テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
番外編 じゃがいもの芽
函館side
本土全体が秋の匂いに包まれるとい事は北海道という土地のとって雪が降るから準備をしろっという意味だ。
みんなにとっては肌寒い、俺にとってはなんちゃってない刻に、十勝という土地の畑は、雪の布団を被るため緑を茶を剥ぎ取っていた。
「十勝ー!元気か?」
俺は手を振った。
石狩と並ぶ、北海道二代有名平野のある十勝は俺にとっては居心地の良い存在だ。
一見、俺の真反対にあって発展も俺より全然後で畑ばかり続く所。
俺みたいな洒落乙な港町とは全く違う奴だが、北海道の腹をうけっもてる大事な仲間である。
倒れられたらみんな困る。
畑ばっかりの景色も若の一部で俺は好きだが、同じ景色ばっか見るのもどうかと思う。
だから俺は、彼女の手を引いてよく十勝市外に連れ出している。
彼女自身、かなりの農業ガチ勢で自分からはこの土地を出ない。
「うぉー!隊長!ウチは元気しとるよ。
隊長、ウチの一年の成果みてくれしゃい」
北海道は、結構最近のような前のような、そんな時に、今の東京にアイヌ語を没収された影響か?色んな方言が混同している。
十勝は、俺を倉庫に手招きして、とうもろこし、じゃがいも、小豆などを見せびらかしくたびれた木の椅子に座った。
俺もそこに腰をかける。
そして、十勝は少し眉を下げて心配そうな顔をした。
「もしかして、若のことか?
心配するなって、若なら大丈夫だろ?」
「いや、ちゃうくてなぁ、ウチが心配なのはリーダーなんよ」
札幌?
「なんとなくだよ!なんとなく、若様がフィンランドに行って面白くないのはリーダーなんじゃないかって」
十勝は下を向いて、最初の大きい声がどんどん小さくなっていく。
「なんでそう思うんだ。仲いいだろ2人は」
「うん…そうなんだけど。そうなんだけど。若様はリーダーを頼りにしてるように見えるけど、リーダーはなんだろう…若様しかいないっていうか?…焦ってる?」
十勝の声はどんどん小さくなる。
「…十勝はどれくらいの頃から土地としての記憶ある?」
俺は、十勝の横顔を見ながら言った。
十勝はこちらを見ない。
「ここでいっぱい野菜を作ろってみんなが思ってくれた頃ぐらい?」
十勝は眼を開いて、一瞬で答えた。
「じゃあ知らないか。
今から、大事な事を教えてやる。
古株の俺だけが覚えているであろう情報だ。あんまり人に言うなよ。
若とリーダーは元々…」
2人でアイヌの化身だったんだ。
「えっ?それって可能なことなん?」
「可能だ。若は自然をリーダーは文化を受け持った化身だった。実質アイヌの土地の化身では無いと言っても過言では無いけどね。
アイヌは民族であり、国や土地としては認識されてないのが理由かも知れないな」
十勝はやっと顔を上げて、俺の顔を見た。
「昔の若の事を覚えてるか?」
「えぇ、覚えとるよ。
無口で目つきが悪くて、近寄りがたい雰囲気を纏ってた。そして、ふふ。わかりずらいお節介」
十勝は少し笑って、柔らかい笑顔を見せた。
「あぁそうだな笑。
でも、そんな明治前の若が県の化身として、前に立つのは正直向かないだろ?」
「えぇ、そうなぁ。
今考えればなんでやろね」
十勝は首を傾げた。
「若を選んだのは東京さんだ。
口下手で自分から動くのが苦手な若の方が扱いやすかったんだろう」
リーダーがその事でよく荒れてたのを今でも思い出す。
あの頃は酷かった。
リーダーのあの荒ぶり方は見るに耐えない。
殴られた脇腹と折られた右腕が疼く。
「何よそれ!東京さんって酷い人!」
まぁ、東京さんは関わっただけで実際はそれより細かい機関のくそ千代田区野郎が提案したんだがな。
「もしかしたら、リーダーは本当に焦ってるのかもな。置いていかれるって」
他県民は、誤解している。
札幌にはそんな雪は降らない。
どっちかというと、新潟の方が降る。
様々な地形、主に山の位置と、シベリアから日本までの海の長さなどから札幌は自然から護られている。
それはまるで、若に守られているように見えた。
十勝は少し、沈黙してから立ち上がって明るい顔して倉庫を出るよう手招きした。
「まぁ、後はウチの家に帰りながら話そう。
今日はポトフだよ」
俺は、軽い足取りで進んだ。
十勝の手料理は最高だからだ。
[追記]
「2人でアイヌの化身なら、どっちが兄なの?」
夕焼けの空、細い田んぼ道。
十勝の声と鳥の声が響く。
「さぁな?2人ともお互いをキョーダイって呼び合ってたからわからん」
俺はお手上げジェスチャーをして十勝に答える。
「じゃあ、もう一つ質問。
隊長はいつから化身としての記憶があるの?」
俺は止まって答えた。
「この土地を若を強く護りたいって思ってから」
コメント
1件
北海道と札幌が兄弟…!?この2人の関係が一気に好きになりました🥰 神設定をありがとうございます😭