遅れて到着致しますが,どうか、よろしくお願い致します___