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なんで、こんなに、いいお話が作れるんですか??? 流石に天才
『BLACK cat school』〜スクールライフは恋と波乱!?〜
9時間目 隠せない心
15分の休憩の時…私は保健室を訪れていた。
『ルカス。』
『?おや、華さん。どうされましたか?もしかして気分でも…』
『…まぁ、そんなところ。』
『こちらへ。』
ルカスは私の手を引きソファに座らせた。
『ありがとう。』
『…気分と言うよりかは、心が落ち込んでるみたいですね。』
『!どうして…』
『ふふ、貴方のことならすぐ分かります。
好きな人なら尚更。』
『っ…。』
『私で良ければ話していただけますか?』
『…怖いの。私のせいでみんなの仲が裂かれたら。』
『!』
『私を賭けて戦ってるのは今更止めても仕方ない。でも。誰かが勝って…告白して、私が誰かを選んでしまったら…。その1人のことを嫌いになるかもしれない。みんなが今まで通りになんて…。』
『華さん…。ふふっ。そのような事はありませんよ。』
『え?』
『みんな…それも覚悟で戦ってるのかもしれませんがその前に…大事なのは貴方の気持ちですから。』
『私の……。』
『えぇ。貴方がみんなが仲良くして欲しいと望めば……それに応えるのが我々です。』
『ルカス……』
『ふふっ。貴方にそのような悲しい顔は似合いません。笑って下さい。』
『……うん。ありがとう。』
私はルカスに微笑む。
みんながそれも覚悟の内で戦ってるなら……私もそれに応えないと……。
『…私、決めた。みんなの気持ちに応えたい。みんなが本気なら…私もちゃんと向き合いたい。』
『えぇ。…その上で私を選んでくれたらなお嬉しいですよ。』
『もぅ…///』
私は保健室を後にする。
『あ、ミサキ!どこ行ってたの?次の協議始まるよ。』
『ごめんごめん、ちょっと覚悟を決めに。』
『?』
『続いての競技は二人三脚です。
出場する1年A組、1年E組、2年C組、3年C組です。』
『あ、テディのクラスか。』
『やっと俺の出番だ〜。』
俺はハチマキを巻いて校庭に出る。
『テディくん〜!頑張ってね!』
『うん!ありがとう!必ず勝つからね!』
『きゃー!』
『テディ、よろしくな。』
『うん!一緒に頑張ろう!』
俺はペアの子にニコッと微笑む。
『ラッキースマイル…堪らん……』
(テディのファンの子は落ち着いてるな。
過激派もたまにいるけど。)
『選手の皆さん、ちゃんと紐は結べましたか?』
『大丈夫でーす!』
『では、第一走者目準備して下さい。』
『ふぅ…。』
『では、二人三脚スタートです!』
パンッ!
『行こう!せーの、1、2、1、2…!』
『テディ速…っ。』
『テディ君はハウレス先輩と同じ剣道部だからね。体力には自信あるみたい。』
『なるほど……。』
『よしっ!次頼んだよ!』
俺は次の走者にタッチする。
(少しでも活躍して1位になって…華さんに――。)
俺は華さんを見つめる。
『っ……。』
テディと目が合った。
『華さん。見てましたか?』
口パクでそう伝えている。
『…ちゃんと見てたよ。』
『ふふっ。俺、ラッキー。』
『っ……。』
『華?どうしたの?』
『う、ううん!なんでもない。』
パンッ!パンッ!
『今ゴールしました!1位は2年C組、青組です!』
『やったー!!』
『テディ君かっこよかったよー!』
『青組には20点。テディ君には20点入ります。』
『ラッキー!』
『テディ君も負けじと他のみんなにかじりついてるね。』
『だね…!』
『華。うちらは華が誰を選んでも…その意志を尊重するからね。』
『ありがとう。3人とも。』
どんな結末になろうと…この気持ちには決着をつけなきゃ。
次回
10時間目 この想いだけは引けない