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るるさん、第24話、読ませていただきました。 佐久間くんの「俺も春菜が初めてだよ」って、あの台詞、本当に心臓を掴まれました。完璧に見える彼が、同じように不安で、必死で、春菜さんを大事にしようとしている——そのギャップがもう、胸に来ますね。ランタンの夜から続く、二人の距離がゆっくりと、でも確かに縮まっていく感覚が、とても丁寧に描かれていて。編集者としても、心理描写の繊細さにため息が出ました。甘くて、温かくて、素敵な夜でした。次話も楽しみにしています🌷
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#番外編
コンソメパン
246
#ご本人様には関係ありません
コンソメパン
13,089
#ゆり組
むん。
390
ホテルへの帰り道、2人は興奮冷めやらぬまま、手を繋いで夜道を歩いた。
「あのランタンが一斉に上がった瞬間、マジで鳥肌立った!」
佐久間が身振り手振りを交えて話す。
「ほんとにね!綺麗だったなぁ」
春菜も興奮が冷めやらぬ様子で隣を歩く。
「…私たちの願い事、神様に届いたかなぁ」
空を見上げるように言うと、繋いだ手をギュッと握り直して佐久間は笑った。
「届いたでしょ、きっとさ。ーーーでも」
繋いでいた手を離し、肩を抱き寄せる。
「神様に頼らなくても、俺らで叶えていくけどな」
春菜の顔を見て、ニカッと笑う佐久間。
その言葉に、その表情に、心の奥深くでじわっと喜びが湧き出す。
あぁ、彼は。
何に頼るでもなく、自身の力と想いで未来を掴んできた彼は。
次は、私との未来を望んでくれているのか。
「ーーーそうだね、もちろん」
春菜は潤む瞳を隠すように、佐久間に抱きついた。
部屋に戻り、交代でシャワーを浴びて、 リラックスした部屋着姿になる。
ベッドのヘッドボードに背中を預けて並んで腰掛け、お酒の入ったグラスを傾けながら旅の思い出をぽつりぽつりと話し合い始めた。
「もう明日は帰国だね」
春菜が少し名残惜しそうに呟くと、佐久間はグラスを見つめながら口を尖らせた。
「だなー。やっぱ2泊3日は短いや……。次の旅行のときは今回よりもっと休みをぶんどらないと……」
「……たまたま、まとまった休みが取れたんじゃなかったっけ?」
春菜の声のトーンが少し低くなる。
「あ゛っ、やべっ……」
佐久間が目に見えて泳ぎ、とっさに口元を手で覆った。
「……大介?」
春菜がニッコリと微笑みながら顔を覗き込むと、佐久間は完全に観念したように肩をすくめた。
「いや……本当はちょっと強行突破気味で……メンバーやマネージャーに頼んで休み作ってもらったんだ……」
「……そんなとこだろうと思った」
呆れ半分、でもそれ以上に愛おしさが勝ってしまって、思わず笑みが溢れる春菜。
佐久間はしゅんとしたり、少し拗ねたような表情で行儀悪く膝を抱え込んだ。
「……だってさ……。春菜と旅行、したかったんだもん……。それにさ、日本にいると、どうしても俺が悪目立ちしちゃうだろ? デートしてても、コソコソしたり、手を繋げないとかさ。行けるところも限られちゃうし……。春菜が行きたいところに連れてってやることも難しいから……」
少し俯きながら、ぽつぽつと本音を吐露する佐久間。
ただ自分の我が儘を通したわけじゃない。
春菜のことを一番に考えて、あの忙しいスケジュールの合間を縫ってくれたのだ。
「……ありがとう。色々考えてくれて」
春菜は佐久間の顔をもう一度覗き込む。
「でも、無茶はしちゃダメだよ。Snow Man佐久間大介の代わりはいないんだからね」
「はぁい……」
佐久間はおとなしく返事をして、春菜の肩に頭をこてんと乗せた。
「帰ったら、メンバーのみんなやマネージャーさんに、一緒にお礼を言いに行こうね」
「うん」
「向井くんには特にね。色々教えてもらったんでしょ?」
「でもあいつ、最初俺らについて来ようとしてたんだぜ?」
「あはは、向井くんらしい!」
でも、それはそれで楽しそう、と、想像して笑い合う2人。
「でも、本当に楽しかった! しょっちゅうは無理かもだけど、また大介と旅行したいな」
春菜の言葉に、佐久間は頭を起こして、彼女の目み向き直った。
「……これからも、色んなところに一緒に行こうな」
「うん!」
2人で優しく笑い合う。
南国の夜の空気と、少しだけ飲んだお酒のせいで、春菜の身体は内側からじんわりと熱を帯びていた。
きっと、いつもより表情も柔らかくなっていたのだろう。
ふと喉の渇きを覚え、ベッド横のサイドテーブルにあるグラスを手に取ろうと、春菜が身体を少し捻ったその時だった。
「……ねぇ」
低く、少し掠れた声で佐久間が春菜を呼んだ。
「んー?」
