テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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大人なSnowMan（ドロドロ）

第6話 - 💚と過去からきた華孤

1,252

2024年01月10日

#SnowMan

#snowman妄想物語

#闇落ちしたるなちゃん

闇落ちしたるなちゃん

初めに

・前回は調子乗ってすみません（自ら黒歴史残してしまいました。反省してます。消すか悩むくらい）

・今回は大人しくドロドロなしです（求めてた方いたらすみません）

・今回はﾀﾋネタ気味です

・悪友多くて他メンバーの回回ってくるの遅くてすみません

・以上が大丈夫な方のみ

阿部と昼夜で姿を変える駅と女の子

「女の子」『💚』

⚠︎今回は阿部ちゃん視点の物語です

とある夏の日

俺は今、炎天下の真下を歩いている

今日はお仕事は無かった

そういう日は、図書館にこもって勉強をする

最初に言っておくが、俺は学生じゃない

だからといって、教師という訳でもない

ただ単に勉強が好きなんだ

変わってると、周りによく言われる

そして、仕事は学力に関わる職種でも無い

本当に趣味なだけだった

いつも、仕事がない日はだいたい17時くらいまで勉強して、

夕日を見ながら歩いて駅まで行って

電車に乗って帰るのが日課だった

俺がいつも行く駅の名は

‪”‬華孤‪駅‪”‬

読み方は、

‪”‬かこ‪えき‪”‬

漢字が独特で、とても面白い駅だ

特にこの、

‪”‬過去‪”‬との結び付きがありそうでないような、不思議な感じ

これがたまらなく好き

でも、理由は無い

今日もまた、仕事が休み

だから、いつもの図書館へ足を運ぶ

だが、今日は17時まで…

とはいかないのだ

忘れていた

今日は頼んでいた荷物が届く日

仕方なく、今日はお昼まで勉強して、帰ることにした

そしてあっという間に来た12時

俺は広げていた教材類をまとめて、図書館を出た

初めて見る景色

いつも図書館を出た時は夕日が差し込んでいた

冬の場合はもうほとんど真っ暗

だけど、今日は、

図書館を出ても、まだ明るい

太陽がちょうど真上に来て、影が小さくなる

ちょうど暑くなる時間

だが、帰らないといけない

そうして、歩き始めた

いつもの駅に着いた

いつもの駅すら、いつもと姿が違う

オレンジ色に染まっていた馴染みのある駅も、

今日は違う

青空の下はまだ暑い

俺は、駅の屋根の下に入った

バッグの中に入れて置いたタオルで汗を拭う

次の電車が来るまで…

あと30分ほど

ここは、いつも仕事帰りに乗る駅とは違う

人が多い都市部分から少し離れたところにある

海沿いで、とても開放的な駅

都市から離れているからか、ここで電車を待ってる最中に誰かに会うことはほとんどない

多くて、1人か2人いるくらい

誰もいないことが普通なほどだ

だが、今日は珍しく、誰かいる

奥の方で、黒髪ロング、セーラー服、とても色白の女の子

だいたい15〜18歳ほどに見える

珍しい

ここでたまに見かける人も、ほとんどがご高齢の方だったからだ

若い人がこの駅に訪れるなんて、俺くらいだと思ってた

珍しいな、と思いながら、いつも座っていたベンチに近寄る

そこに貼ってあったのは、

‪”‬塗りたて‪”‬

どうやら塗料が落ちていたため、塗り直したのだろう

さっきから鼻を刺していたツーンとする臭いの原因はこのベンチの塗料だったのだろう

だが、困った

この暑さの中、あと30分も立ち続けるとさすがにきつい

『あの子が座ってるベンチは座れるのかな』

そう思って、俺はあの子の方に近寄る

申し訳ないが、ちょっと隣に座らせてもらおう

あそこは屋根の下だし、日焼けの心配もない

そう思い、近寄る

『すみません、』

『お隣、大丈夫ですか？』

『座っても』

「どうぞ」

彼女は、読んでいる本から目を離さず、そう言う

『ありがとうございます』

お礼を言っても、もちろん返事は無い

汗を拭いながら、隣に座る女の子が読む本の表紙を横目で見る

作品名は、

‪”‬華やかな孤独‪”‬

華‪…孤‪…

その本のタイトルの漢字2文字、どこか見覚えのある気がして、1人で考えていると、

思い出した

（ここの駅の名前だ、）

電車が来るまであと15分に差し掛かった時だった

「見ない顔ですね」

あの、素っ気なかった女の子が話しかけてきた

「ここの駅、使うの初めてですか？」

