パソコンを打ちながらあと少しの資料が終わりかけた時、
電話がかかってきた。
電話機に手をとるとその声はドイツさんからのものだった 。
「 あ、日本 、大丈夫 か?
具合とか … 」
「 へ?あ、えぇ。大丈夫ですけれど 、
どうかされましたか? 」
「 どうかって ……今日は会議だっただろう?
珍しくお前が来ないものだから
みな心配していたぞ 。」
一瞬 、時が止まったように思えた。その言葉で身体中の冷や汗が止まらなかった。
「え、きょ、今日でしたっけ 、
あ、明日では … 、あっ、すみません!!!
私のミスです、すみません、
無断欠席 … どうしましょう、す、すみませんほんと、
あ、えっと 、すみません 、」
「 お、おい、落ち着け日本 、
お前 … 大丈夫か ? 様子がおかしいぞ、?
それにお前今午前1時だ 、
一応のため確認で電話をかけたら … 、
なぜ会社にいるんだ 、」
「 まだ終わっていなくて 、笑 」
「 他にも人はいるのか ?」
「 … あ、い、いない!?あれ、
先程までいたのですが、、あれ、今一時、
おかしいですね、さっきまで昼前だったのですが、」
「 お、おい、お前大丈夫か 、
やはり休んでいないのだな!?!?
全く 、あれほど言ったのに。 」
ポチくん 、ご飯もまだ食べてないんでしょう 、
お腹すいているだろうに。
ずっと、私の帰りを待って … 。
ぽちくんが可哀想過ぎて涙が出てきてしまった、
「 すみません 、ドイツさん 、
心配かけてしまい、お手数お掛けします、」
なんて申し訳ないんでしょう。
「 に、日本、お前 … どうした、大丈夫か、」
「 いえ、大丈夫です 。」
「 泣くほどまでにつらいのではないか、?」
「 いえいえ、大丈夫ですよ。」
あぁ … 人前で泣くことなど許されないというのに。
泣いてしまった 。
「 忘れてください 、
私は大丈夫なので 」
「 待て。切るな。おい、日本!!」
電話機を元に戻し 、またパソコンに目を向ける 。
いつの間にか電気も着いていないことに気が付かなかった 。
あと少し 。あと少しなんです 。
もう少しで帰れますよ 。ポチくん 。
かち 、という言葉でようやく終わり 、
荷物を鞄にしまい、駅へ向かう。
「 あ 、」もう終電を過ぎてしまったようで、
駅は閉鎖されていた 。
「 … ぽちくん 、」
走って家へ帰りましょう。歩くのは慣れていますから 。
「 急いで帰らねば行けませんね 。」
硬いスーツ生地が皮膚に擦れて痛みが走る。
このままでは、寝ること、いえ、夕飯、?
身体を洗うことすら… 。
ほとんど丸1日です。丸1日ぽちくんはずっとお腹を空かせて待っている
そんなこと 、生き物を飼うべき者ではない。
息を切らして走り着いた場所は 、
家ではなかった 。
ここは 、何処でしょうか 。
当たりが真っ白で、水平線が広がっているだけの所。
「 … 中国さん 、?」
奥にいるのは中国さんで 、此方に手を振っている 。
私は彼のことが嫌いだと言うのに 、体が勝手に動いてしまった 。
「 中国さん 、!!!」
何故彼の名を呼んだのでしょうか ¿¿
彼の懐に飛び込み 、彼の紅色の服をつかみ 、
何度も彼の名前を呼んだ 。
彼は何も言わず 、私の背中を子供をあやすようにトントンと優しく叩いた 。
あぁ _ 懐かしい _ 。
彼の此処は 何処よりも 暖かかった 。
自然に _
国は 、泣いてはいけない、いけない、
ダメなんです。ダメです。ダメです、
泣くな。泣いてはいけない。泣くな。
やめろ。泣くな。出るな。涙よ、出るな。
涙、出るな。出るな 。出てくるな。
声よ。出てくるな。出てくるな 。
「 私は 、ずっと ____ 」
あれ …
あたりは白ではなく 、真っ黒です 。
「 気がついたか 、 日本 、 」
誰かに声をかけられているのですが 、
何も見えません 。
コメント
3件
真っ白い→涙で見えない? 真っ黒い→抱きついてるから見えない?
いちこめ!! 日本もうそろ休んで??