グラスを持ったまま振り向いた瞬間、視界が、世界が、佐久間の顔で埋め尽くされた。
驚く隙もなく、熱い唇が春菜の唇を塞ぐ。
「っ……!?」
不意打ちのキスに身体が強張り、手元からグラスが滑り落ちそうになる。
けれど、佐久間は唇を重ねたまま、空いた左手で春菜の手首を優しく掴み、こぼれそうになったグラスをパシッと見事な反射神経で受け止めた。
そしてそのまま、視線は春菜に固定したままで、サイドテーブルへと静かにグラスを戻す。
「ぅん……!? ん……、ふ……っ!」
グラスから解放された佐久間の両手が、春菜の頬を包み込む。
あまりの熱量に驚き、反射的に後ずさりして逃げようとするけれど、彼はそれを許さなかった。
身を乗り出すようにしてベッドの上で春菜を追いかけ、唇をこれでもかと深く重ね合わせる。
重なり合う隙間から、熱い舌が滑り込んできた。
「んあ……っ、んっ……はっ……んんっ……!」
押し込まれ、絡まり、弾かれる。
佐久間の舌は驚くほどに貪欲で、春菜の不慣れな呼吸をすべて奪い去っていく。
激しい口付けに頭が真っ白になり、翻弄されるがまま佐久間の胸のシャツをぎゅっと掴むことしかできなかった。
どれだけ時間が経っただろう。
深く、長いキスの後、ようやく唇が名残惜しそうに離れた。
「はぁ……っ、ふ、ぁ……」
春菜の口元からは、溢れた熱い唾液が一筋、顎へと伝っていく。
息は完全に乱れ、顔は耳の裏まで真っ赤に染まっていた。
お酒のせいなのか、それとも、彼の熱情にあてられたせいなのか。
いつの間にか春菜はベッドに押し倒され、その上に佐久間が覆い被さる形になっていた。
彼女を見下ろす佐久間の瞳は、いつもと違ってどこか鋭く、それでいて、壊れ物を扱うかのように激しく揺れている。
「……ねぇ、春菜」
「んぇ……?」
熱い吐息混じりに名前を呼ばれ、春菜の喉から、自分でも驚くほど艶っぽい声が漏れた。
「前、言ってたよね? 『覚悟できてる』って」
「……っ! えっ……とぉ……」
ドクドクと、耳の奥で心臓の音がうるさいほどに鳴り響く。
元々赤かった顔が、さらに熱を帯びていくのが分かった。
恥ずかしさに耐えかねて顔を横へ逸らそうとするけれど、佐久間の両手が春菜の顔を挟み込み、至近距離で固定されて動けない。
「ね、春菜。俺の目を見てもっかい言ってよ。『覚悟できてる』って」
佐久間の目は、吸い込まれそうなほど真っ直ぐで、そして必死だった。
普段の余裕のある、お調子者の彼はどこにもいない。
そこにいるのは、1人の余裕のない男としての「佐久間大介」だった。
年長者として、彼のその真っ直ぐな想いに全力で応えたい。
けれど、初めての経験に対する不安と、彼の男らしく格好良すぎる姿に、頭の処理が追いつかない。
完全にパニックになりかけて、心臓が破裂しそうだった。
「……っ、だい、すけ……」
春菜はかすれた声で、彼の名前を呼んだ。
「私……本当に、は、初めて、で……。うまく、できるか、わかんなくて……、っ、でも……!」
春菜の必死な告白に、佐久間はハッと目を見開いた。
彼は、春菜がそんな風に狼狽えながらも、彼を求めていることを理解した瞬間、その端正な顔を歪めるようにして、春菜の額に自分の額をこすりつけた。
「……っ、春菜……」
佐久間の吐き出す息が、ひどく熱く震えている。
「俺も……、」
佐久間が、掠れた声で囁いた。
春菜の髪を愛おしそうに何度も梳きながら、彼自身の熱い告白を耳元に落とす。
「俺も、春菜が初めてだよ。……だから、すげぇ不安だし、すげぇ必死。……優しくしたいのに、余裕なんか全くない……」
「大介……っ」
完璧に見える彼も、自分と同じように緊張し、自分を大切にしようと必死になってくれている。
春菜はシーツを掴んでいた震える手を、ゆっくりと彼の首の後ろへと回した。
自分から佐久間の身体をぎゅっと抱きしめ、耳元で小さく、けれど確かな決意を込めて囁いた。
「……うん。……覚悟、できてるよ。大介がいいの」
その瞬間、佐久間の身体がびくりと震えた。
「……っ、あーもう……! 手加減できなかったらごめん……!」
佐久間は半分呻くように呟くと、再び、今度は狂おしいほどの強さで春菜の唇を塞いだ。
彼の大きな手が春菜の服の裾から滑り込み、直接、熱い肌に触れる。
その手が微かに震えているのが伝わってきて、余計に愛しさが募った。
「春菜……、春菜……、」
何度も彼女の名前を、甘く、壊れそうな声で呼びながら、佐久間は優しく、けれど抗えない確かな力強さで、春菜をその腕の中へと溺れさせていった。
外のチャオプラヤー川を流れる水の音も、チェンマイの夜風も、すべてが彼という存在の影に隠れていく。
2人の不器用で、けれど何よりも温かい「初めての夜」が、満天のランタンの光に見守られるように、静かに、そして熱く深まっていった。