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十二章 因みにフィンランドさんの冷蔵庫はソニーだった。
スウェーデンさんが一向に帰る気がない。
座り込んで新聞読んでるし、TVつけるし、俺のとこじゃ絶対ないのに。
ここは、京都さんがやってた奴(俺が実際やられた)追い返し方を試してみるか。
小声でフィンランドさんに聞いた。
「お茶、使っても良いですか?」
フィンランドさんはすぐ頷いて、不思議そうな顔をした。
ガラスのコップにお茶を入れてスウェーデンさんの前に出した。
「お茶要りますか?」
これで帰って!
帰れ、帰れ!マジで帰って。
スウェーデンさんは少し下を向いた。
顔は見えない。
ていうか、座ったら背が低く見えるってどれだけ足長いんだよ!
スウェーデンさんは首を上げた。
「おお、気が効くな。
流石、おもてなしの国」
違う違う。
そうじゃ、そうじゃなぁい🎵
違うー!そうじゃないー!
「…ふふっ」
後ろを見るとフィンランドさんが笑ってた。
この人わかって…
俺は顔が真っ赤になった。
スウェーデンさんはフィンランドさんが笑ったのを見て頭を傾げた。
さらに顔が熱くなった。
「ん?北海道、このダンボールなんだ?」
フィンランドさんは、机の上にある十勝が送ってきたダンボールを指し俺に聞いた。
「それですか?それは俺のところの子が送ってきてくれたんですよ」
「そうか…開けて良いか?」
フィンランドさんは机の上のダンボールに手をかけていた。
俺もそこに足を近づける。
「いいですよ」
開けるとそこには沢山のじゃがいもが
「おお、沢山あるな」
いつの間にか、後ろに来ていたスウェーデンさんに肩をビクッと跳ねさせた。
スウェーデンさんの顔を見ると、少し考えている素振りをして告げた。
「フィンランド!今日はポトフがいいなぁ」
こ…この人、夕飯をここで済ます気だ!
ありえない、ドカドカ遠慮なくって。
フィンランドさんと俺は顔を見合わせた。
断って!断って、っていうか追い出して!
「スウェーデン…ちょっと横暴が過ぎるんじゃないか?」
フィンランドさんが空気を読んで、スウェーデンに話してくれた。
ありがたやぁ。
「そうか、あぁ〜ぁ、折角美味しいベーコン持ってきたのになぁ〜。しかも燻製してあって酒にも合うのになぁ〜。そうか要らないかぁ〜。残念だなぁ」
フィンランドさんは地味の口の端から涎が見える。
フィンランドさぁあーん!!
買収されてる!
フィンランドさんが視線を当ててくる。
そんな、食べたいという意思を乗せないで下さい。
俺は手を挙げた。
「…俺が作ります」
[cooking Time!]
まず、じゃがいもを洗いましょう。
そしたら、皮を剥きましょう。
まだ、小さい子はピーラーを使いましょう。
(俺誰に言ってんの?)
茶色の地味な皮の下は美しいイエローサファイアが見える。
地味子がメガネ取ったら凄かったってやつ。
それがじゃがいも。
十勝のじゃがいもは本当に美味い。
「綺麗だな」
包丁で皮を剥いてる途中、後ろからひょっこりフィンランドさんが顔を覗かせた。
ちょっと肩がビクッと跳ねたが、すぐ嬉しくなった。
「ありがとうございます。十勝の作る野菜はどれの絶品ですよ」
「そうか」
フィンランドさんはそう言い残してキッチンを出て行った。
次に切ります。
じゃがいも
にんじん
玉ねぎ
キャベツをざくっり切る。
じゃがいも以外は全てフィンランドさんの冷蔵庫にあった物だ。
次にポトフのスープ部分の味付けをする。
コンソメを入れるのだが、フィンランドにコンソメがあるのか?
「コンソメみたいなやつなら木の棚の一段目の右にあるぞー」
リビングからスウェーデンさんの声が聞こえてくる。
怖ッ!なんで探してるってわかるねん。
まぁいいやもう。
棚の前に移動する。
足に何か当たる。
「痛ぁ゛!」
下を見ると小さな脚立があった。
フィンランドさんの家は日本に比べて大きく、172センチぐらいのフィンランドさんは棚に手が届かないのかもしれない。
いや、届かない。
俺は脚立をまた見た。
「よし、戻ろ」
コンソメらしき物のパッケージにはビイヨンキューブと書かれていた。
これを温めている鍋に入れ、じゃがいも、にんじんと玉ねぎを煮る。
[20分経過]
いい感じにトロトロになったじゃがいもに涎が出る。
ここでつかさず、キャベツとソーセージを入れる。
[10分経過]
仕上げに、バターを少しと黒胡椒を入れる。
混ぜて味見をする。
おぉいいなぁ。
そう言えば、昔よく皆んなで食べたっけ。
俺と函館が鹿とか熊とか狩って。
十勝が野菜を持ってきて、
知床とかがチョコレート入れて、
キョーダイが…
「…キョーダイが…おこって」
また、皆んなで揃って食べたいな。
エト(択捉島の化身の事)も消えちゃったし。
俺はキッチンの火を止めた。