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Snow Man佐久間大介の行方不明のニュースが流れたのは約1ヶ月前のことだ
あれにはびっくりした
もっとうまく立ち回っているもんだと思っていたから
うちの親からの捜索願で公になったそうだ
それまでは【体調不良による活動停止】だったから批判は殺到
事件事故の両面から捜索が行われているというが、世の中の行方不明者は日本だけで約8万から9万人もいるそうで、きちんと捜索が行われているかは疑わしいとコメンテーターは言う
その後の報道で、俺の愛猫も消えていたことから自ら消息を絶ったのではないか、と憶測を呼んだ
忙しすぎて疲れてしまったのかも
普段明るい人こそ悩みを打ち明けられない傾向が強いから、無理して笑っていたんじゃないか
事務所のスケジュール管理はどうなっているんだ
なんて
色んな意見がSNSにも溢れた
状況が状況なだけに
出演していたバラエティは休止
仲間の行方が分からない状況では見てる方も笑えない
こんな大事になって
あいつはどう収拾をつけるつもりなんだろう
そっと目を閉じると
「ニャーオ」
キャットタワーからトンっと降りてきたシャチが鳴いた
低く長い鳴き声は不安の兆候だ
じっと動かずに目を閉じたから、不安に思ったのかもしれない
ツナの方も、キャットタワーの上からこちらを伺っている
「大丈夫だよぉ」
寄ってきたシャチのフワフワの体を撫でると、俺の中の不安も小さくなる
猫は環境の変化に敏感でストレスを感じやすい生き物だ
漸く今の環境にも慣れ始めたばかり
急に環境が変わったのは俺もだが
何だかんだと順応してしまう自分の適応力には驚きである
シャチを抱き上げて
背中辺りの匂いを吸っていると、不意にベルがなった
帰宅を知らせる合図
ガチャリといやに重い音を立てて扉が開く前に、シャチが俺の腕から逃げ出した
ツナもシャチも
「ただいま、大介」
この部屋の主である蓮を警戒している
忙しすぎて疲れてしまったのも
悩みを誰にも打ち上げられずに無理に笑っていたのも、俺じゃない
「おかえり、蓮」
全部、蓮の方だ
真面目で努力家
受けた仕事には全力で挑むし妥協も許さない
人には優しいけれど自分には厳しいから
俺は心配だったし、俺が側にいる時は気が抜けるように笑わせてやりたいって、ずっと思ってた
それがいつの間にか依存にかわっていった
俺がいないとダメなんだって
夜も眠れない
ご飯も旨く感じない
自分が笑っているのかも分からない
助けて
助けて
俺の側にいて
俺だけを見て
俺以外見ないで
好きだよ
好き
好き好き
好き好き好き
好き好き好き好き
好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き
愛してるんだ
気付けば俺が演じた吐夢ばりのヤバいヤツになっていた
瞳の奥が吸い込まれそうな程に真っ暗で
拒んだら…
遠くへ行ってしまいそうな気がした
行ったら2度と、戻ってこれない場所へ
だから抵抗はしなかった
知らない場所で目覚めて
鎖ジャラジャラの足枷まであってびっくりしたけど
『ごめんなさい』
何度も謝りながら泣く蓮を
責めるでも罵るでもなく抱き締めた
壊れる程に、俺の事を愛しちゃってる蓮が、可愛かったから
そして俺は
1つの条件と共に、全てを受け入れたんだ
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