「私、ずっとここにいるけど、あなたを見たこと、ないもん」

ずっと？

『いえ、初めてでは無いですよ』

『仕事がない日は毎回この駅を利用してますので』

すると、

「毎回…ですか」

「どのくらいの頻度で？」

さっきまで俺に興味なさげな対応していたのに、急に興味を持ったのか、質問を連投してくる

『大体、1週間に1回ですよ』

『多い時は、週2ペースですが』

そういうと、旺盛だった興味がすっと冷めたかのように、また本に視線を戻す

「そうですか」

「私が会ったことないってことは、夜、使われるんですね、この駅」

夜、と言うよりは夕方だが、

まぁ、冬になると17時となればもう真っ暗、

それに夏だって、図書館からこの駅まで歩いていれば自然と暗くなり始める

だから、夜と言っても別にいいほどだった

でも、なぜ分かったのだろう？

この子は、いつもここで夜までいるのだろうか？

そんな疑問を抱いたが、気付いたらもう、口に出していた

俺の悪い癖

好奇心のせいでたまにでしゃばる

『ということは、あなたは夜までこの駅にいるんですか？』

そう聞いていた

｢そうだよ、｣

｢この駅が好きなの｣

｢だから、電車に乗ってどこに行くとか、そういうのは無いけど、いつもここのベンチに座ってるの｣

｢時間が来るまで｣

自分が言うほどでもないが、変わった子だ

飽きないのだろうか

『時間って？』

『やっぱり、学生さんっぽいし、門限とか？』

ちょっと、気持ち悪いことを聞いてしまっただろうか？

30代の俺が明らか学生の子に、門限とか聞くのはどうかしてた

しかし、彼女は親切に教えてくれた

『門限とはちょっと違うけどね』

『時間になったら、あそこに帰るの』

そう言って、先にある線路を指さす

『やっぱり、電車に乗って帰るんだね』

そう、線路を指さす彼女に言った

｢違うよ、あそこに帰るの｣

そう言って、また線路を指さす

『線路に帰るの？』

そういった瞬間、電車が来た

すると、

｢この電車に乗って帰るの？｣

｢またね｣

そう言ってきた

俺は振り返って彼女に問う

『また、会えますか？』

そう聞くと、彼女は言った

｢昼間なら｣

｢私に会いたいなら、夕方から夜に変わる瞬間にはこの駅に来ないでください｣

そう彼女が言い終わると同時に乗っていた電車のドアが閉まった

彼女は、初対面なのに、窓越しで俺が見えなくなるまで手を振ってくれていた

俺は、あの日以降、あの謎に満ちた女の子のことが気になり始めた

次の週の日曜日

久しぶりのお休み

俺はまた図書館へ向かう

いつも通り、勉強を終え、気がついたら17時過ぎ

またあの子に会えたらな、と、

密かに願いながら早足で駅へ向かう

駅に着いた頃は、もう既に夜だった

周りを探すが、やはりあの子はいない

ちょっと残念に思った

もっと知りたい

いつからあそこにいるのか

読んでた‪”‬華やかな孤独‪”‬という本は何の本なのか

その他いろいろ

あれから、毎日彼女のことが頭から離れない

そして、やっと来た休日

俺はまた図書館へ行く

だが、今回はお昼まで勉強して、駅へ行く

夜まで勉強してたら、彼女に会えないから

そして12時

俺はコンビニによってアイスを

2個

買って駅へ向かう

駅に着いた

いつもの駅の奥の方

人影が見える

彼女だ

そう思ってそっと近づく

相変わらず読んでいた本はあの本

そして、セーラー服

前と同じ

『久しぶり、また隣座ってもいいかな？』

｢どうぞ｣

『ありがとう』

相変わらずちょっと冷たい返事

汗を拭いながら、彼女を見る

こんな暑いのに、汗が一滴も垂れていない

日焼けを知らない白い肌

サラサラの黒髪ロング

細い手足

見れば見るほど、引き込まれる魅力がある

『ねぇ、暑くない？』

｢ここ日陰だし、暑くはないかな｣

『じゃあ、お腹空いてたりしない？』

｢お腹は空いてるかも｣

『よかった、アイス買ってきたんだ』

『良かったら1つどうぞ』

｢ありがとう｣

そう言って、隣にあった栞を挟んで本を隣に置き、

アイスを受け取った

涼し気な顔をしたままアイスを頬張る彼女

どうして暑くないのだろう？

そしてそのまま、気になることを彼女に問い続けた

『ねぇ、その本さ、何の本？』

｢これ？これはね、華やかな孤独っていう本だよ｣

『どういうお話なの？』

『それにそのタイトル、ここの駅の名前と同じだよね』

｢この本はね、私のお話なの｣

｢私が主人公で、他の女の子3人が出てきて、それで…｣

｢説明しにくいかも笑｣

私が主人公？

私のお話？

どういうことだろう？

