一週間かけようやく手に入れた情報を頼りに、僕たち3人は山奥のビルに来ていた
このビルにナカム達が連れ去られたはず…
きりやん「…こんな所にビルなんか建ってたっけ?」
ブルーク「前まではなかった気がするけど…」
きんとき「…それにしても、静かすぎない?」
山奥だから人気が無いというのもあるが、ビルの近くに来ても明らかに人の気配が感じられない
ブルーク「…入ってみよう」
周りを警戒しながらビルの中に入ると、冷たい冷気が体の温度を一気に下げる
きりやん「さっむ!?」
きんとき「夏じゃないのに冷房…?」
ブルーク「…あそこに誰かいる」
きんとき「…1発殴ってスマイル達の居場所聞き出そう」
きりやん「え!?ちょ、きんとき!?」
きりやんの言葉を無視してきんときは部屋の隅に隠れていた人に近づいて行った
そのまま彼は殴る体勢に入ったが、拳が振り下ろされることはなかった
ブルーク「…?」
きんとき「…2人とも。この人、死んでる」
ブルーク「…え?」
僕たちも近づいてみると、
部屋の隅で”何かから隠れるよう”にしてうずくまった姿勢のまま体が凍った男がいた
きりやん「これは…」
きんとき「…この人だけじゃない。よく見てみると他にも体が凍ってる人が何人かいる」
人間の体を凍らせるなんて出来る訳が無い。
それもこのビルに居たであろう何十人もの人を
…ただ1人を除いて
ブルーク「……ナカム…?」
一つ一つ部屋を確認していくと、やはり体が凍り死んでいる人が何人もいた
…だが3人の姿はない
最上階にまで上り、最後の部屋に来た
きりやん「…あと探してないのってここだけだよな?」
きんとき「うん」
ブルーク「…」
静かに、ゆっくりとドアを開けると
白衣の男を氷でできた剣で突き刺すナカムと目が合った
ブルーク「ナ…カム…?」
ナカムは男から剣を抜くと、男は一瞬のうちに体が凍り、砕け散った
その様子を興味のなさそうに見つめる彼を、”怖い”と思った
彼は本当に”ナカム”なのか?
僕には今までのナカムではない気がした
ナカム「久しぶりだネ、ブルーク」
「ずっとブルーク達が助けに来てくれるって信じてタ…でも、もウ遅いヨ。遅すぎたんだヨ」
ブルーク「…君は…”誰”?」
ナカム「ダレ?俺は”ナカム”だヨ!」
いつもの彼のように笑い、僕を見つめる
紛れもなくナカム自身だ…でも…
ブルーク「違う…君は、ナカムじゃない」
ナカム(?)「あレ…めんどくさいナ」
きりやん「…シャークん達は?知ってんだろ」
ナカム(?)「さぁ?…同族だから助けてやったのに殺そうとしてきたかラ」
「刺しちゃっタ♪」
きんとき「ッこのっ」
ナカム(?)「なニ?怒ってるノ?お前ら人間には関係のない事じゃン」
ブルーク「…君は何なの?」
ナカム(?)「俺はナカム。ナカムの本来の形」
「…もうお前らの知ってる”ナカム”は戻ってこないヨ。心が壊されたかラ」
ブルーク「ッ」
きりやん「そんなのッ、まだ分かるわけ…」
ナカム(?)「もういいヨ、俺は地球から出ていくかラ。…”消えて”ヨ」
間髪を入れずナカムが剣を僕らに向かって
振り下ろした
コメント
2件
展開めっちゃ好きです!( 〃▽〃) 続き楽しみです!( 〃▽〃)