そして、俺は無意識のうちに、彼女に会いたくて、

休日は基本、お昼で図書館を出て、

それから夕方まで談笑することが日課になった

そして相変わらず、別れる時に彼女はこう言う

｢私に会いたいなら、夕方から夜に変わる瞬間にはこの駅に来ないでください｣

彼女はこの一言をいうことを忘れたことは無かった

あれから半年後季節はやがて冬になった

日が落ちるのがより一層早くなった

今日も、また彼女に会いに行く

彼女は相変わらず、同じ本を、同じ場所で読み続けている

そんな彼女の服装も、ずっと変わらない

都市の方を歩いている学生も

冬服に変わってきている中、彼女は相変わらず半袖の白いセーラー

黒い方のセーラー服に着替えないのだろうか？

風邪をひいてしまうかもしれない

それでも、彼女は相変わらず気温など関係なさそうに本を読み続けている

夏の頃からそうだった

汗の一滴もかかずに座っていた

冬もそうだ

全く寒そうにはせずに、座っている

そして、とある冬の日

俺は気持ちを固めた

決心した

彼女に想いを伝えることにした

その日、仕事はあったが、帰りに駅により、伝えることにした

だが、早く終わる予定だった仕事

それが長引いてしまい、気付いたらもう夕方だった

冬の暗くなる速度はとてもはやい

俺は早足で駅へ向かった

俺が駅に着いたのは

夕日が海の向こうに沈み、

まさに、夕方から夜に変わる瞬間だった

この告白を機に嫌われないか、など、

緊張していたせいで、当時の俺は彼女との約束を覚えていなかった

あんなに言っていたのに

｢私に会いたいなら、夕方から夜に変わる瞬間にはこの駅に来ないでください｣と

来てしまった

着いたら、ベンチに彼女はいなかった

もう、夜だから帰ったのか？と思ったが、

線路の前に人影があった

彼女だ

初めて見た彼女の立ち姿

ずっと座っていた彼女

立ってみれば、意外と身長は高い方の女の子であることが分かった

いつもと違う姿を見れてまたドキドキする

そして、見惚れていた間に、水平線の向こう側に、夕日が完全に沈みかかっていた

夕日の光が徐々に小さくなっていく

それと同時に、右から電車がやってきた

俺は思った

『彼女の言う‪”‬時間‪”‬って、この頃の事だったんだ』

『彼女はいつも俺が帰ったあと、この電車に乗って帰っていたんだ』

その瞬間

立っていた彼女が急に振り向き、俺を見る

｢この時間には来ないでって言ったのに｣

そう言った

その瞬間、

僅かに目眩がして、

華孤駅と書いてある駅の看板が、急にゆがみ始め、

目眩が治まった頃には、字が変わっていた

‪”‬過去駅‪”‬

『…え？』

『どうなってるの？』

｢来ないでって言ったのに、来ないでって言ったのに、来ないでって言ったのに｣

『…どうしたの？』

｢またね、私、帰るね｣

『あ、うん、』

『この時間に来てごめんね』

『ばいば…』

そう言おうとした瞬間、

彼女は線路に飛び降りた

水平線に夕日が完全に沈み終えたタイミングで、彼女は電車に轢かれた

音なんかしなかった

轢かれる音も、電車の音すらも

ただ静かな世界に包まれていた

気がついたら駅の名前は元に戻っており、夜の華孤駅に立っていた

消えかけていてチカチカしている電球の光が俺を照らす

『さっきのは…？』

夢だったのだろうか

悪質すぎる

辺りを見回すが、誰もいない

さっきのが夢だったのか、それとも現実なのか

確かめる間もなく、自分が乗る電車が駅に到着した

確かめたい気持ちで溢れていたが、今日はもう遅いため、ひとまず帰ることにした

次の日、俺はあの場所のことが気になって、仕事を休んで駅へ行った

着いたのは10時ほど

この日、初めて夜以外の時間帯にあの子がいなかった

いつも、朝や昼間など、夕方以降でなければいつもいたのに

今日は初めて日中にいなかった

それからしばらく、

何故か、体が自然と彼女がいつも座っていたベンチの方へと

吸い寄せられるかのように勝手に歩く

ベンチはいつも通り

『ん…？』

『花？』

いつもは無かったはずの花が、ベンチの足元に置いてある

『なんだこれ…』

花の他にも、ジュースなどもある

これはまるで、そこで人が亡くなった時に置くお供え物かのようだ

ここで誰か亡くなったのだろうか？

しかし、花は枯れているものばかり

すると、後ろから誰かに話しかけられた

｢こんにちは、｣

ご高齢の方だ

『こんにちは、』

｢そんなに花を見て、どうしたの？｣

『この花とか、ジュースは…何ですか？』

｢あぁ、知らないのかい｣

｢ここ、20年前にね、15歳の中学生の女の子が、この駅から飛び降りて自〇したんだよ｣

｢可愛そうよね、電車の車輪でね、‪”‬右腕‪”‬が取れちゃったらしいの｣

｢こういうのって、しばらくしたら親族とか、近隣の方が片付けに来るものなんだけどねぇ、｣

｢なんか、最近あの時の女の子の霊をこの駅で見るって言う人が増えてきてね｣

｢だから片付けずずっとお供え物は置いてあるんだよ｣

心当たりがあった

この地方に引っ越してきたのは5年前なのに

その20年前のことが何故か記憶にあるような気がした

『それって、セーラーの黒髪の女の子ですか？』

『いつも本を読んでる』

｢あぁ、なんだ｣

｢あなたも、あの子に会ったのかい｣

｢そうだよ、可愛らしい子だったでしょう？｣

｢可愛そうよね、あの子、可愛いけどいじめられてたみたいでね｣

｢まぁでも、あまり気にすることじゃないよ｣

｢あの子はね、たまーにここに出てきて姿見せるけど、特に害は与えてこないからね｣

｢それじゃ、私は行くよ｣

そう言って、たった今来た電車に乗って言ってしまった

『俺は…霊と話してた…？』

もう一度お供え物を見る

その中にはいくつかの手紙やジュース、お花、本が1冊供えてあった

ジュースを見てみる

缶ジュースだ

缶の上の部分に土が被り、それが固まってこびりついている

もう長い間動かされてない証拠だ

次に手紙を見る

とりあえず幾つかあるうちのひとつを見てみる

｢華ちゃん、辛い思いしていたことに気づいてあげられなくてごめんね

あの後、あの3人の女子は先生にすごく怒られて、親にも怒られて、最後には転校することになってた。

もう大丈夫

華ちゃんの敵は、いじめてたやつらはもういないよ

いつでも戻ってこれる

華ちゃん、本当に気付いてあげられなくてごめん

こんな友達でごめん｣

『あの子、華ちゃんっていう名前なんだ…』

内容からするに、友達が亡くなった華ちゃんへ向けて書いた手紙だ

最後に本を見る

タイトルは‪”‬華やかな孤独‪”‬

あの子が呼んでた本だ

最初の1ページ目をめくってみる

‪”‬これは、私の娘の身に起きた実話です‪”‬

という言葉から描き始められている

おそらく、華ちゃんのご両親が書いた本だ

彼女が言っていた、‪”‬私が主人公‪”‬や、‪”‬私のお話‪”‬とは、この事を言っていたのだろう

彼女は毎日毎日この本を読んでいたのだ

そして最後に

ボロボロの紙を見てみる

手紙のようなものだった

しばらく土に埋もれていたせいか、紙が茶色く染まっており、

汚れと土がこびりついている

内容は、

｢毎週日曜日のお昼に来てくれていたお兄さんへ

あなたと話す日曜日はとても楽しかったです

日に日に来てくれる頻度も増えて、とても嬉しかった

お名前くらい、聞いておけばよかったです

私の名前すら伝えていませんでしたし

後悔しか残りません

騙していてごめんなさい

生きていたら、私はあなたの友達になりたかった

でも、私は20年前から死んでいます

あなたと出会った頃は、もう本当は35歳だったんです

ごめんなさい

また会えるなら、どれほど嬉しいでしょう

でも、もう会えません

見られちゃったから。

大好きでした

生まれ変わったら、あなたとお付き合いしたいです

華より｣

俺はそっと、手紙を閉じた

すると、紙の裏に何かあるのを見つけた

そこにはこう書いてあった

‪”‬私に会いたいなら、夕方から夜に変わる瞬間にはこの駅に来ないでください‪”‬

俺は涙が止まらなかった

あれは夢じゃなかった

この日以降、俺はこの駅に近寄らなくなった

霊であっても、また彼女に会えるかもしれない

そう思ってはいたが、自然と自分の体があそこを拒絶していた

近寄ろうとすると体調が悪くなる

特に、右腕が筋肉痛のような痛みに襲われる

今でも、俺は分からない

あの手紙が何か

書いてあることは現在のことだが、書かれた跡が明らかに数年前なのだ

土がしっかり染み込んだ茶色い紙

あれはそこ数ヶ月ほどでは出来ないほどの色だ

最後まで彼女は謎に包まれたままだった

あれから数ヶ月後

あの駅は無くなった

今でも跡地にはお供え物が備えてあるらしい

噂で聞いたんだ

この世から、

‪”‬華孤駅‪”‬が消え去った

大人なSnowMan（ドロドロ）

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闇落ちしたるなちゃん

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